■酷暑のデーゲーム[ジェフレディースvsASエルフィン狭山(5月31日)]
“温暖化”って言葉が盛んに取り沙汰されるようになって、どれくらい経ちますかね。20年くらいでしょうか。少なくともアラフォーオヤジのワタクシが扶養家族下にあった頃には存在していなかったような。ともかく暑いのですよ。この試合が行われたのは5月31日。末日とはいえ5月ですよ。薫風が香って、若葉が芽吹く、そんな“うららか”でなければならない季節ですよね、5月って。それが30℃を超えようかってくらいに暑い。
そんな日に13時30分とかにキックオフするものだから、選手はヘロヘロ。なんてことを愚痴ってるということは、「プレーヤーファーストの観点から、ナイトマッチにすべきだ!」とか主張しそうでしょ? いやいやいや、それが、そんな主張はしないのです。うっかり筆にまかせて、そんな主張をしてしまったら、その日から、ワタクシ、クレーマーの仲間入りを果たしてしまいますからね。そこは慎重なのです。
というのも、ナイトマッチで開催しようとすれば、ナイター照明のあるグランドを借りなければならなくなる。その時点でグランド使用料が跳ね上がる。加えて照明使用料ですからね。なでしこリーグのクラブには、財政的にしんどい。なでしこをにも潤沢なスポンサーがついて、かつ、入場料売り上げも伸びれば、そのあたりは解決される。なので、このクソ暑い中で奮闘している選手たちを見て、「まずはスタジアムに出かけて、枯れ木も山の賑わいとして貢献しよう!」との思いを新たにした次第です。
■ねづっち[東京Vvs山形(7月5日)]
この日の試合では、珍しくハーフタイムショーがありました。そこで登場したのは「ねづっち」。謎かけで一躍、時の人になった、あの芸人さんです。なんでも日野市出身だそうで。ちなみに日野市はヴェルディのホームタウン。試合前イベントだと、どうしてもガラガラのメインスタンドを相手にしなければならないので、多くのサポーターにお楽しみいただくべくゴール裏前で余興を開催しようとすれば、こういう形になる。それにしても、ねづっち、か。等々力での西城秀樹登場以来の衝撃かもしれない。
当然、ねづっちですから、やることは決まっております。そうですね、「謎かけ」ですね。「整いました〜」っていう、アレです。この日は5題くらい整えていましたでしょうか。上手いものから微妙なものまで。ねづっちブームの頃、千原ジュニアが展開していた理論があって、それは「ねづっちの偉大さは謎かけのテクニックというより、『ねづっちです!』という決め言葉の発明である」というものだったのですが、改めて、それを実感しました。
ただ、ねづっちは、単に「『ねづっちです!』といったら笑うタイミングですよ〜」という方程式にだけ頼っているわけではなさそう。それだけなら、天津木村のように、もっと急速に商品価値を落としていくでしょう。なんというか、鉄板の営業力を誇っているのですよ。ネタとネタの間の繋ぎの何気ない一言で客の注目を逸らさない、というか。コアなお笑い好き以外にも届く術を有しているというか。このあたりは浅草演芸会の誇る伝統芸の底力かもしれません。
■3421について[東京Vvs群馬(11月15日)]
ある意味、Jリーグって、とてもガラパゴスなサッカーリーグだと考えるのですが、その典型的な現象が、近年の3421ブームではないでしょうか。発端はペトロビッチが広島で415ありきの3421を成功させたことでしょうか。ミシャさんはそれをそのまま浦和でも導入して上手くいっているわけですから、まあ、日本人との相性が悪くないシステムなのでしょう。それ以来、415にするかどうかはともあれ、多くのチームが3421を取り入れている。
3421のメリットとしては、何よりも1トップ2シャドーが真ん中に3人して近い距離感でプレーできるところでしょう。基本的に日本人のメンタリティとか、フィジカルとかを踏まえると「サイドを独力で突破せよ!」ってのは向かない。少なくとも育成年代の指導者の大多数が、そのようなチーム作りをするっていう状況は考えづらい。やはり、アジリティーと正確な技術とコンビネーションを伸ばすチーム作りをすると思われる。そういった風土を踏まえると真ん中に3人いるというのは、とても合理的です。
ただ、3421を取り入れようとした少なくないチームが、志半ばで、それを断念している。というのも、このシステムって、機能させるには、それなりの条件がある。一言でいうと、1トップの部分ですね。それは4231でも同じかと思いますが、結局、ポストプレーをこなせて、かつ得点感覚に秀でたストライカーがいないことには機能しづらいのですよ。逆にいうと、平本というタレントを擁するヴェルディが3421を採用するのは合理的なような気がします。