華麗なる退却戦〜浦和vs清水(6月7日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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土曜日は大宮、日曜日は浦和な週末でした。

■前半

前半の戦いを見ていると、両チームの成熟度の差が如実に現れていました。チームの成熟度といっても、それを判断するには、いくつかの要素を併せて考えていく必要があるかと思いますけど、ワタクシ的には、ダイレクトパスの精度あるいは頻度というのを、1つの基準にして考えています。

 

 

その基準でいくと、浦和は前半から実によくダイレクトパスが交換されていた。清水のチェックも勤勉でしたので全てが全て成功していたわけではないものの、出し手と受け手による意図の共有という意味では、しっかりとしたものがありました。

 

 

一方で清水には適度な距離感で三角形を作ったダイレクトパスの交換という現象がほとんどみられなかったような。清水は清水で、それなりにチャンスは作っていたものの、基本的には戦術ウタカであって、そこからのルーズボールによって発生する偶発的なチャンスを巧みにシュートまで持ち込んでいたイメージがあります。

 

 

そうなんですよ、清水、戦術ウタカなんですよ。確かにピーター・ウタカは怪物系のアタッカー。フィジカルがゴム鞠みたいに弾む系の選手で、速くて強いって感じ。そして、左サイドには相棒ともいえるミチェル・デュークがいて、この選手は速くて上手いですから、この2人の個を生かすって判断はわからなくもないんですけどね、清水には大卒の戦術的なプレイヤーもたくさんいるなか、個人技任せのサッカーに徹するというのは、少しもったいないです。

 

 

 

■後半

 

試合は後半になって動きます。ゴール前での混戦のこぼれ球を拾った興梠がカラダをしなやかにひねらして流し込んだ技巧なシュートで浦和が先制しました。興梠の勝負強さが凝縮したようなゴールだったでしょうか。ソツがなかったですね〜

  

 

そんな興梠とは対照的に今ひとつもってなかったのが李忠成。精力的に自分の仕事を繰り返し、決定的な場面も何度か呼び込んだんですけど、ねぇ、決まらなかったのですよ。キーパーへのチェックも怠らず、守備の場面では余計なファールを犯してしまうくらいのガッツを見せてくれていた反面、どうにも空回り感を否めず。シュートをミートできなかったり、ゴール前でボールを持ながらもコースがなかったり、体勢が悪かったり、どうにもこうにも得点の匂いがしない。まあ、この選手は空回り上等!ってスタンスでこそ良さが出るので、このまま頑張ってもらいたいところですけど。

 

 

さて、試合は、先制した直後、後半の15分にもならない時間帯から、浦和の退却戦モードが発動します。レジスタ系のボランチである柏木に代えて、しっかりカラダを張れる系の青木を投入します。残り30分以上を逃げ切ろうという作戦。対する清水は金子や高木といった選手をドンドンと投入。その中で、システムもいじったらしく、知らないうちにデュークが2トップの一角なのか右ウイングなのかって位置に移動しており、左サイドは石毛の担当となっていた。

 

 

デュークも良かったですけど、左のアウトサイドにスライドして以降の石毛もとても良かったですね。キレキレ。対面したのは、岡本。森脇はどうしたんですかね、ケガでもしたのでしょうか、ベンチにも入っておらず、岡本が抜擢されていたのですが、いくらJ2での実績があるとはいえ、今シーズンは公式戦から遠ざかっていましたので、フィジカルがついていかない。

 

 

残り10分ちょっとってところで足が痙攣してピッチアウト。しかし、そこからが浦和の底力です、代わりに投入されたのは、百戦錬磨の鈴木啓太。阿部が最終ラインに下がる。スクランブルの選手交代にも全く動じません。終盤は清水にさんざん攻め立てられていたので、試合をコントロールしたのか、単に受けに回ってしまっただけなのかは微妙ですけど、ともあれ、華麗なる退却劇を完遂いたしました。

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

柏木陽介

□推薦理由

補強によって2列目の選手層が厚くなったことからなんでしょうか、今シーズンは、ほぼボランチで固定されていますね。以前から柏木はボランチの方が良いと思っていたのです、少なくともミシャレッズにおいては。理由は大きく2点。

 

 

まず、1つには、ボランチの方が彼のストロングポイントが生きるということ。柏木の長所というのは、その展開力だと思います。特に憲剛とはまた微妙に種類が違いますが、球足の長いパスが良い。球質が良いですし、左右の空いたスペースを探すのも上手い。そして、そこに出せる。これは大きな武器です。

 

 

柏木がボランチの方が良い理由のもう1つは、その短所が目立たないということ。柏木って、遅いですよね。ひょっとしたら、徒競走とかは遅くないのかもしれませんけど、ダッシュ力(初速)が今ひとつのような。それからがに股で動きが大きいのでアジリティーに欠ける。2列目だと、そこの不足が歯がゆいのですが、ボランチだと、さほどその欠点が目立たない。ボランチならば代表候補だと思います。