指揮官の好対照についてアレやコレや間接的になぞってみる【ナビスコ決勝】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■浦和 0 vs 1 柏[ナビスコ決勝 11月02日]

さすがに浦和のサポーターが作り出す雰囲気は凄かったですね。良くも悪くも威圧的なのですが、この舞台ではプラスに働いていて、それに後押しされるように、ピッチでも序盤からレッズがイニシアティブを握っていたと思います。握らされていたのかもしれませんが。レイソルはミラーゲームに持ち込んでいましたから、極言してしまえば、〈55vs55〉という構図。ゴールトゥゴールの応酬となり、決勝戦ですし、必然的にバイタルエリアでは互いが互いにハードなチェックをぶつけ合う、ややもすれば荒れかねないような展開。

そのようななかでも際立ったのが柏の試合巧者ぶり。例えば、前半の20分くらいに藤田がピッチ外で治療しているとき。工藤が槙野のプッシングされたのですが、そのとき工藤は実に大袈裟に倒れ込んだ。もちろん‘リアルガツ’に痛くて「やばいよ、やばいよ」状態だったのかもしれませんが、おそらく藤田が戻るなり、選手を交代させるなりの時間を稼いだものと想像されます。

逆に浦和は、前半から森脇がイエローカードを貰ってしまった。きっかけはレアンドロの悪質ともいえるファールだったので、森脇は被害者ともいえるのですが、ディフェンダーがイエローをもらうことのリスク、プレーへの影響を踏まえると、前半から、しかも異議でカードを頂戴するというのはいただけない。浦和は全体として、こういうところの試合巧者ぶりが足りない。

そんな両チームの差が象徴的に表出したのが前半ロスタイムの先制ゴール。自らのスローインからワグネルが大きくサイドチェンジすると、逆サイドの藤田が高精度アーリークロス。そこに工藤が頭で合わせました。まさに一瞬の隙を突いたゴール。レイソルの真骨頂と言えるでしょう。

後半に入ると、浦和は攻めざるをえません。しかし、柏の前線3枚のアタッカーが隠し持つカウンターの脅威が浦和のバランスへのクサビとなり、次第に浦和は手詰まり感を増していきます。そこでペトロビッチは状況を打開すべく関口を投入。途中出場で見せ場を作るのはなかなか難しいのですが、関口はそれなりに躍動していましたね。昔から感じていたんですが、ペトロビッチって、原口とか柏木とか槙野とか森脇とか、‘悪ガキタイプ’の選手との相性が良いですよね。関口も、‘悪ガキタイプ’っぽく見えますので、特殊なペトロビッチサッカーに予想よりは順調な適応を見せていますね。

対する柏は増嶋を投入して守備を固めて逃げ切りを果たしました。ちなみにアウトになったのは谷口でしたが、本職じゃないCB起用ながら奮闘してネルシーニョの抜擢に応えました。谷口は恵まれたフィジカルと、謎の器用貧乏さによってボランチながらもCFで使われたりしたのですが、動物的勘をFWほどは必要としない分、CB起用の方が、CF起用よりはソツなくこなせる感じですね。