ザックジャパンがコートジボワール相手に初戦を落とした瞬間、多くの「(自称)サッカーに関心のある」日本人にとって、ブラジルワールドカップの記憶は風化を始めたわけですが、一応、ワタクシはWCの全試合を録画を中心に見ました。で、その各試合のレポは少しずつ「ワールドカップTV観戦記」としてアップしておりますが、それと並行して、「ワールドカップ各国分析」もアップしていこうかなと思います。1週間に1カ国とすると、コンプリートするのに8ヶ月、2015年の5月、完全に皆さま「とっくにそんなこと忘れたよ!」って時期になってますけれども・・・。
というわけで、今回は、毎大会恒例の顛末を迎えたカメルーン。
□見た目について
この大会のカメルーンを見ていて、最も印象に残った選手を1人だけ挙げるとするならば、迷わずシュポモティングです。全体的に素朴な風貌なのですが、なかなか眉毛がご立派。そして髪型はモヒカンで金髪ときたもんだ。なんだか、夏休み明けに大学に出没する、イキった1年生みたい。似非パンク野郎というか。「どことなく誰かに似ているな」と思案してみたところ、若い頃のタカトシのタカに似ていなくもないような。
見た目の特徴としては毎回、ワールドカップのごとに感じるのですが、アフリカ系の国々出身の選手って、パンツを腰パンで履きますよね。そして、胸筋の厚さというか、ピッチピッチ加減が尋常でない。ユニフォームの上着がパッツンパッツンで乳首が浮きまくり。しかも足がとても長いのですよ。腰パンで胸板が厚くて足も長いとなると、全体のフォルムが前のめり気味に見える。この辺りは骨格的な部分の特性なのでしょうか。
□フィンケについて
そんなカメルーンを率いていたのは、Jリーグを普段から観戦している身にはお馴染みのフォルカー・フィンケ。浦和レッズを指揮していた監督さんですね。浦和時代には余り感じなかったですけど、守備における綺麗な2ラインを作るのが上手ですね。攻撃においては、浦和時代のイメージだとショートパス過多なスタイルになりそうなものですが、そういう雰囲気ではなかった。必ずしもショートパス一辺倒の指導者ではないらしい。
なので、一見すると、とても統率のとれたチームのように思えなくもないのですが、各選手、揃いも揃って、流れのなかで何かと意味なく相手選手を押し倒したがりますよね。これは、普段、欧州のクラブでプレーをしているときから、そうなんですかね? ひょっとしたら、フィンケの指導方法が管理型で、そういうフィンケへのストレス、「オレたちは、もっと自由にプレーしたいのに!」という心の叫びが、カメルーンの選手たちの挙動を、ややもすればラフにしていたりして、とか邪推してみたり。
□チーム内のゴタゴタについて
まあ、カメルーンの選手たちのストレスは必ずしもフィンケに由来するものでもなさそうですけどね。派閥争いがあるそうで。そういうのが、ボーナスの配分とか、飛行機の座席とかをめぐって、すぐに顕然化するそうな。特にネームバリュー的にも2大巨塔といえるエトオとソングが不仲らしい。そして、「エトオと愉快な仲間たち」vs「ソングと愉快な仲間たち」がグループ闘争しているらしい。結果、最終のブラジル戦では両者ともに先発から外れる大岡裁き的な用兵に。・・・フィンケも大変だな。。。
なかでも酷かったのが、クロアチア戦でみせたアスエコトの見事なヘッド。ヘディングシュートではなく、ムカンジョに対して発動させた頭突きですね。そりゃ、フィンケとしても次の試合のベンチに入れるワケにはいかなくなる。NHK的な表現を借りるなら「独特なヘアスタイル」ということになるんでしょうが、要はアフロ。そして、「体制に迎合しないぜ!」とか、「自由でありたいんだ!」って雰囲気が、どこかヒッピーを彷彿とさせて、なんだか、この大会におけるカメルーンというチームを象徴しておりました。