フィンケvsニココバチについてアレやコレや結論づけてみる【カメルーンvsクロアチア】の周辺をウロウロと…★ワールドカップ各試合を振り返る★

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カメルーン 0 vs 4 クロアチア[WCグループA 06月19日]

エースのエトオを欠いたカメルーン。苦戦も予想されていましたが、それでも序盤はカメルーンが右サイドを制圧しつつ、クロアチアを押し込んでいました。ただ、先制点はクロアチアモドリッチのロングパスに反応したスルナがサイドを独走。クロスをマンジュキッチが潰れながらも落として、ペリシッチがラストパス。フリーで走り込んだオリッチが鮮やかに決めました。“流れるような”という形容詞がピッタリくる素晴らしいゴールでした。

 

 

負けたらグループリーグ敗退が決まってしまうカメルーンとしては、攻めへの姿勢をより強めます。ただ、シンプルでスピーディーな攻撃と堅守を持ち味とするクロアチアによって、その攻撃姿勢はコントロールされてしまっていたように思います。そんなイライラが募ったのでしょうか、あろうことか大黒柱のソングが前半だってのにマンジュキッチに背面から肘打ち。当然のことながら一発レッド。フィンケも首を撚るしかありません。ヤレヤレ。

 

 

後半開始とともにフィンケは動く。CBシュジュに代えてDFのヌンクを投入。一見するとCB同士の交換のように思えながらも、よくよく観察していると、すこし趣が異なる。「はて、どう出てきたのかな?」と眺めているうちに、決定的な2点目が入ってしまいました。カメルーンGKイタンジェのゴールキックをカットしたペシリッチが、そのまま1人で持ち込んで、マンジュキッチを囮にしつつ、自らゴール。正直ここで試合の趨勢は決したといえます。

 

 

2点目の時は囮となったマンジュキッチですが、そこは欧州王者バイエルンの主要ストライカーですからね、ちゃんと仕事はします。後半の15分過ぎにコーナーキックからヘディングシュートを突き刺しました。さすがは千両役者です。マンジュキッチの千両役者ぶりは、これだけにとどまらず。コバチッチとエドゥアルドという途中交代コンビでシュートまで持ち込むと、そのこぼれ球を易々と押し込みました。4点目。カメルーン、事実上の終戦が、もう目前に。

 

 

カメルーンとしては、ただでさえ前半から過剰にアグレッシブだったのに、1人少ない展開となり、かつ、相手にボコられて、何が何でも一矢報いたいとなれば、必然的に攻撃が個人頼みの単発となります。連動するスタミナも残っていませんし。ただ、最後の最後まで「得点を奪おう!」「どうにか、なんとかしよう!」という意識はキレなかったので、そこまでひどい試合にはならず。だからこそ、ロスタイム間際のアスエコトとムカンジョの小競り合いは残念でした。

 

 

というわけで、ワンサイドゲームとなりましたが、ソングが退場するまでは、決してダメダメではなかった。むしろカメルーンの右サイドはクロアチア守備陣をタジタジにしていた。退場するまでのソング(右インサイドハーフ)はしっかりゲームを組み立てていましたし、ムカンジョは試合を通じて圧倒的な存在感を示していた。そこにCFのアブバカルが小気味よく流れてきて、さらにエムビアが絶好調時のアウベスのような圧倒的な推進力でオーバーラップしてくる。

 

 

クロアチアとしては、「いつやられてもおかしくない」という状況。そこでニココバチ監督は静かに動きます。単純にサイドハーフのペシリッチとオリッチの左右を入れ替えただけですけど、攻守に効果的なテコ入れでした。フィンケも、そこには対応してきて、後半開始の選手交代に際して、ムカンジョとシュポモティングという両ウイングの位置を入れ替えましたが、最終的にクロアチアカメルーンを完封し、しかも左に移ったペシリッチがゴールを決めましたから、監督同士の攻防もクロアチアに軍配が上がったといえるでしょう。