■コロンビア 4 vs1 日本[WCグループC 06月25日]
最初の数分でわかりましたよね。明らかにコロンビアのほうが格上であることは。事実上のホームであることも後押しにはなっていたのでしょうが、キックオフしてすぐにコロンビアが試合のイニシアティブを握った。もっとも、それゆえ引かれると弱い日本にとっては好勝負になる予感も漂ったわけですが。実際に、前半の5分過ぎだったでしょうか、縦に抜け出した大久保のスーパーなトラップからエリア内でチャンスを作ると、それが呼び水となって日本の時間帯がやってきましたし。
・・・にしても、厳し!! ボールに行ってはいるけれども、確かに触れてないんだよなー・・・。今野が献上したPK。一瞬、「アウェイ洗礼くわぁ!!」とも思いましたけど、ちゃんと見ていた審判が、カメラ越しに見ていた我々より正しいジャッジを下したようです。リードされて絶体絶命となった日本は、それまで以上に攻撃への圧力を高めます。そして、「本田から岡崎」という、まさにザックジャパンの集大成のような形で同点に追いつきハーフタイムへ。
そんな追い上げムードもコロンビアがハメス・ロドリゲスを後半の頭から投入してきたことで一変します。文字通り、“一変”。一気にパスワークが活性化すると、押し込んだ状態で右SBのアリアスがドリブル突破。勢いのままハメスにクサビを入れると、ワンタッチでマルティネスに流す。後はマルティネスは決めるだけ。ここでもキーとなったのはハメス。1人入るだけで、ここまでチームが変わるんですからね、こういう存在を“エース”と呼ぶのでしょう。
お尻に火が付いた日本代表は、ひたすら攻めまくります。長友が左サイドを突破します。インテルでやっているほど突破しきれません。香川は終始、ピッチに足を取られます。岡崎に代わって入った柿谷はボールに絡めず、本田は3試合通じて、1ゴール1アシストは見事でしたが、それ以外に何もできなかった。そして、前がかりになったところで、コロンビアのお見事なカウンターから決定的な3失点目を喫す。終盤にはさらにハメスにダメ押され、4年にわたるザックジャパンの冒険は「正面からぶつかり、見事に砕け散る」という終焉を迎えました。
最後は43歳のGKモンドラゴンが投入されてしまいました。これは屈辱的です。別にモンドラゴンをクサすつもりはないですが、こういう選手起用は、ホント、屈辱的。部活で球技をやっていてコートの中で引退を迎えた人ならわかると思いますが、引退試合というのはたいていトーナメントで強豪校にペンペンにやられて終わる。そうすると、相手の強豪校は途中から2軍を出してくる。そういう状態の相手を向こうに、最後の瞬間を迎えるというのは、心底、情けないと感じてしまいますよね。
誤解のないように付言すれば、上で「情けない」と表現したのは、オーディエンスであるワタクシが主体者たちである選手たちに「情けない」と非難しているわけでは決してありません。選手の心中を推し量って、きっと選手たちは自分たちに対して「情けない」という気持ちになっているのであろう、ということを表現したかったのです。まずは、我々オーディエンスの無責任なプレッシャーを背負いながら、堂々と最後まで戦ってくれた選手たちに、絶対的なリスペクトを。
ちなみに、オリンピック終了後にも述べたのですが、この結果を受けてザッケローニなり協会なりを、正義の味方ぶって上から目線で「情けない!」だの「責任は重い!」だの、無責任な非難をしているスポナビ(をはじめとする)ブログをチェックしてみて下さい。きっと、長期間にわたって安定的にサッカーの記事をアップしてきたブログさんではなく、ワールドカップなどお祭り騒ぎの時だけサッカー通ぶってブログの更新をする(そしてほとぼりが冷めれば殆どアップされなくなる)たぐいのブログさんであることが多いですよ、たぶん。