■日本 1 vs 2 コートジボアール[WCグループC 06月15日]
解説の岡田さんがいみじくも仰ったように、「重苦しい」立ち上がりとなりました。ヒリヒリするというか、互いに慎重というか、はっちゃけきれていないというか、「いかにも大本番初戦です!」ってな序盤戦。その均衡を破ったのが、三角形さんかっけーな人。ショートコーナーからフリーでボールをエリア内にて受け取れたのだから、この人最大の長所である「勝負強さ」を発揮するにはお誂え向きの流れ。ここで決められないと、この人の存在価値はないですからね、さすがです。
前半を全体として見れば、さほど「日本がコートジボアールを圧倒した!」という感じではなかったですよね。かといってアフリカ勢の身体能力に「あわわわ・・・」となることもなく。両チームともにダイレクトへの意識の高いパスサッカーでしたからミラーゲームっぽかったですし、また、強めの雨は降ってるわ、緯度的にかなり気温も熱そうだわで、なんだか、夏休み期間におけるJリーグみたいな展開になりましたね。アグレッシブな感じではないというか。
後半になると、さすがに試合がばらけてきました。“オープンな展開”ってほどではないですけど、ジリジリ感は確実に減少した。どちらに傾くかわからないような状況を突き破ったのはコートジボアール。ドログバ様の御降臨です。「戦争を止めた男」であるとか、「サッカー選手以上の選手」なんて評されたスーパーエースの登場によって、ピッチ内は勿論のこと、スタジアム全体の雰囲気を一気に変えてしまった。コートジボアールはいわゆる“イケイケ”状態に。
そして、追い上げられると弱いのは、2006年に証明済みの我らが日本代表ですからね。前半から悩まされていたオーリエのクロスから、ボニにやられてしまいました。11の同点。そして、その動揺がおさまらないうちに勝ち越しまでされてしまいました。これまたオーリエのクロスから、今回はジェルビーニョ。いろいろな面でジーコジャパンのときに雰囲気が似ていると形容されたザックジャパンですが、こんなところま似なくてもいいのに・・・。まぁ、ダメ押されなかった分は進化かもしれませんが。そのままのスコアで破れました。
なんとなく似た者同士のチームでしたよね。4231に見えて実質的に442であったり、何よりも「コンディションを崩して100%ではないがチーム作りの根幹部分なので起用せざるを得ない」というエースを抱えていたところが同じ。で、その“手負いのエース”が、結局はチームの足を引っ張ってしまったというところも、相似していました。こちらのエースは潰されたりパスをミスったりというのを繰り返し、あちらのエースも似たりよったり。
それでも、コートジボアールに勝利の女神が微笑んだのには、それなりの合理性があって、前半のヤヤ・トゥーレは、事実上“潰されどころ”になっていたものの、ドログバの投入によってボランチに下がると、良くも悪くも目立たなくなった。“大黒柱”感が減少した一方、足を引っ張ることもなくなった。対する日本のエースは、最後の最後まで“パスミスマシーン”“判断ミス製造器”として機能し続けてしまった。ここの差が、スコアに反映されたといえるでしょう。