■星稜 4 vs 0 京都橘[高校サッカー準決 01月11日]
キックオフ直後、あっという間に星稜が先制しましたね。11番の仲谷のゴール。京都橘としてはこれで完全にリズムを狂わされたかもしれません。勝負のアヤなのか、そもそもの実力差なのか、新興校と伝統校の懐の深さの差なのか。
その後は少しずつ京都橘も押し戻していきますが、どうもリズムに乗りきれない。小屋松が孤立気味でしたかね。都並さんは小屋松の周囲を使うプレーに対して絶賛していましたが、「もし、これをオシムが見ていたら、どういう評価をするのかな」とか感じたり。
というのも、余りにも小屋松の孤軍奮闘感が際立ちすぎていたように思えたからです。周囲を上手に使ってはいましたが、「自分がダミーになって、実は何もしていないのに、周囲がドフリー」みたいな状況を作る域までには達していなかったかな、と。きっとオシムなら、高校生相手にも容赦なく(プロ内定していますし)、「老獪な狼にならなければならない」と突き放したんじゃないでしょうか。
さて、試合は、後半に再び動きます。またまた5分とか、それくらいの時間帯。星稜の寺村がPKを獲得して、しっかり決めたもの。これは、PKで間違いないのですが、やや厳しかったかな。‘スポーツマンシップ至上主義’の高校スポーツらしい笛といえば、笛だったかもしれません。
こうなると京都橘としては攻めなければならない。そして、決定機もけっこう作っている。のですが、決まらないんですねぇ、これが。ボールの跳ね返りが逆だったり、相手GKがスーパーセーブを見せたり。そうしていると、お約束のように、星稜のカウンターがあっさり決まってしまう。そして、後半30分にはダメ押しの4点目。京都橘からすれば、さすがに厳しい。
それにしても星稜、強かったですね。とにかく選手間の距離感が良い。ハイプレスをするわけでもなく、穴熊になるわけでもなく、繋ぎ倒すわけでもない。にもかかわらず、なぜか、どの場面においても、攻めていても守っていても、常に京都橘よりボールに絡む人数が多い。イメージとしては、上手いこといっているときの安間カターレに近いでしょうか。
ベテラン監督らしい魔法があるのかもしれませんが、画面越しでも判断出来るのは、SBのポジショニングが非常に良いということ。カウンターのはずなのに、さほど突貫系でもないにもかかわらず、なぜかしっかり攻撃のフォローアップができていたんですよね。往年の国見や鹿実みたいに「ひたすら運動量!」って感じでもないので、ホント、摩訶不思議。