ファンタジー不足〜町田vs京都(7月29日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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サンガもゼルビアもホームスタジアムがなかなか昭和レトロですよね。そういう意味では“スタジアム老朽化ダービー”ともいえる一戦でありました。

■前半

今年から布部さんが率いることになった京都。よく、プロスポーツでは「名選手、必ずしも名監督にあらず」なんてことが言われたりします。井原さんとか高木さんなんかを見てると、名選手がそのまま名監督だったりもしますけど。むしろ、ワタクシが思うのは「名“精神的主柱”、必ずしも名選手にあらず」ってした方が該当率が上がりそうだということ。「名“精神的主柱”」って日本語が成立するかどうかは、さておくこととします。

 

 

精神的主柱になる選手って、良く言えばハートの熱い選手が多い。悪い言い方をすると、脳みそマッスル! 技術論や戦術論よりも精神論が前のめってしまうということなのかもしれません。例えば、消滅しゆくフリューゲルスの精神的主柱となった、あの漢とか。ってことを考えたとき、布部さんは、どうなのか。布部さんも、いろんなチームを渡り歩き、行く先々で精神的主柱となってきた人ですからね、なかなか油断はできません。

 

 

というわけで、お手並み拝見。前半から、中盤での主導権は町田が握っていたと思います。フィフティのボールやらこぼれ球を拾った回数とかは、たぶんゼルビアの方が多かったと思いますし、逆に中盤でのボールロストの回数は京都の方が多かった。しかも、それはハードワークの差というよりも、連動性とかそういった部分のクオリティに差があったから。そこは、もう何年も相馬さんが率いてきている町田に一日の長があった。

 

 

その結果、前半の京都は「これでもか!これでもか!!」とばかりに、フリーキックやらコーナーキックやらの雨霰にさらされました。ゴール前まで進入されるからコーナーキックが増えて、ファールで止めるしかなくなっているから、フリーキックが増える。京都は前半から2枚もイエローカードを頂戴していましたが、それは、そんなチーム状況をシンボリックな発露であったと言えるでしょう。そりゃ、オリスもイライラするよ。

 

 

 

■後半

あの、前半終了間際のPKって、何だったんですかね?なぜPKを取られたのか、ワタクシの位置からでは、よくわかりませんでしたし、いったんキーパーに弾かれたものの、そのまま押し込んだようにも見えたのですが、あれはどうなったの?? GKが止めた地点で前半終了というジャッジだったというのが真相らしいですけど、なんだか、ひたすらグダグダしたままハーフタイムに突入。きっと、ハーフタイムがあけてもグダグダするのかと思いきや、どっこい、後半は京都がイニシアチブを掌握して、優勢にゲームを進めます。

 

 

それもこれも、闘莉王もオリスという禁断のツインタワーがアバウトなロングボールでもなんでも収めたり、フリックしたりしてくれるから。ツインタワーに全てを託して、余計なことは一切やらない。極限まで無駄をそぎ落とし、ただただシンプルだけを追求する戦略が機能します。そして、そこで大黒の投入。余計なことをやろうとします。これは、なかなかの博打采配に思えたのですが、その大黒が2ゴールを決めるところに、サッカーの奥深さがあったりします。

 

 

敗れた町田ですが、まず第一に、少し守備陣のラインコントロールが不用意というか、強気すぎましたかね。小屋松とか岩崎とか大黒とか、裏を突ける選手が多い京都攻撃陣を向こうに回して、いつもどおりのラインの高さで対応しようとしてしまった。それから、攻撃においても、サイドを崩して折り返すまでは、何度もできていましたが、折り返してからの一工夫、二工夫が足りませんでした。サイドを突破するってところまではホントに流麗だったんですよ。でもね、どうにもこうにもゴールの匂いが発生してこない。

 

 

それと、ピッチコンディションも、町田にはマイナスでした。ゲリラ的なスコールで水溜まりができるような感じでしたので、そうなると、パスのコンビネーションで崩していく町田よりも、キック&ラッシュの京都が有利になる。でも、これらの要素って、全て、“臨機応変”さが足りないってところで共通しているんですよね。そこの問題。なんだか町田って、“頭でっかちな優等生”って雰囲気しませんか? 相馬さんのキャラクターを反映しているのか。もう少しファンタジーとかクレイジーさとかが必要かもしれません。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

・岩崎悠人

□推薦理由

京都の攻撃陣は、ペアリングの構図がわかりやすい。まず、2トップはツインタワーですよね。で、2列目が小屋松とこの選手の京都橘コンビ。仙頭はとこ行った? ともあれ、もともとはアタッカーだった2人が2列目でコンビを組んでいる。この2人に与えられたミッションは明確すぎるほどに明確。とにかく、縦に突破してクロスを入れること。スペースに向かってスプリントし続けること。若さがないとやってられません。

 

 

この選手は去年の選手権を賑わせたオールラウンドなアタッカー。どうやらスピードも豊富らしい。左サイドをガンガンに攻略していました。また、そもそもがストライカーですから、それなりに応用も利く。切り返しとかも出来たりする。かつ、両足ともに、それなりに使えるらしく、たぶん右利きなんだとは思いますが、縦に突破して、そのまま左で上げるシーンもあったようにも思いますし、良かったですよ。順調に成長してもらいたいですね。