前半の札幌は良く、横浜FCは全体的に冴えなかった横浜FCvs札幌(6月1日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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開始早々、あっという間に2点を奪われてしまった横浜FC。先制点は開始30秒くらい。左SB森本の裏に入ったボールがそのままゴール前に折り返され、なんだかワシャワシャワシャと、シュートを撃ったり、クリアしたり、しようとして出来なかったりしているうちに、最後は日高が決めました。

先制点の10分後すなわち前半10分には、前田がなぜかPA内でフリーになりまくり、ちゃっちゃっちゃと追加点を決めました。それにしても、横浜FC守備陣のボールウォッチャーっぷりはえげつなかった。どんだけ優しいんだ、と。優しいことで有名なバファリンさんでさえも、もう少しガツガツと厳しく削りにいくと思うのですが。ハードチェックを怠れば、そりゃ、相手は前田俊介、やりたい放題にされるってもんです。

横浜FCは攻撃も冴えません。なんといってもバックパスが多すぎる。Wボランチの佐藤と中里は、前半ということもあってか、危険なパスカットを受けるような選択をしませんでしたし、攻撃でアクセントを付ける役割のはずの寺田も大同小異。さらに、前半は左SBの森本にボールが集まりがちただったのですが、彼もボランチなりCBに戻す作業に熱中する始末ときたもんだ。

逆転に前半の札幌は小気味よかった。「同じ442でもこうも違うかね」ってくらいパスコースを作れていた(たぶん両チームとも実質的には442の時間帯がほとんどだった)。カウンターの機会では大きな展開から一発でビッグチャンスを作れるようなボールを出して、実際にそこにアタッカーが走り込んでいましたし、回数は少ないながらも、パス&ゴーの繰り返しから、ワンタッチパスが何本も繋がったシーンも見られました。この試合の前半だけ見ていたら、「ただの強豪やん!」と思わずツッこんでしまいそうな急所を突くサッカーをやっていました。

問題は、この前半のサッカーが、「これまでも垣間見られた」とか、「こういう狙いは伝わってきていた」みたいな‘必然’としての姿なのか、或いは、「どういうわけだが、たまたま出来ちゃていたね」という‘偶然’なのかっていうところ。今シーズンの順位を鑑みれば、後者の可能性が高そうに思えなくもないですけど、2点差を付けた余裕と、前田が気分よくプレーできていたこともあって、とにかく前半の札幌は良かった。

後半に入ると、さすがに〈札幌のやりたい放題〉というわけにはいかなくなります。横浜FC右サイドの武岡が俄然、存在感を示すようになりました。横浜FCは後半から343に布陣を改めたので、組み合わせ上のギャップができて、いい意味で中途半端なポジション取りが可能になったことも武岡が輝いた要因の一つですが、彼自身は前半から度々フリーになっていましたので、横浜FCから見て左サイドよりも右サイドの攻撃が上手くいった理由を思案してたところ、札幌左SHの砂川は司令塔タイプの選手ですから、中に絞ってプレーすることが多くて一方で左SBの松本は慎重なポジショニングで構えていましたことにより、武岡のサイドには広大なスペースが構造的に存在していたのですね。

横浜サポ目線に立つならばか「じゃあ最初から、そこを突けば良いじゃないか!」って話なんですが、後半になってこの傾向が顕著になったことを勘案すれば、前半だけで退いた河合が相当に睨みを利かせていたということなのでしょう。確かに追われる立場になったんですが、後半のコンサドーレは、いくらなんでも余裕のない劣勢に立たされ続けすぎていましたし、札幌サポとしては「オレ、やっと気づいたんだ。どれくらいキミ(河合)が大切だったかって。でも遅すぎるよね、失って初めて気がつくなんて…」みたいな気分にさせられたかもしれません。

とはいえ、そんな札幌から一点も奪えないのが今の横浜FC。後半に入って野崎を投入するとともに343へと掟破り(?)のシステム変更を加えても札幌右SH荒野のダイナミックな献身性に全く突破口を見いだせなかったですし、終盤になると田原を投入して、ついに禁断のツインタワーを解禁したのですが、終盤パワープレーの法則通り、〈なぜか誰もシンプルなクロスを入れようとしない〉状態になるなど、まあ、冴えなかったですねぇ。

□日本代表への推薦状

・推薦者

前田俊介

・推薦理由

え〜と…、基本的に説明不要かと思いますが、天才ですからね。2点目のゴールなんて、普通の選手なら、あんだけPA内でフリーになったら、逆に焦りまくって力みまくるものかと思われますが、悠然とドリブルを開始するや、飄々とショートパスみたいなシュートを決めてしまうんですから、普通の選手とは感覚が違う。

他にも中盤のタイトな場面だというのに足の裏やら踵やらで、擬音語にするなら‘トントントン’みたいなボールキープで相手選手を翻弄してみたり、つまりですね、全く空気読まないのですよ。良くも悪くも周囲のテンションに影響されない。〈良くも悪くも周囲のテンションに影響されない〉という部分だけを切り出せば、本田のスペアになりうる選手は彼しかいないのかもしれない。どうでしょう、ザックさん!?