ポーランドvsギリシャとドイツvsポルトガルの周辺をウロウロと…【ユーロ観戦記】

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WC予選やら、なでしこのテストマッチやらも一段落つき、ユーロも地上波放映が小休止していて、ちょいと生活に余裕が出てきた今日この頃、皆様におきましては如何お過ごしでしょうか?

ワタクシは別館4thDayMarketCentreをアップしております。

触りたがりの樋口寛規には気持ちが良かったはずだ、とかなんとか言っちゃって。東京VvsFC岐阜(06月13日)その4

噂のターゲットマン対決、とかなんとか言っちゃって。東京VvsFC岐阜(06月13日)その5

要は岐阜の自滅なわけですよ、とかなんとか言っちゃって。東京VvsFC岐阜(06月13日)その6

ポーランド 1 vs 1 ギリシャ[06月08日 EURO2012]

序盤は一進一退のようにみえて全体としてはポーランドの支配率が高いかな、見たいな展開でしたが、右サイドのブラシュチコフスキピシュチェクというドルトムントコンビの崩しがジャブのようにギリシャを追い詰めてました。で、先制点も右サイドからオブラニアクが高い位置でボールを奪いブラシュチコフスキに。その折り返しに、同じくドルトムントレバンドフスキが呼応して先制点を奪います。

その後はギリシャのペースとなってポーランドはカウンター中心。ただ、その数少ないカウンターがギリシャCBパパスタトプロスを退場に追い込むんですから、やっぱりポーランドのタレント性は侮れません。

不利な状況に陥ったギリシャですが、それまで完全に抑えられていたサイドの攻防で右サイドをトロシディスが制し、抜け出したクロスがこぼれたところをサラピギディスが丁寧に押し込み同点に追いつきます。

1人少ない相手に同点に追いつかれると、さすがにポーランドも支配率を上げます。そうすると、あぁら不思議、今度はポーランドがカウンター仕様になったギリシャを攻めあぐねる、ギリシャのカウンターが冴え渡るという、前半とは真逆の構図が現出します。これぞサッカー。だから面白いのです。ここらあたりのボールゲームに特有な「機微」というのは、ある意味で突き抜けてしまったバルサの試合では味わえないフットボールの醍醐味ですね。

そんななかギリシャのカウンターによる決定機を防ぐべく、ポーランドのGKシュチェスニーがファウルを犯し、レッドカードを頂戴します。そして、そのPKを交代したGKティトンがセーブする。うむ、Theイタズラof神様。

そこからは試合序盤と同様、一進一退に戻る。シンプルに攻めきるという点ではギリシャに少し分があるかなってのはありましたが、ポーランドポーランドでオブラニアク中心に右サイドを攻略していましたし、まぁ、イーブンでしたね。

さて、どうでも良いのですが、”香川の同僚”という枕詞でスッカリ有名になったレバンドフスキですか、この人はアルファベット表記すると”lewandowski”になるんですね。”wa”は「バ」。言われて見てれば「ワーグナー」を「ヴァーグナー」って表記する書物もありますもんね。

なんてことを書いといてアレですが、ポーランドの人物に関するトピックでワーグナーなんて名前を出したら、関係各位には激怒されてしまうかも。第二次大戦中におけるポーランドを舞台にした悲劇に間接的な影響を与えたとか与えてないとか言われている人物ですから。

そういや、ドイツ代表はポーランド入りするや、その戦蹟を公式訪問したらしい。このあたりは、1945年を境に国歌だか国旗だかを変更したって話もありますし、「付けるべきケジメをキチッと決めることが国を愛する気持ちだぜ!」って部分で徹底してるドイツらしい、まこと格好良いスタンスですね。

例えばアメリカ代表は2002年に訪日したとき、ヒロシマやらナガサキやらオキナワやらの戦蹟を訪ねたのかしら?あるいはアジアカップとかで(以下略)

■ドイツ 1 vs 0 ポルトガル[06月10日 EURO2012]

ポゼッションするドイツ、カウンターで隙を伺うポルトガルという凸と凹が完全に拮抗した、緊張感あふれる1戦になりましたが、その均衡を破ったのはドイツ。後半も30分に近づこうとする時間帯、シュバインシュタイガーケディラのWボランチが揃って右寄りに流れながらパス交換しつつクロスまで持っていき、その、やや乱暴ともいえるアバウトなクロスにゴメスがパワーを見せつけ頭でねじ込んだゴールでした。まぁ、ゴメスの”個”ですね。

ワールドカップの時にも思ったのですが、ポルトガルって、欧州サッカーシーンでは、「関脇」くらいの立ち位置ですよね。で、日本人の感覚では、関脇は「小結や前頭より強い力士」なんですが、ヨーロピアン的には「横綱大関より弱い力士」って感じらしい。

大関ドイツに対して、ポルトガルは基本的に引いていました。完全に「ポルトガルがドイツをリスペクトする」という構図で試合が進みました。

ただ、とはいえドイツも、ただ「我が道を行く」では済まない。なんといっても、ポルトガルにはクリ田ロナ男がいますからね。彼をケアすべく、右SBにはボアテングを起用し、さらに、クリ田に向かって出される長短のパスは悉くカットしてしまった。おそらく、相応の工夫が為されていたはずです。

そんな調子ですから、ロナ男サイドは、ポルトガルにとっても、ドイツのゲームメークという意味でも、事実上、凍結されていた。いわば真空状態。

と、なると必然的に、攻防はドイツから見ての左サイドになります。特に、ポルトガルは守備の時、クリ田が攻め残るのに対し、ナニはしっかりリトリートして、守備ラインに参加していた。ナニを右SHに置く442が2ラインを敷くってイメージですね。

そういう、若干、変則的なシステムですから、必然的に縦のギャップができたり、突発的なスペースが作られたり、硬直したクリロナサイドとは対照的に、ナニサイドはアメーバ状になっていて、ドイツにとっても、ポルトガルにとっても、そちらからチャンスは作られます。

ドイツに関していえば、そこで少しマークが流動的になることを上手く利用して、再三ポドルスキがフリーになっていて、ならば、ということで、ドイツはアタッキングサードにおいて、エジルシュバインシュタイガーが右に流れてミュラーを絡めてチャンスを作り、そこからポドルスキやらゴメスやらにクロスを送る、送りたい、って攻撃が目立ちました。

一方のポルトガルも、ナニに加えて、途中出場のバレラや、フォーローアップする右SBのペレイラなんかが攻め上がり、右サイドの攻略を志し、さらに、それによってマークが甘くなるクリ田ロナ男の一発に一縷の望みを託すって形になっていました。実際に、終盤には、そのようなかたちから何度か決定的なチャンスを演出しました。とはいえ、そこはドイツ。というかノイアー。一見だけではスーパープレーには見えないスーパーセーブを、その都度ごとに繰り出し、クリ田のミドルも、バレラの至近距離からのシュートも、ラームなどとともにカラダを張ってシャットアウトしました。