サッカーの怖さについてアレやコレやブルってみる【コスタリカvsギリシャ】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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コスタリカ 1 vs 1 ギリシャ[WC準決勝  06月30日]

さすがは決勝トーナメントにまで駒を進めてきたチーム同士の対決ですから、ともに序盤から、比較的やりたいサッカーを表現できていた模様。互いに慎重なゲーム運びながらも、それでいて手詰まり感のない展開で、見ていてストレスがなかった。全体としてはコスタリカが地上戦でイニシアティブを握っていたのですが、一方でギリシャギリシャでハイスペックなロングカウンターでヘススナバスが守るコスタリカゴールに圧力をかける。キーマンはホレバス(ギリシャ)・ディアス(コスタリカ)という両右SHだったでしょうか。この2人の、どちらが高い位置を取っているかを見れば、どちらのチームにリズムがあるかがわかる、そういう前半の戦いでした。

 

 

試合が動いたのは後半の7分。左サイドのボラニョスの折り返し(クロスというよりも横パスに近いイメージ)をエースのルイスが決めたもの。ルイスのシュートは一見するとボテボテに見えたのですが、かなり難易度の高いシュートだったようです。で、コスタリカは試合巧者ですから、試合の流れを忖度して、ここで一気に畳み掛けます。それまでの慎重スタンスとは打って変わって、得点後5分間くらいは攻撃的なモードでギリシャのメンタルを追い詰めます。

 

 

もちろん攻撃的になったからといって、調子に乗ってイケイケになったわけではない。ベンチメンバーがピッチ外に出たボールを蹴り出したり、ルイスがえげつないタックルを見舞うなど、きっちり遅延行為を丁寧に繰り返す。特に、ドゥアルテが退場して10人になってからは、その傾向が明確に。そりゃ逃げ切るしかないですからね。鉄の団結で各々がやるべきことを繰り返す。なかでもGKナバスが八面六臂のスーパーセーブを連発しまくる。

 

 

しかし、ミラクルギリシャは最後まで試合を諦めません。後半ロスタイムのパワープレーで、パパトタソプーロスが押し込み、同点ゴールをもぎ取りました。それまでは得点の臭いなんてしなかったのに・・・これがサッカーです。そのまま試合は延長戦へ。ロスタイムに同点に追いつき、そして、1人多いわけですから、当然、ギリシャが一方的に攻めたてます。ただ、ギリシャは守備のチームですから、そうそうテンポよく得点を奪うには至りません。

 

 

延長も後半に入ると、さすがに両チームの選手ともに疲労の色を隠せなくなる。ギリシャが相変わらず攻めてはいましたが、キレというものがなくなる。それと反比例するように、コスタリカGKのナバスの鋭さが増していく。そのナバスが、試合の決着をつけます。両チームともアメージングな集中力を維持したまま、勝負はPK戦へ。各キッカーとも疲れ切った脚で、それでも正確に蹴り込んでいく。そして、ギリシャの4人目・ゲガスのキックをナバスが弾き出して、コスタリカのベスト8進出が決まりました。

 

 

 

この試合では、ボールを持つ側になったコスタリカ。ワールドカップ優勝国揃いの死のグループだったこともあり、グループリーグでは相手に攻めさせて少ないチャンスをものにするというサッカーだったのですが、この日の相手は、よりカウンター指向の高いギリシャですので、攻めることになる。コスタリカの立派なところは、ボールを持たされたからといって、戸惑わないところ。往々にして、このパターンだと、「どうして良いのかわからない・・・」ってなるんですけど、そうはならない。さすがです。

 

 

コスタリカの戸惑わなさについては、後半にドゥアルテが2枚目のイエローカードで退場してからの時間帯においても顕著でした。3バックの一角を欠くことになったのですが、非常にスムーズに441へと移行しました。もともとが5221でしたので、そのままDFの枚数を減らせば441になるんですけど、特筆すべきは、選手の1人1人が表情を変えることなく、次の瞬間には意思統一が出来ていたこと。44の2ラインの綺麗さは、とても試合途中のスクランブル対応とは思えませんでした。