権田のパフォーマンス〜2011年シーズンのJリーグを振り返る・選手の群像編

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世間ではお師匠様がもはや走らなくなり、ハッピーでニューなイヤーが到来しているようですが、こちとら、別館4thDayMarketCentreを更新する以外にやつことがありません!

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プジョル上腕二頭筋の界隈をサラッと。

年が明けましたし、今後しばらくは2011年のJリーグを振り返るシリーズと、お馴染みのテレビ観戦記の2本立てで行きます。なので順調にいけば週に2回の更新となるはずですが、ワタクシの場合、ものごとが順調にいかないことの方が圧倒的に多いので、その辺りは御愛嬌ということで。

さて、2011年のJリーグを振り返るわけですが、このシリーズは基本的に「つぎはぎ感」満載になります。それもこれも、「法の抜け穴」を通り抜けるための苦闘の跡ですので、その辺ご承知おきくださいませ。

てなわけで。

2011年シーズンは震災の影響で、4月23日に再開幕を迎えました。再開幕という事態は、やはり極めて異常現象です。その証拠に、携帯で変換してみても、「再開発」とか「再解釈」とかは予測変換されても、「さいかいまく」の語は変換されません。「再会・幕」の変換範囲をいじって「再・開幕」に直さなければなりません。

そんな再開幕初戦は東京Vvs愛媛の試合を観戦しに駒沢に足を運びました。

で、4月というのはヨーロッパに目を転じたとき、チャンピオンズリーグの決勝トーナメントで盛り上がっていたりします。特に2010−2011年シーズンは、シャルケvsインテルという組み合わせ、すなわち、内田vs長友の直接対決が実現したこともあり、日本のサッカーファンもいつも以上に注目しましたね。

もちろん、それまでも、中田vs名波の7番対決なと、ヨーロッパ主要リーグで日本人同士が敵味方に分かれて対戦することはありましたし、いまや、ドイツやオランダのリーグ戦では日本人対決なんてニチジョウチャメシゴトですね。それでもポジション的に右SBと左SBとしてマッチアップ、しかもチャンピオンズリーグの決勝トーナメントで対戦するとなると、やはり特別な出来事です。

しかしですね、この東京Vvs愛媛の一戦でも、我々サッカーファンの肉を驚かせ、血を湧かせるSB対決がありました。日本のサッカーを愛する皆様ならば、もうお分かりですね、そうです、ヴェルディ左SB森選手と愛媛右SB関根との対決です。

長友vs内田には負けるとも劣らな……多少は負けるかもしれませんし、だいぶ劣るような気がしないでもないですが、普段からJリーグ、というよりJ2に注意を払っている皆様ならば、この対決に注目しないわけにはいきません。そうです、J2にも注目すべき選手はたくさんいたのです!例えば当時J2で、今やJ1のFC東京のGKは、代表候補の権田選手。vsコンサドーレ(4月30日)の話です。

春先のFC東京はさながら野戦病院の様相を呈していました。まぁ、実際の野戦病院というものを体験されている方々からすれば、「そんな簡単に野戦病院なんて言葉を使うんじゃない!」って、お叱りを受けるんでしょうが、ともかくFC東京は攻撃の軸として期待された平山選手や、「今年こそ中盤を安定させてくれるはずだ」との期待を集めた米本選手が、長期間の戦線離脱を余儀なくされてしまいました。そんなFC東京ですから、サポーターも含めて、更なるケガ人の発生には非常にデリケートになっています。

その矢先にアクシデントは発生します。攻め込まれたFC東京は、札幌の攻撃をどうにか凌いで、徳永選手にボールがまわります。徳永選手を起点に「すわ、、カウンターの発動か!?」って状況になったわけですが、カウンターの危機を察した札幌の高木選手が徳永選手を潰しにかかります。

審判はアドバンテージを取って流しましたが、タックルを受けた徳永選手は、その場に倒れ込みます。そして、うずくまる徳永選手のもとにダッシュで駆け寄ったのが、そう、本日の主役こと権田選手でございます。

FC東京の選手の受難は、これだけでは済みませんでした。試合の中盤、ハーフウェー付近でルーズボールに反応した今野選手が、「パスカットから、そのまま攻め上がる」みたいテンションで前に出ます。そうしたところ、ボールを失うまいとした札幌FW三上選手は、思わず足を高く上げてしまい、その足が今野選手のボディに入ってしまうということがありました。

徳永選手に続き、今度は今野選手がうずくまってしまったわけですが、ハーフウェー付近にもかかわらず、権田選手は、今回も飛んで駆けつけます。こちらは、いわゆる「痛いだけ」っていうパターン。のたうち回れっていれば、痛みはひいていく感じのヤツでしたので、しばらくすると権田選手は退散し、今野選手も立ち上がったわけですが、そこに三上選手は近寄っていてペコリと一礼。なかなか清々しい会釈でございました。

4月の試合でしたので、三上選手は「先月までは高校生でした」って状況だったのですが、この「先月までは高校生でした」っていうフレーズ、特定の種類の男性向けエンターテイメントにおいて、特に好まれます。しかし三上選手を見ていると、若者の初々しさというのは、その類のエンターテイメントに限らず、爽やかな気分にしてくれますね。

……完全に話が逸れました。権田選手の話です。とにかく、権田選手はアグレッシブなんですよ。

まずプレーの面。権田選手の魅力として、川口能活よろしく、広い範囲までアグレッシブに飛び出していくという特徴があります。

この試合に限っていえば、「飛び出す→クリアできず→ゴールがら空き→こぼれ球を拾った札幌の選手に技術があればロビングのボールが無人のゴールにテンテンと…だったが、どうにか免れる」っていう致命的なミスシーンが二度もありましたが、それくらいでアグレッシブさを失う権田選手ではありません。

先に述べたように、権田選手のアグレッシブさは、痛んだ選手が出たときに発揮されます。味方選手が倒れると、一目散に走り寄り、その選手のケアをします。その時の出足の鋭さは、浅いDFラインの裏に出されたスルーパスをクリアすべく前に飛び出すときと、ほぼ遜色はありません。

そして、痛んだ選手の様子についてベンチに向かってサインを出すのも権田選手の役割らしい。例えば、徳永選手の例では、ケズられ方が、一瞬、ヒヤッとするものでしたので、大丈夫そうだと分かったときには、腕を大きく使って丸を作りました。

一方で、今野選手の場合、前のめりにうずくまりました。三上選手が上げた足の高さを勘案すれば、いわゆる1つの「男性にしか分からない激痛」であろうことは、遠目からでも判断できる。

練習とかならクスクス笑いなり、爆笑なりが発生する、あれですね。あのなんとも表現できない微妙な空気感が漂っているわけです。そういう中で権田選手がベンチに出したサインとは、「コッソリ小さく親指を立てる」というものでした。

さしもの権田選手も、笑うに笑えない、けれど思わずニヤニヤしてしまうっていうシチュエーションでは、毅然とした丸マークを出すのに躊躇を感じてしまったようです。ワタクシが権田選手と同じ立場にいても、おそらく権田選手と同じような行動をとったでしょう。それくらい、特定の種類の男性向け激痛は、ミョ〜な空気が流れるのです、ってことを世間の女子一般に熱く伝えたい!