テレビ観戦記天皇杯準決勝FC東京vsC大阪と横浜FMvs京都の周辺をウロウロと…

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いつもながらタイミングを外し続けるテレビ観戦記ですが、その前に、例によって別館4thDayMarketCentreの宣伝から。

グランパスの鬼門の界隈をサラッと。

U23金崎の界隈をサラッと。

今シーズンの欧州組の界隈をサラッと。

FC東京vsC大阪(12月29日)

前半、キックオフ直後からFC東京のエンジンはフルスロットルでしたね。と、「フルスロットル」なんて言葉を簡単に使ったのですが、「エンジン」と「フルスロットル」の組み合わせは正しいのかしら。というわけでググる。うん、どうやら完璧に正しいらしい。

ともあれ、アナさん(中村さんという方らしい)や山本昌邦さんが試合途中に会話していたように、FC東京的には、J2で戦うよりも、J1相手のチームの方が攻めやすいんでしょうね。ベタ引きしない分だけ。

2011シーズンのFC東京といえば、相手が守り疲れるまで真綿で首を締め付けながら、後半、一気に攻め立てるってパターンが多かったのですが、この試合では前半ののっけから攻めまくり可能状態になっていた分、逆に攻め疲れが心配されました。

ただ、少し気になったのはパススピードですね。特に高橋や椋原に顕著だったんですが、パス一つ一つのスピードが少し遅いんですね。

結果として、そこをかっさらわれて決定的なピンチを迎えるということはなかったのですが、味方にたどり着く前に場合によっては相手に奪われてしまいかねないってシーンが非常に多かった。

よくJ2で戦っていると、もともとJ1で戦えていたチームや選手でも、J2の水に慣れてしまうなんて言説を耳にしますが、高橋や椋原などは、そもそもJ1でのキャリアが、それほど豊かではない選手ですし、どうしても、こういうパススピードなどに「J2基準」が出てしまうのかもしれません。

一方のセレッソですが、基本的には「攻めさせる」って感じではなく、普通に青息吐息でしたね。シュートをキーパーが弾き出すってシーンが多かったですし。

ただ、なんやかんやでFC東京の一気呵成を凌ぐと、少しずつ牙をむき出します。セレッソって、2列目にテクニシャンを3枚並べることからポゼッションサッカーをしているような先入観を持ってしまうのですが、どちらかと言えば、鹿島みたいな「肉を切らせて骨を断つ」系のチームですよね。鹿島と違うのは、鹿島がボランチやSBの攻め上がりを上手に利用するのに対して、セレッソ1トップ3シャドーの4人だけで攻撃をやりきろうという指向性が高そうなところでしょうか。

というわけで後半は一進一退の、まさに熱戦となりました。そこにケリをつけたのは谷澤。ルーカスにポストプレーから優しいボールを戻してもらって、そこで躊躇なく足を振り切りゴールに突き刺したものでした。セレッソも切り札の播戸を投入して最後まで猛攻を仕掛け続けますが、FC東京が、どちらかといえば危なげなく、そのまま逃げ切りました。

しっかし、あの谷澤がねぇぇぇ。

2011シーズン、J2リーグを戦う中で何度もイージーなシュートを外し続けてきた谷澤が、J1クラブ相手の天皇杯でワンチャンスを生かしてしまうんですから、決定力なるものは水物ですね。

横浜FMvs京都(12月29日)

いやぁ、前半終了間際の京都の波状攻撃は凄かったですね。コーナーキックからのヘディングシュートがゴールライン上でGKに弾き出され、そのこぼれ球をジャストミートしたシュートがバーを直撃し、その直後のミドルシュートもポスト直撃。凄すぎるやろ。

まぁ、でも俊輔スルー→渡辺という形でワンチャンスを生かしてマリノスが先制したんですけどね。ただ後半早々に京都は工藤の個人技(福西さんによると周囲のフォローも絶妙だったようですが)で同点に追いつきます。で、ドゥトラ直接フリーキックで同点に勝ち越す、と。ただ、絶体絶命の土俵際に追い詰められたマリノスを大黒と中澤のツインシュートが救い、土壇場で同点に持ち込みました。

ダーウィンが来た!」放送時間を押し退け、試合は延長戦に突入。死闘の最後は、サンガ途中出場の若者2人が美味しいとこ取りしていき、ジ・エンド。ってな試合展開でございました。

それにしても京都の攻撃は見ていて楽しいですね。年末に三ツ沢で見た横浜FC戦での京都とはまるで異なる光景が展開していました。それもこれも大木さんの指導の賜物でしょうか。

大木さんといえばオシムが倒れた後に岡ちゃんが代表監督に就任するに当たって参謀役として招聘したことで有名な監督さんですが、確かに、岡ちゃんが最も苦手とする「オシム的サッカー」を少しでも継承すべく、大木さんに白羽の矢を立てたのも頷けます。

次から次へとウジャウジャと人が湧いてくる感じの連続攻撃は、オシム時代のジェフを彷彿とさせます。ボールを奪って縦パスが出たら、もう、周囲の選手、少なくとも34人は、相手ゴールに向かって全力疾走が一斉に始めますからね。

方法論に若干の相違はあるのかもしれませんが、おそらく日本人指導者の中で、「人もボールも(合理的に)動く」というオシム的要素を最も適切に表現できているのが大木さんではないでしょうか。

一方のマリノスについては、この試合の結果を受けて木村和司監督が更迭されたこともあり、ややもすれば厳しい評価を受けがちなのかもしれませんが、この試合に限っていえば、それほど酷い内容ではなかったように思います。

確かに、中盤でのボール運びについて、「型」のようなものは伝わってきませんでしたが、それには2つ理由があって、1つは大量のカメラを用いたNHKさんが、そのスケールメリットを生かすべく、やたらとスローを量産したことにより、画面が切り替わった頃には前線までボールが運ばれているってことが多かったこと。

もう一つは、こちらが重要ですが、結局、俊輔1人でボールを前に運べてしまうってことですね。で、「戦術は俊輔」に批判的なムキもあるようですが、突出した個が存在しているチームには往々にしてあることなんで、一面的に批判することはできないでしょう。ならば、湯郷ベルの種田佳織監督だって非難されてしかるべきです。

まぁ、とはいえ、「特定個人の技術を中盤の組み立ての基本形とすること」と「3人目の動きがないこと」とか「選手間の距離感が悪いこと」は別問題なんで、やっぱり、解任は妥当ですかね。。。