天皇杯、鹿島vsFC東京の周辺をFC東京目線でウロウロと…

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続いて、FC東京にフォーカスします。

いやぁ、凄かったですね、平山のゴール。なかなか、あんなシュートが決まるシーンには巡り会えません。

つか、オーバーヘッドキックとバイシクルシュートって、同じものですか?別物ですか?同じものならば、いつから呼び方が代わったんですか?

我々の世代的にオーバーヘッドキックと言えば翼クン。ゴールのバーよりも高く跳躍して、2週間に渡り空中に静止し、体操選手ばりにスタっと着地する。なんならDFの1人や2人を吹き飛ばして、お好みに合わせてゴールネットも突き破りますか。

Jリーグが開幕して、あれがフィクションだと初めて気づきました。自分に出来ないだけで、きっと日本の何処かで誰かがスカイラブハリケーンを決めているものだと信じて疑わなかったのですが。

、、、何の話でしたっけ?

そうそう、平山のゴールですね。

バイシクルと言えば最近では宮本選手が思い浮かびますが、キャプテン翼度でいけば、平山のシュートの方が何倍も稲妻シュートでしたね。

さて、そんなFC東京、全体として、どんなサッカーをしていたかと問われればワタクシは毅然とした態度で「フツーのサッカーをしていた」と自信満々に答えるでしょう。漠然としているというか、抽象的というか、具体性がないというか、何と言うか、「このサッカーを一年通じてやってれば、多分8位10位くらいにはなっていた」って感じ。

とにかく、降格したからって、破れかぶれの蛮勇に走るわけでもなく、変に卑屈になった守備的サッカーをするわけでもない、フツーのサッカーをやっていたわけです。これは非常にポジティブな事だと思うんですね。降格した事実から目を逸らさず、等身大の姿勢で受け入れたからこその、フツーだと思うんですよ。

それは、サポも同じでした。チャントからは悲壮感なるものが全く伝わって来ない。むしろ、リードして迎えたハーフタイム明けに自覚的に浮かれ気分を演出して「お正月」の替え歌を熱唱するなど、東京名物の「悪のり」が復活していた。「J2に落ちたんだから、この際やりたいことを、やろうぜ」、そんな良い意味での開き直りが伝わってきた。

何より、東京サポの「それでも東京が好きだ」がもの凄い濃度で伝わってきたんですね。

突然ですが、「愛」と「恋」の違いって何ですか?

一般的には、「心」の位置に引きつけて、「恋は下心」「愛は真心」なんて言いますよね。それは、その通りなんですが、もう1つワタクシ的持論として、「相手の長所に惹かれているうちは恋」「相手の短所も〈まっ、しゃーねーわな〉って思えるようになって初めて愛」なんて考えてます。そういう意味で親の子に対する愛は無敵なのですね。

なんか、この日の東京サポに、「欠点がある(=降格した)からこそ愛おしい」を感じたのです。そして「欠点があるからこそ愛おしい」を一身に体現しているのが、誰あろう平山選手だと思うんですね。

平山選手に対する評価って、実はFC東京に対する評価の相似形だと思いませんか?

すなわち、「ポテンシャルはある。成長もしているし、散発的に周囲を魅力する。けれども全く物足りないし、出来ないことも多すぎる」、これって、平山選手とFC東京の両方ともに当てはまりように思います。

石川選手が「東京の星」なら、梶山選手は「東京の象徴」でしょう。そして、平山選手は「(良くも悪くも)東京らしさの象徴」と言えるのではないでしょうか。

繰り返しになりますが、この日の東京サポは、「欠点がある(=降格した)からこそ愛おしい」オーラ全開でした。だからこそ、「出来ない子ほど可愛い」平山選手が先制ゴールを決めたことには、凄い意味があると思うんですね。

FC東京にとっての天皇杯は、かつての横浜フリューゲルスのように、「最後の輝き」を歴史に刻みつけるような性質のものではなかったかと思います。むしろ、冷静に等身大の自分たちを見つめ直し、来るべき新たなるステージに向けての準備作業を静かに、そして着々と進めるための場、残留争いという非日常空間から、日常的空間へと、一端リセットするための場のように感じました。

さて、先に「東京の象徴」と評した梶山選手ですが、この選手も、他の追随を許さないスペシャリティとともに大きな欠点を抱えていたりしますよね。

一言で言えば、イージーにボールを失い過ぎる。自信満々に悠然としていたかと思いきや、次の瞬間、いとも簡単にかっさらわれてしまう。この点は是非すぐにでも改善しなければなりません。

では、どうすれば改善するのか。かつてJ2に同じような選手がいました。足下の技術は誰もが認めるが、周りからは緩慢にしか見えない状態でボールを失う選手が。

そうですね、ヴァンフォーレ甲府山本英臣選手ですね。

しかし、いまや山本選手、歴代の監督から絶大な信頼を受けるキャプテンに成長しました。では何が彼を変えたのか。甲府サポには周知のことでしょうがCBに転向したからです。

つまり、一度のミスが即座に失点に直結するCBは、中盤の選手に比べて何倍もイージーミスに対して神経質になります。山本選手は、そういう緊張感を背負いながら真剣勝負を繰り返すことで、緩慢なボールロストを減らしていった。

賢明な皆様なら、もうお気づきですね、そうです、梶山選手をCBに転向させてみたらどうか、考えるわけです。もともとフィジカル的にはCB体型ですし、長い目でみたら、悪くないと断言でき、、、ないかもしれないですね、、、