チェア的なマンも代わりましたし、またまた秋春制がどうとかって言い出す人が、きっと1人以上2人未満、出没するものと予想されます。
冬は寒いし、夏は暑い。自然の摂理でございます。日本の場合、真夏でもお天道さんが暮れてからならば、一般的にはあんまり熱射病にはなりませんが、真冬だとお昼にやっても風邪とかひいたりしますよね。
そんなことはさておき系で。
土曜日のFC東京vs神戸に引き続き、日曜日はフクアリに行ってまいりました。フクアリ、正式名称はフクテックアリーナ。伊達政宗のお膝元には、ユアだ電子スタジアムなんてのがありましたっけ?
ともあれ、千葉vs札幌。
札幌といえば石崎さん。石崎さんといえば、元祖玉砕プレスですね。「何はなくとも運動量」というのはオシムのイメージが強いですが、石崎さんの影響も軽視できません。
高い位置でプレス。そしてプレス。暇さえあればプレス。あーだこーだ考える前に、とりあえずプレス。
個人的に柏時代のイメージは上のようなものです。それで、それなりに結果を残したわけですので、「まずはプレス」ってのには、相当多くの指導者が追従しましたね。
もっとも石崎さんの長所は、そういうプレッシングサッカーを展開する一方で、フランサなんていう劇薬を適切に使いこなす懐の深さなんだと思います。
そういやフランサ、退団したんでしたっけ?スーパーな技術を持つ一方で、使い勝手の悪い選手でもありましたからね。そういう選手を受容しきれるクラブ、監督というよりクラブですね、そんなクラブがあれば、またフランサの魔法が見られるんですが、どんな感じなんでしょうか。
さて札幌。序盤は石崎さんらしい、中盤でプレス、そこからショートカウンター、が冴えてました。
ミリガン、アレックスの緩慢な対応もありましたが、先制点に結びついたコーナーキックは、ショート(というには少し長い)カウンターからのもの。
守備でも、プレスをキッチリかけて最初の15分まで、ジェフは攻撃の形を作れませんでした。
ただ、札幌は右SB藤田選手のサイドに、少し隙があったようです。元々は攻撃的な選手だったという先入観があるから、そう見えただけかもしれませんが、ジェフは工藤選手とかアレックスとかが左サイドでボールを受けるようになってから、少しずつ攻撃のリズムを整え直していった印象があります。
で、千葉は中盤のプレスをかいくぐってしまうと、そこから波状攻撃となるわけです。サイドからネット・バイアーノに預けて、なんだかんだ攻撃して、最終的に工藤や中後がミドルシュートを撃って攻撃をやりきる、という形がある程度できていたように思います。
ちなみにアウェイ側で見ていました。また、この試合はコイントスのあと、サイドが入れ替わりました。なので、前半のジェフの攻撃と札幌の守備はよく見えなかったのですが、千葉がロングボールで中盤の向こう側にボールを送ると、札幌の最終ラインがズルズル下がっていくような感じがありました。
「プレッシングのチームにはロングボール」、定石ですね。そして、そんな定石に対し札幌のDFは弱すぎるだろう、対策ができてなさすぎだろう、と思ったりしたのですが、何事もシッカリ見ないといけませんね。後半、札幌守備陣を間近で見てみると、確かに下がらされてはいるんですが、実際は、特に慌てることもなく的確に対応してたように思います。
そこは、さすが藤山ですね。ネットとのミスマッチを全く感じさせませんでしたし、ペナの中に入られても慌てる素振りはない。石川、西嶋ともども、対応にそつがない。
もっとも、ネットは、サイズの大きな選手ですが、どちらかというと、ロングボールに競り合ったり、ヘディングでシュートしたりというのではなく、手足の長さを生かして足元でキープすることに、サイズの大きさを活用するタイプのようです。FC東京の平山みたいな感じですね。だから、藤山とのミスマッチも、実はあんまり影響なかったのかもしれません。
話をジェフの攻撃に移し、もう少しネット選手の話を続けると、彼はペナの中で足元にボールが入るのを待っているタイプらしい。中盤の選手からみれば、引いて貰いに来ないので、預けどころとしての機能を余り期待できないってことです。
で、ジェフの中盤は、オフザボールでの運動量に特徴のある選手が多い。
ワンタッチ、ツータッチで捌いていくと言えば聞こえが良いですが、要するに、中盤でボールが落ち着かない。そこに、上でみたようなネット選手のキャラ。そうなると、中盤あるいは前線に、「もらって、溜めて、攻撃を起動させる」ことのできるというか、「中盤で後ろ向きにボールをもらって、周囲の上がりを引き出してから前にボールを送る」というか、一言で言えば「場を仕切れる」選手がいない状態が発生します。
だから、基本的に千葉が攻めているし、ポゼッションの数字も高いけれども、なんとなく、「ちゃんと攻めている」という感じがしないんですね。
札幌のゴール近くでワサワサしているけれども、相手を崩しているかというと、そうでもない。そんな印象でした。
とはいえ、仮に、そういう「中盤で敢えて溜めを作らないサッカー」を、江尻さんが狙って作っているのであれば、完成されたときが、とても楽しみだったりもします。
期待しましょう。