百戦錬磨〜愛媛vs長崎(3/23)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

またまた遠征です。未踏の地、ニンジニアスタジアムに初見参。ホームの愛媛は川井体制も2年目ということで、それなりの開幕ダッシュとなった模様。昨シーズン途中にバトンを受けてから青年監督らしいアグレッシブな中身については、ずいぶんと評価されてきましたが、そうなると次は結果を求められる。愛媛にとって「是」とされる結果がどの程度のことなのかはわかりませんが、プレーオフ争いには絡みたいところでしょうか。

対する長崎は今年から新たに手倉森さんを招聘して体制作りが始まったばかり。いくら百戦錬磨の手倉森さんとはいえ、最初は苦労するかもしれませんね。もともと手倉森さんのスタイルというのは、鹿島出身ということもあり、分かりやすい形があるわけではない。試合巧者なチームを作って、いやらしく勝ち点を積み上げていくスタイルですので、そういう部分をチームに落とし込むのは、そうそう簡単なことではない。高田社長は忍耐強いでしょうから、あとはサポーターが我慢できるかどうか。試されてますよ。

 

■前半

あんまり意識してなかったんですけど、学校の春休み期間で、かつ、春分の日が絡んでくる時期なんですよね。松山の宿が全く予約できない。さすがは四国でも指折りの観光地。ハイシーズンには多くの観光客が押し寄せるらしい。皆さん、そんなに坊ちゃん電車に乗りたいのだろうか。ともあれ、ワタクシ、完全なる宿難民と化していて、楽天さんであれこれ必死に探すと、ようやく探せだしたのが、伊予鉄の横河原という駅にあるビジネスホテルだったりする。

それにしても、横河原。。。伊予鉄ナントカ線の終点ですよ。東京でいうならば、東京ドームで応援した後、都営三田線の終点である高島平とか、都営新宿線の終点である本八幡まで行かないとホテルがなかった状態。もはや松山市でさえなく、「東温市」という自治体らしい。……東温市とは? 松山からの方向的に「東」は解る。「温」は? 温泉の「温」なのか、「温州ミカン」の「温」なのか⁇ まあ、こういう機会でもないと足を踏み入れることはなかったでしょうから、前向きに捉えましょう。

 

伊予鉄の「いよ立花」駅からバスに乗ってニンスタへ。そしてキックオフ。まず愛媛ですが、縦パスが入って攻撃のスイッチがオンになると、多くの選手がゴール前に押しかけて、さながらジェットストリームアタック。これが可能になっているのは、野澤と田中という、いわばWアンカーなボランチコンビがいるから。2人とも最終ラインに落ちることもできるバランサー。どちらかがリスクマネジメントするから、アタッカー陣は本能剥き出しの前掛かりになれる。

しかし、そういう相手を向こうに回したときの長崎はしたたか。まずは相手の攻撃を受ける。重厚なブロックで手詰まりにさせ、うまく高い位置で引っかけられればそのまま愛媛ゴール前に押しかける。ブンデスの試合を見ているような「手数少なく攻められれば、それが最も合理的。なので通るのであればパスレンジは長い方がベター」というイズムが伝わってきます。

 

■後半

スコアは前半に長崎が先手を取りました。愛媛の猛攻をいなしつつ、セットプレーから相手のミスも利用しながら、さっさと得点を奪う。なんとも手倉森さんらしいというか、高木監督時代以来の長崎らしさというか。追いつきたい愛媛は後半途中に山瀬を投入。そうか山瀬、今年から愛媛か。それに伴い神谷がトップ下に入る3412になったかも。加えてシャドーだった近藤もWBにスライドします。その近藤、WBとしての適正がめっちゃ開花してましたよ。押し込んでいるとき限定かもしれませんが、水を得た魚のようにキレッキレ。

しか〜し、それでもスコアは動かせません。というか手倉森さんが動かさせない。後半早めに島田を投入して4141で守りを固めてシュートコースを消し続けると、終盤には逆に押し返してビルドアップを妨げるべく前線に畑を入れる。百戦錬磨の逃げきり劇でございました。

 

ところで、松山って、野球の町を目指しているんですよね。「野球」って言葉の生みの親か何かの正岡子規にかこつけて(心の悪い声「プロ野球球団もないくせに…」)。そんなお土地柄もあってか、この日のニンスタの観客席はいささか寂しかった。2622人。そもそも箱が大きいだけに、寂寥感に堪えきれない。ゴール裏は両方ともに閉鎖されていて、サポーター密集ゾーンとなるはずのバックスタンドも空白が目立つ。サッカーを文化として浸透させるには、もう少し時間が必要なのかも。

尤も、ワタクシがサッカー観戦を始めた15年くらい前の平塚競技場も、こんな感じでした。バックスタンドの後ろの方では余裕で横になって爆睡できる人口密度だったと記憶してます。それが今や、その頃に比べて2〜3倍の客が入るようになった。愛媛もこれからです。ちなみに、そんなまばらなバックスタンドですけど、傾斜がえげつなくないですか?今回はメインスタンドに座ってたんですが、再訪する機会があれば、今度はバックスタンドの急傾斜を体感してみたいな、なんて思ったりもしました。

 

ホームチームの苦難⁈〜群馬vs秋田(3/10)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

今シーズン3試合目は正田醤油スタジアム。正田一族のご令嬢がロイヤルウエディングで日本を明るくしてから半世紀。いまや、お孫さんの結婚相手について、いろいろとツッコミどころがありすぎて、なんだかワチャワチャしている今日この頃、ザスパは布体制2年目に突入です。高校サッカーの名将も協会入りしてからは、あまり評判が芳しくなく。でも、昨シーズンも後半から終盤にかけては強かった印象も。尤も去年のJ3は大相撲でいえば9勝6敗でも3位争いくらいはできていたので、今年こそ真価が問われる。

相手は秋田。数字的には杉山監督も悪くなかったなかで、昨シーズン途中に、敢えての間瀬第二次政権誕生っていうプロセスがありますから、間瀬さんは間瀬さんで正念場のシーズンになりますし、そういう判断を下したフロントもも、また正念場。なんせ、殿様知事がスポーツインフラへ圧力をかけまくるお土地柄。だからといって地に足がつかなくなっては全てがおじゃんですので、堅実に成長してくれ。

 

■前半

この試合は17時キックオフという、少しトリッキーなスケジュールでしたので観光をしてきました。「十年一昔」とはよく言ったもので、いやぁ、激変しましたね。「何が?」って話ですが、富岡製糸場ですよ、富岡製糸場。ワタクシが10年ちょっと前に立ち寄ったときには、いまだ一般公開されていなくて、守衛所の前から外観を背伸びして眺めるくらいしかできなかったのに、今回訪ねたら、それはそれは立派な観光地になっていたではありませんか!いまさらながら、世界遺産になるって凄いなぁ。

その2匹目のドジョウを狙ってか、群馬県、今度は「上野三碑」を前面に押し出している模様。なんせ、駅の改札を出たところのコンコースにレプリカを飾ってあるレベル。……でも、さすがにしんどくない⁇  詳しくは知りませんが、要するに昔の石碑ですよね。どこにインスタ映えする要素があるんだ? 観光地として成功するための最大要因、それはインスタ映え富岡製糸場はそこをクリアしている。でも上野三碑は……しんどくない⁇

 

システムについては、ザスパが352。あるいは532。3バックに3ボランチのあれ。アンカーには青木翼が入って、2トップの一角が青木翔太。この2人が間違いなくビルドアップのキーマンなんですけど、それにしても、「翼」と「翔太」って。。。ただでさえ同じ名字なのに、2人ともフライハイやん。ともあれザスパのサッカーは低く構えて、奪ったら長駆する、両WB(+辻)が死ぬパターンのヤツ。

秋田のシステムはアンカーを置く433。非常に特徴的で、何はともあれ両ウイングがサイドライン際にえげつないくらい開いている。横幅広く使うにも程がある。そう、秋田のサッカーは一言、「サイドアタック」‼ ビルドアップの段階で長短織り交ぜたサイドチェンジ。仕掛けもサイド、人数をかけるのもサイド。そうやっているうちにインサイドハーフがするする侵入していく、そんなサッカーです。

 

■後半

前半から、両チームとも目指すサッカーの片鱗を見せつける、緊張感溢れる応酬。その中で秋田CFの林容平が股裏にアクシデント発生して退いてしまいます。いつみても線が細いよね〜、林容平。「お前は、ベレーザの清水梨沙か‼」と。対照的にザスパのCF青木は輝きを見せました。もうね、バッジオみたい。ゴールも決めたし、起点にもなるし、スルーパスも出すし。ともあれ試合は疑惑のPKによるゴールで同点になって折り返します。

後半に入るとホームのザスパが押し気味に試合を進める。そして、シュートのこぼれ球に反応して押し込んだのは、再び青木翔太。このままいけばMOM、だったはずなんですけどねぇ。群馬は深いラインでブロックを作って、攻められながらもシュートを打たせない守備で逃げ切りを図るものの、今度は翼の方の青木が中盤で致命的なバックパスミス。そのまま藤沼に決められてしまい、勝ち点がすり落ちてしまいました。ザスパとしては悔しいドローとなってしまったのではないでしょうか。

 

さて、丸1年ぶりに訪れた正田醤油スタジアム。いやぁ、まさかのバックスタンド陥落。要するにバックスタンドはクローズにして観客を入れなくしてしまった。それだけ動員力の低迷が長引いているということで、そこの改善のためにも草津を「クサツ」にして、「群馬」をチーム名にした。アイデンティティと引き換えに広域化を採った、のですけれども、そんなクラブの必死な姿勢に対して空気を読まない草津町長がいましてね。

この日は開幕戦なので群馬県副知事とか前橋市長とかが来ていて、草津町長もいた。で、この町長さん、挨拶で「ザスパ草津で生まれたクラブです!」という、あくまで草津の“オラがクラブ”を主張する。まあ、それはギリ理解できる。でもね、その後、草津町が自然災害を乗り越えてきたってことを述べるにあたって、「このように、草津町は、全員野球で困難を乗り越えました‼」とか言い始める。……いやいや、サッカーの開幕セレモニーだ。なにゆえ、よりによって、「全員“野球”」なんだ、と。頑張れクサツ、未来志向でサポーターを増やしていってくれ。

 

デカモリシ見参!〜藤枝vs福島(3/9)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

今シーズン2試合目はJ3。藤枝です。経済的にも時間的にも、日帰りできるのは、ここくらいまで。というわけで、張り切ってパープルタウン。チームを率いるのは、のぶりん石崎。この人は、ホント、徹底的に現場主義ですね。営業部長とかをするより、工場長をした方が輝く人。教育委員会に入るより、学年主任のままでこそ良さが発揮される。そんな、のぶりんのもとにはデカモリシとかが集ってきております。

対する相手は福島。福島ユナイテッドといえば……、田村翔太! スタメンをチェックする。は? おらへんやん! どうした!どうした⁈と調べてみたら、これはビックリ、現所属チームは熊本! なるほど、移籍していたのか。カテゴリー的には同じですけど、去年までJ2にいたクラブですから、多少なりとも給料は上がったのでしょうか? だとすれば、まあ、栄転と言えば栄転です。となると樋口ですかね。なんだかんだ、高校サッカーのスターをついつい追いかけてしまう。

 

■前半

そういえばMYFC、下部組織の在り方がどーのこーのとJリーグから叱られていましたっけ?そんなこともあって、運営体制がテコ入れされたとかあるんですか? 昔から“蹴球都市”的なことを名乗ってはいたような記憶もありますが(脳内変換されてるかも?)、数年ぶりに藤枝を訪ねたら、すっかり駅前がMYFC感満載になっているじゃないですか‼ 行政との関係性が改善したとか、そういうことがあるんでしょうか?

運営体制が強化されたことの、1つの事例として、シャトルバスが走るようになっていた。以前訪ねたときは、コミュニティバスを1時間近く待ちぼうけしなければならなくて往生したものですが、今回は楽々。敢えて苦言を呈するとすれば、途中、パーク&ライドを拾うため保健センターってところに寄るんですけど、そこでの調整時間が異様に長いことですかね。駅からスタジアムまで30分。そのうち12分は、保健センターでの途中停車時間ですからね。特に急ぐ旅でもなかったので、実際的なデメリットは発生しなかったですけど。

 

そんなこんなでキックオフ。藤枝を眺めていると、中盤逆三角形の352でしたかね。アンカーの位置に松岡が入って、谷澤がインサイドハーフ。松岡は山形などでも活躍した石崎チルドレン枠。谷澤は、あの谷澤です、ヤザー。で、藤枝、特に自陣前でのセットプレーではシジマールが指示を飛ばす。シジマールが指示。“シジ”マールだけに……

アウェイ福島については、中盤逆三角形は同じですけど、最終ラインの枚数が違っていて4枚で、システムは4141。注目の樋口はFWでもウイングでもなくインサイドハーフ。谷澤と同じ左のインサイド。アンカーには橋本が入っていて、この選手が福島の本と心臓。松田監督は意欲的に、いわゆる“パスサッカー”を構築していて、低い位置から大胆なサイドチェンジも織り交ぜながら丁寧にビルドアップしていくスタイル。高い位置でひっかけられれば藤枝の勝ちで、プレスをかいくぐれれば福島が勝つ、そういう構図でございました。

 

■後半

で、前半については一進一退ではありながらも、まあ、全体としては福島のポゼッションを藤枝がどうにかしのぐ、といった展開で進みハーフタイムへ。どちらも決定機がありましたが、守備陣の奮闘でスコアカードは動かせませんでした。

押され気味だった藤枝は後半、システムを3421に微調整。これがはまって形勢逆転。後半は藤枝がペースを握ります。いくつか決定的チャンスもあって、その中でも印象深かったのは、福島ディフェンダーのバックパスがプレゼント状態になって、それをかっさらっての谷澤のオシャレループ。ポスト直撃。さすがはヤザー、ヤザーはヤザー。シュートだけはなにがなんでも絶対に決まらない。それでとスローインから一瞬の隙を突いてデカモリシが決勝ゴールを流し込み、その後ものらりくらりと福島の猛攻を交わし続けた藤枝が開幕戦を飾りました。

 

そんなわけで、殊勲のゴールを決めたデカモリシ。序盤からマークする福島CB阪田とロングボールの競り合いで火花を散らしていました。どちらも元トリニータ。意地と意地のぶつかり合いなのですが、そんなことよりデカモリシ、1つ1つの動きのスローリーさに磨きがかかっちゃいないかい?その分、勝負強くなったのだろうけど。

対照的だってのは福島CFの武。この選手は動きが滑らかというか柔軟というか。とりあえず、後ろ姿、カラダのフォルムのバランスがとても良い。いかにもアスリートです!って感じ。スピード、テクニック、ジャンプ力、強さ、こういう要素が万遍なく備わっているイメージ。特に動き出しやら裏抜けやらが目をひいたので、本当はポゼッションスタイルよりカウンターサッカーの方が良さが発揮されやすいのかもしれませんが、馬渡みたくステップアップしていく可能性を秘めてそうですし、今後のブレイクが期待されます。

 

まずは無難なスタート〜鹿島vsJDT(2019/03/05)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

今シーズン、初観戦っす。というよりも、この年末年始は高校サッカー天皇杯プレーオフも見に行ってないので、丸々4か月ぶりのスタジアム観戦。チョイスしたのは鹿島。やや、スロースタートになりましたかね。もともと、なぜか成績の割にサポーター支持率の低い大岩監督ですけど、植田と昌司が抜けて、三竿と優磨が出遅れた現状を踏まえると、批判されるのは酷ってもの。

対する相手はJDTと略されるチーム。……知らん。知ってるわけがない。タイのチームですよね?そりゃ知らん。せいぜい、BSで放映されたアジアカップの試合を見たくらいのもの。アジアカップではティーラシンとティーラトンが存在感を示した一方で、チャナティップは少しおとなしかったですかね。ともあれ、JDT.知らん。実はタイではなくマレーシアのチームという噂もあるぞ‼ でも、わざわざ平日に鹿島くんだりまで有給使ってやってきたのは、そういう相手と戦うアントラーズが見たかったから。ちなみに、生でのACLは初めてでございました。

 

■前半

数年に一回くらいは鹿島に遠征するんですよね。前回に訪れたときには、ベタベタながら鹿島神宮に参拝したわけですが、さすがに今回はパス。でも、せっかく有給消化してるんだから、観光はしたい。近くに手頃な観光地がないかと地図とにらめっこした結果、佐原に赴くことにした。20年くらい前に訪問した記憶がうっすらありますねぇ。それぶりです。20年前に来たときは、友人の車に乗っけてもらって、潮来とか香取神宮とかに足を延ばしたような。佐原市街地は、中心部をサクッとだけ。

ここのポイントは明確で、なんといっても伊能忠敬タウン。小江戸なのか、小京都なのか。川沿いに風情があって、時節柄、街中至る所におひな様。伊能忠敬の立派な記念館もあって、半日楽しむにはちょうど良いサイズ感なのですが、なんせ、花粉ですよ、花粉。同じ症状をお持ちの方なら分かると思いますが、ひどい日になると、ありとあらゆる思考力と五感が停止してしまう。ワタクシの場合、1シーズン2〜3日、そういう日があるのですけど、まさにそれにぶち当たってしまったよ。

 

そんな、ある種の涙目で臨んだ4か月ぶりのキックオフ。の、前に選手入場を眺めていると、JDTは赤のベンチコートで入場してくる。鹿島は黒のベンチコートだったんで、なんでホームの鹿島が赤を譲ってんだ?状態だったのですが、ベンチコートを脱ぐとJDTのユニフォームはビビッドな紫。もうね、サンガやん!ってな話なわけですよ。ちなみにサポーターは別に紫一色になっておらず、肌色。だって、JDTサポの皆さん、裸族なんだもん。

ホームで迎え撃つ鹿島はターンオーバーということか、若手を積極的に起用。まず目についたのはボランチに入っていた名古。なんだか、後ろ姿が一列前でキャプテンマークを巻いていた遠藤康に似ているような気がするのはワタクシだけでしょうか?もう一人抜擢されたのは平戸。町田でJ2アシスト王に輝いたテクニシャンが、まさかのSB起用。それでも相手ゴール前では当たり前ながら、アタッカーの動きができる。誰かに似ていると思ったら、ジェフ時代、SBにコンバートされたばかりの米倉を見ているようだ。

 

■後半

試合は拮抗しつつも前半から動く。まず山口のシュートをJDTのキーパーがファンブルして、そのキーパーが押し込みに突進してきたセルジーニョを思いっきり掴んでこかす。完膚なきまでのPKを献上しつつも、そのPKをセーブしてしまう。相当、精度の高い、遠大な計画性に基づく自作自演ですな。で、ジャッジが倒れた者勝ちっぽいところもあって、「JDT、やるやん‼」って感じで試合は進んだのですが、前半終了間際、平戸が相手が最も嫌がる「触れば即アシスト、触らなければそのままゴールイン」なキックを蹴り込み、触らなければそのままゴールインとなり、鹿島が先制して折り返します。

後半に入っても、構図はさほど変わらず。鹿島が何度かチャンスを作りながらも、そこまでリスクをかけないのでスコアが動かないなか、シュートを外し続けていたセルジーニョが、やっと仕留めて2点差に。その後は本家の“カシマる”を発動。不安定(というより雑な)ジャッジ絡みで1点は失いましたが、大勢に大きな影響はなし。キッチリとホームで勝ち点3を獲得しました。

 

ところで、この試合は両チームの左SBが互いに22番という対決でもありました。鹿島の22番は西が移籍して今年から安西。Wアンザイとしてイケイケだった頃は安在が左、安西が右に固定されていたので右専従かと思っていたのですが、ロティーナの魔改造によって左もこなせるようになっていました。

JDTの22番については、彼にはボランチであって欲しかった。だって四捨五入すれば190センチになろうかという長身にアフロヘア。もはやそれはフェライニ。それが、なんで左SBなんだと。そういう意味では釈然としない部分も否めない22番対決でもありました。

 

パイセンの沽券〜東京武蔵野シティFCvsヴィアティン三重(11月18日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

今シーズン最初で最後のJFL観戦。というか、ブリオベッカが降格して、そもそもJ3が出来てしまっていて、都内からゆっくり日帰りできるクラブが東京武蔵野シティFCだけにななっちゃったのです。ゆえに、なかなか不如意。それにしても東京武蔵野シティFC、結局、マジにJリーグを目指すのか? うかうかしていると渋谷を拠点にするクラブが誕生して、“ シティ”を剥奪されてしまうぞ。

対するアウェイチームはヴィアティン三重。東京で“三重”って単語を見かけると、なんだか感動する。「松阪(牛)」とか「伊勢志摩」とかって響きを耳にすることは稀にあれど、「三重」はそうそう見ない。あえてお見かけするとすれば、野球でトリプルプレーが発生したときのスポーツ新聞紙面くらいのような気もする。空港も新幹線の駅もない県(けれども平均所得は非常に高い)には、当然のようにJリーグクラブもないわけですが、アンリミテッドとともに頑張っておくれ。

 

■前半

この試合は武蔵野のホームゲームなんですが、たぶん諸般の事情ってヤツなのでしょう、三鷹ではなく西が丘です。ワタクシにとっては僥倖。行くぜ、赤羽!今年最後になるかもしれないし。ということでランチも赤羽。いくつか候補を決めて順繰りに訪問したところ、どうやら廃業したらしかったり(数年前、赤羽に住んでた頃には繁盛してたのになぁ…)、「本日貸切!」だったりして、なんだかんだで辿り着いたのがパーワルチー。

駅前すぐの、飲み屋に行く際には通りがちで目立つっちゃ目立つところにあるインドカレー屋さん。ずっと気になっていたのだけれど、少し怪しげというか、一見さんが入るには勇気の要る外見だったので、なかなか行けなかった店。ずっとある店だけあって、美味しかったですよ。ナンを食べ終えてもそれなりにカレー汁が残っていたのでライスを追加。ダイエット不可避。

ゲップが出そうになるコンディションのなか、試合は始まる。どちらもオーソドックスな442というクラシカルなマッチアップ。東京武蔵野シティFCの2トップの一角には本田圭佑が君臨してました。「どの本田圭佑だ?」とか問われそうですけど、ですよ、そうですよ、あの本田圭佑ですよ。ワタクシにとっての“あの本田圭佑”と、皆様にとっての“あの本田圭佑”、もっといえば世間一般における“あの本田圭佑”が一致する保障はないですけど、とにかく、あの本田圭佑です。

対するヴィアティン三重の最終ラインには、例によって、加藤秀典和波智広が顔を揃える。大ベテランどころか、大々ベテランですけど、ふるさと納税みたいなもの。何らかの形で自分を育ててくれたコミュニティには恩返ししなければならないのです。そして、ボランチにはさらに野垣内俊が構えている。岐阜時代からの背番号17を背負っているのですが、四日市とかの北勢のサッカーチームで17番を背負うということは、そこに象徴的な意味合いを込めるオーディエンスもいるわけで、とにもかくにも頑張っとくれ。

 

■後半

お互いが442ということもあって、特に前半は、さほど極端な構図があったわけではないのですが、比較的ポゼッション気味の三重に対して武蔵野は比較的カウンター気味。その武蔵野がコーナーキックからのゴールとミドルシュートで2点をリードして折り返します。カウンター重視で、セットプレーや相手のルーズさを突くプレーで点を取るというのは強いチームの証。順位通りと言えます。

で、公判になると、追いかける三重がより支配率を高め、それを武蔵野が受けて跳ね返すという構図がより明確化します。ただ、ドン引きからの縦ポンではなく、ちゃんとカウンターの刃をチラつかせるところが武蔵野の良さ。カウンターに移行した際のアタッカー陣が速いのなんのってな話。追いつきたい三重は後半頭に2枚替え、3枚目のカードも早めに切る。そして、基本的に采配は的中していて、ボール回しは潤滑化したのですが、ポゼッションを高めれば高めるほど武蔵野の思う壺にハマるという皮肉もあって、スコアを動かせないままタイムアップとなりました。

 

ところで、この試合では6番のFWを10番のCBが対応するという、ヘンテコなマッチアップがありました。で、ホイッスル直後のファーストコンタクトで10番CBが6番FWに思いっきりショルダーチャージをぶっかますということがありました。10番のCBは武蔵野の金守で、6番のFWはヴィアティンの坂井将吾。武蔵野の一筋10数年の金守と、山形でデビューして将来を嘱望された時期もある坂井。二人とも四中工なんですよね。で、それぞれの生まれ年をウィキペディア先生に尋ねてみた。そうしたところ金守が高3のときの高1が坂井。ああ、なるほど、そういうことか。3年の先輩から1年坊主への、挨拶代わりというか、“かまし”ってヤツですね。「おい、1年、あんま舐めた態度取んじゃねーぞ」的な。そんな青春時代の一コマを三十路になって、あえて再現する。現役スポーツ選手だからこそのコミュニケーション。シビれます。

 

凄いぞ片野坂!〜ジェフ千葉vs大分トリニータ(10/21)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

昨シーズン、キャリアというか出身地というか、そういう背景をもとに大歓迎されて始まったエスナイデル革命。主な革命内容は、「日本人の基層文化なんて知ったこっちゃない、カロリー高いから米を食うな!」ってものなのですが(ハイラインやハイプレスは、量はともかく質的には真新しいものではない)、案の定、成果は低空飛行。

まあ、例えば、日本人栄養士がヨーロッパのクラブに雇われて、「余計な脂分を抑制するため、刺身以外による動物性タンパク質の摂取は禁止!牛を食うな‼肉を焼くな‼」ってやっても、多分、それで白人さんたちのパフォーマンスが上がるとは思えないですよね。そういう、文化的な背景とか、モンゴロイドとか○○ロイドとかのレベルでの相違を全く無視して、日本とは異文化で育った自らの常識を絶対視して押しつけるという意味では、エスナイデルとハリルホジッチって、なんだか似ている。片野坂監督率いる大分には無縁な現象です、はい。

 

■前半

この日は15時キックオフということで、少し暇がある。ということで、ワールドカップのときだけブルーのユニフォームを着て自撮りしつつ「ニッポン頑張れ!」ってやるインスタ女子みたいなノリで、エセ文化人ぶろうとトーハクなんぞに行ってみた。「トーハク」ってわかりますかね⁇ 東京国立博物館、通称「東博(とうはく)」のことを最近はカタカナで「トーハク」と呼ぶらしい。少なくとも自称はそういう感じらしい。

ついでに上野でランチを食べていく。雑誌などを調べた結果、「TOWA」というお店をチョイス。クラフトビール樽生のタップが15個くらいある一方で、蕎麦を前面に押し出すようなスタイル。ときどきありますよね、「蕎麦と酒菜」な飲食屋さん。そこで鍋焼きうどんを食べたのですが、当然、ビールも飲む。宮崎のひでじビールが丹精込めた「九州ラガー」、美味しゅうございました。

 

それにしても、エスナイデル監督はアンカーを置くシステムが好き。確かに熊谷アンドリューのアンカー適性はJ1含めても屈指なのかもしれませんが、ジェフの場合、全体の機能性はダブルボランチの方が潤滑なことが多い。でも、あくまでアンカーを置いた4123にこだわる。もはやアンカーと心中しようとしているとしか思えない。・・・、この夏の台風で関空大橋にぶつかった船を見てもわかるように、そもそも碇は心中されるものなんで、間違ってないっちゃ間違ってないのかも。ってことはエスナイデル監督、リアル船乗り?ならば世界各地の港ごとに女がいたりするのかしら?

対する大分は中盤を3枚並べる噂の532。最近は浦和もこれに近いシステムですし、横浜FCもこのイメージ。特徴的なのは2トップの一角に入った三平が守備のときには中盤のラインに下がって541になること。大分のセカンドトップにはけっこうな運動量とインテリジェンスが求められる模様。基本、選手交代では、そこをテコ入れしてましたし。

 

■後半

試合は落ち着かない立ち上がりとなりました。なんと言いますか、「両GKよ、頑張れ〜‼」って声がけしたくなるようなゴールで1点ずつを分け合う。その後は、ポゼッションでは圧倒的に千葉がイニシアチブを握りながらも、お手本のようなカウンター2連発で大分が前半のうちに3ー1と突き放しました。2点目は藤本の個が光ったゴールで、3点目は相手が前掛かりになったところで、オートマチックかつ縦に速い展開から、最後はゴール目の前でドフリーとなったストライカーに優しい折り返しを入れるという見事なコンビネーションによるゴール。片野サッカーの片鱗を突きつけられてゲップが出そうでした。

後半に入っても基本的な構図は変わりません。千葉が攻めます。それを大分が受け止めます。カウンターの餌食になろうとしてなっているとしか思えない千葉に、容赦なく大分が襲いかかる。特に後半になって目を見張ったのが、岩田の脚力。ダメ押しの4点目となったシーンを含めて、複数回、「(ヘロヘロとなった)松本でなく、岩田が追い越していくのね⁈」ってシーンが繰り返されるなど、終始、大分がゲームをコントロール。終了間際の失点はご愛嬌として、しっかり大分が勝ち点3を積み重ねました。

 

それにしても、大分、良いチームです。象徴的なのは藤本の大活躍。マーカーの近藤を押さえきって、GK大野をあざ笑うドリブルから決めたゴールとか、変態レベル。J3の英雄がJ2に引き上げられるも、混乱したクラブ・能力に疑問符がつく監督に“わや”にされてしまう辻正男パターンも危惧された中、そこは名将片野坂、無用の心配でした。

早くからレギュラー(序列)を固定した広島が急失速したように、シーズン中盤から終盤になっても、さらにそこから序列をひっくり返す選手が出てこないとリーグ戦は厳しい。いや、ワールドカップくらいの期間の戦いでも厳しい。そういう中で、大分は良い意味でレギュラーがときどき変化する。上述の藤本が典型ですけど、前田や国分など、去年までなら、ややもすれば「誰やねん?」と言われかねなかった選手がシーズン途中で先発のチャンスを勝ち取る。先発する選手のネームヴァリューと成績が良い意味で反比例するというのは、健全なポジション争いが繰り広げられている証拠。片野坂さんのマネジメント、侮れないですな。

 

 

奮闘する者同士〜YS横浜vs藤枝(10/20)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

今シーズンは2試合目とかですかね、YS横浜。現在の自宅から比較的アクセスが良いですし、専スタですので、本当は相模原とかに行くよりは、三ツ沢で済ませたいのですが、なかなかそうもいかない。そうやってワタクシの悩みが深まる一方で、YS横浜の苦悩、少なくとも、成績面での苦悩は薄まりつつあります。樋口さんが指揮を執るようになって以降、安定の大健闘。J2でいうところの金沢のポジションです。

他方、苦悩が募りつつあるのが、対戦相手の藤枝。成績面でも今シーズンは大苦戦していますし、薄〜い記憶を辿ると、確か運営体制もバタついているんですよね?育成組織のあり方がJリーグの求めているものと齟齬があるとか、そういう話だったような。。。いずれにせよ、「急ぎ過ぎたクラブ」にありがちな、「少し地域密着の部分に脇の甘さがありますよ!」状態にあるってことなのでしょう。Jリーグという機関が「行政と仲良くせよ!」ってことを発足以来30年近く一貫して大号令しているのだから、そこは丁寧に押さえておかないとしんどい。

 

■前半

さて、この日は、13時のキックオフから逆算して10時頃に自宅を出発。横浜と言えば伊勢佐木町ブルースなので、関内駅から伊勢佐木町へ。勿論、現役で聞いてた世代ではございません。青江三奈という固有名詞は伝承上の存在として認知しております。明け方の街、伊勢佐木町なんかにいるはずもないのです。それは別の歌です。あーん、あーん♪

そして、横浜と言えば崎陽軒でもあります。駅弁など、レンチンしないこと前提の弁当を追求すると、結局、最後はシウマイ弁当。焼酎界における「いいちこ」の立ち位置。アンズが要る要らない論争はさておいておきましょう。そんな横浜2大巨塔の伊勢佐木町崎陽軒フュージョンするとどうなるか? なんと!温かいバージョンのチャーハン弁当が提供されるのです(580円)。伊勢佐木モール入口の崎陽軒でホットスナック系チャーハン弁当を買い、関内駅起点にダラダラ伸びる公園でご馳走様してから地下鉄で三ツ沢へと到着いたしました。

 

席について暫くしてキックオフ。まずYS横浜をチェックすると、右SHに北脇が入っている。本職はFW、しかもCF系のFWだったと認識していたので、興味深く観察していると、攻撃の時の動きはCFでしたね。真ん中で足下にもらって捌いたり、裏抜けのスプリントを繰り返したり。ゆえに、その裏返しとしての影響もあって、ボールを奪われてからの切り替えが遅いというか、そもそも右サイドにいないことが多いので、物理的に戻ろうにも間に合わないというか。

対面する藤枝ですが、ノブりん、おるやん‼ そういうや、そうだっけか。舌を噛みそうな名前の宮崎のクラブを退任して、それでもすぐにノブりん必殺の再就職を果たしたということくらいまでは『エルゴラッソ』か何かで見た覚えもあるのですが、そうか、藤枝だったか。そんなノブりん、4231のハイプレスサッカーではなく、352、しかも風間さんみたいな「まずは、しっかりトラップ!」ってサッカーでしたよ。そういうところはミーハーというか、若々しいというか、柔軟。

 

■後半

試合は樋口さんとノブりんというベテラン監督が率いるチーム同士の対決ですから、そんなグダグダなことにはならない。互いにキーパーと1対1の場面を迎えては決めきれなかったり、藤枝はその直後にコーナーキックから阿渡が本職ストライカー顔負けのヘディングシュートを決めたり、ゴール前の決定機で両GKを中心に気合の入ったナイスセーブ合戦を繰り広げたり、締まった攻防を繰り広げてハーフタイムへ。

後半に入ると、めぐりめぐってYS横浜に帰ってきた辻正男が完全に藤枝最終ラインを攻略して同点弾。これで藤枝が気落ちするかと思いきや、怯むことなく応戦。スルスルと抜け出した遠藤純輝が決め返して、再び藤枝が突き放すと、圧巻は藤枝のダメ押しゴール。鮮やかなワンツー(だったかな?)からフリーでGKと1対1となった遠藤が、さらにフリーでかつ状況の良い谷口に悠々と折り返して、谷口は楽々と決める。YS守備陣はチンチン。美しすぎるゴールで藤枝が勝利を決定づけました。

 

さて、この試合は“第三勢力ダービー”ともいえるマッチアップでした。横浜第3勢力のYS横浜と、(元?)静岡第3勢力の藤枝MYFC。YS横浜については、横浜第3勢力というか、相模原と神奈川第5・6勢力を争う印象が強いかも。一説には町田も表面上こそ東京都町田市の仮面をかぶりながら、裏では神奈川県と誼を通じているという都市伝説もあるので(あるのか?)、その怪情報を信用するならば、YS横浜は神奈川第7勢力ということになるのかな?

藤枝MYFCに関しては、あっという間に第3勢力の座を沼津に出し抜かれてしまった感もなくはない。少なくともスタジアム直通のシャトルバスを走らせるようになったのは、沼津が先。それにしても、静岡のサッカークラブは、何故、大都市の隣をホームタウンにしたがるんですかね?静岡エスパルスではなく清水だし、浜松ではなくジュビロ磐田アスルクラロだって三島ではなく沼津。MYFCも藤枝であって掛川ではない。そんなに新幹線停車駅が嫌いなのだろうか⁇

 

一貫性。〜京都サンガvs徳島ヴォルティス(10/13)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

西京極まで来てしまったよ。今シーズンの京都は、今シーズンとて、最終的には必殺の“戦術闘莉王”で、そこのけそこのけ田中が通る。それにしてもマルクス君本人は、どう思ってるんですかね、自らのFW起用に対して。放課後の体育館で「先生バックスがしたいです!」つって、泣き崩れていたりしないでしょうか。まあ、いろんな指揮官が悉く前線で使っているので、そういう特性ということなのでしょう。

対戦相手は徳島。よく千葉と京都が“ずっ友”なんて評されますが、案外、徳島と京都の方が立ち位置的には似ているような。メインスポンサーの規模とか、スポンサードの量とか、経営への関与の在り方とか。安定企業が付いてくれているけど、彼らに“リアルサカつく”をするつもりはない、みたいな。ちなみにワタクシが前回に見たヴォルティス戦は去年のフクアリ。そう、馬渡が“馬渡事件”を起こした、あの試合ですね。ボールボーイも大切なファミリーなんでリスペクトしましょう。

 

■前半

朝イチで最寄り駅を出発し、飛行機で伊丹へ。伊丹空港からはモノレール代を節約して蛍池まで歩き、阪急で京都へ。まだ10時とか。あらかじめ調べてあった阪急大宮駅近くの“ヤオイソ)でフルーツサンドの朝食。ハイカロリーブレックファーストですけど、朝からビール飲んじゃうよりはマシであろうと自分を正当化してみる。缶の京都麦酒は市内あちこちのコンビニでも売ってたりしますからね、何度誘惑に負けそうになったことか。危ない、危ない。

朝食のあとは、四条通りからあまり離れない範囲でそれなりに観光して、で、お昼。とりあえずガイドブックに載ってそうな店に行こうと思い、“京極スタンド”へ。新京極にある昭和は酒場なのですが、どこか既視感を禁じえなかったりして、その既視感の正体を考えてみるに、わかりましたよ、赤羽によくあるタイプの酒場なのですよ。大衆的ではあるが、決して安いわけではない。かといって味が上等なこともなく、それでも少なくとも大学生のサークルが騒いでいるようなことは絶対にないので好きな人は好きで通っちゃう的な。

 

試合で注目していたのは、町田時代から贔屓目にしていた庄司。庄司が仙台から加入したのと歩調を合わせて京都も復調してきたので、さぞかし利いているのであろうと思いきや、中盤の底にプレーメーカーがいてもしかたないような京都のサッカー。庄司の加入と京都の復調の因果関係がさっぱりわからんぞ。

徳島で注目した選手は岩尾。これまた水戸時代から贔屓がちにしていた選手なのですが、アンカーかと思いきや、シシーニョが逆三角形の底で岩尾はインサイド左だったですかね。途中からシシーニョと入れ替わったりしつつ。入れ替わったといえばウイングバックも。杉本が左だと、ただでさえこねくりまわしがちなところ、さらに右足に持ちかえるので、かなりモタモタしてしまう。左右入れ替えて正解だったのではないでしょうか。

 

■後半

試合はキックオフ早々、動きます。まだ始まって数分だってのに、かなり深い位置からのフリーキックでCBを上がらせて、ロングボールをポヨンと蹴って、闘莉王がヘディングシュートを放り込む。まあ、そういうスタイルのサッカー。追いかける徳島は、後半の途中からシシーニョを右ワイドに配置。シシーニョ、そういう働きもできるのか。

そういう調整も含めて後半の10分〜30分くらいの時間帯は、一方的な徳島ペース。それはそれは爽快感と疾走感に溢れていましたよ。岩尾がバラルに入れて、落としたボールを拾ったウタカが突進、コースを切られると右に大きく展開してから、シシーニョがせいかくなクロスを折り返す、みたいなのが、次から次へと生み出される。とはいえ、ボスコさんも、守らせることは上手い。仙頭をインサイドハーフに投入したり、闘莉王大先生を最終ラインに落としたりして532のミラー状態に持ち込むと、そこからは徳島も勢いが削がれ、京都が逃げ切りに成功しました。

 

しっかし、京都、監督は変われど、去年からずっと清々しいまでのポンポンサッカーですね。ボールを奪ったらルックアップなどすることなくロングボール。ハーフラインを越えたフリーキックは全てゴール前に放り込む。スローインも石櫃のロングスローが届く限りゴール前に投げ込む。ハリルホジッチが日本のサッカー界に「縦に速い攻撃」を伝道してからは、わりと「奪ったら速く攻める」ってのも市民権を得つつあるのですが、「縦に速い」と「縦ポン」は似て非なるものなんだなと、改めて認識させてもらいましたよ。

尤も、確か今の京都の強化スタッフは名古屋を追い出された面々ですよね。現在の京都に名古屋から移籍してきた選手を見ればわかるように、彼らはグランパス時代から強化方針に一貫性がある。そう、「身長の大きなCFと、身長の大きなCBを大量に揃えることこそ正義!」という一貫性。そういうスタイルを好む好まないはともあれ、哲学を持ってそういう強化をしているのであれば、一定のリスペクトを持たないといけないですね。ですかね?

 

セクシーの現在地〜町田ゼルビアvsモンテディオ山形(10/7)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

この数週間で、激動に晒されているゼルビアサポーター。なんとサイバーエージェントが事実上の買収をすることに。記者会見の内容を信用するならば、敵対的買収というよりホワイトナイトっぽいですが、果たして、数年後に「東京ゼルビア」とか「町田渋谷ゼルビア」とかにチーム名が変わっていたりはしないだろうか。ちなみに、一連の報道によって、初めて「サイゲームス」の“サイ”が「サイバーエージェント」の“サイ”であることを知ったよ。

乗り込んで来たのは山形。チームカラーとしても、監督さんのキャラクターにしても、失礼ながら“地味の極地”といった印象。今シーズンら、着実にプレーオフを狙える位置に付けていますが、そのポジションも、また、モンテディオっぽい。注目すべきは、町田にも所属していたことのある南でしょうか。ピッチ外の部分さえ安定すれば、J1でも十分にやっていける、ヨミウリ印のタレント。覚醒まで、あと、もう一歩!

 

■前半

この日は午前中、四谷あたりをフラフラしてから新宿へ。「ステーキしゃぶしゃぶパンドラ」でランチを食べたのですが、美味しかった!どこぞの、いきなり感溢れるお店も悪くないですけど、普通に席に案内されて、普通にメニューを渡される店の方が落ち着きます。四十路オヤジとしては。この店、ディナータイムは「5000円で、ちゃんとした牛肉を食べましょう!」みたいな雰囲気なのですが、ランチのコスパは抜群。日本の「ランチは宣伝なので利益率度外視!」文化に乾杯でございます。

で、新宿からは、小田急ではなく京王線に乗って、敢えて京王永山を目指す。20代を多摩地域で過ごしたワタクシとしては懐かしのグリナード永山なわけです。ボウリング場はまだあるのか。TSUTAYAはなくなったんだなぁ。みたいな感慨に浸りながら鶴川行きの神奈中バスに乗る。日曜日の昼下がり、高齢化久しい多摩ニュータウンということで、団地にお帰りになるシルバーの方々も多く、かなり混雑していたぞ。というか、永山駅始発でなく、聖蹟から来ているのだから、一つ手前のバス停から乗れば良かったのか。

 

ともあれ湯船バス停で下車して野津田へ。ホイッスルが鳴ってピッチを眺めると、町田にはいつもは違う光景が。それまではゼルビアにおいて「ファンタジスタ枠」を担当していた平戸がボランチの位置に入ってましたね。その相方は土岐田。直近のシーズンでは随分と序列を下げている印象もあったのですが、コンディションが整ったということか、復活してきました。シーズン終盤にベテランの状態が上がるというのは頼もしいものです。

対する山形は、全体としては押し込んでいたのですが、町田のカウンターの際には、いろいろ危なっかしかった。まず、右CBの西村が危なっかしかった。フォルム遠目からは日本人離れしていて、大坂なおみパターンの人かと思われましたが、トータルテンボス藤田やスキマスイッチ鍵盤さんのパターンらしい。それから、もう一人、GK櫛引も危なっかしかった。飛び出してハイボールにかぶったり、パンチング空振りってのは、素人目にはドキドキしてしまうぞ。

 

■後半

前半から、どちらかと言えば山形のが、相手ゴール前に迫る回数は多かったんですよね。ただ、なんせ、相手は相馬ゼルビア。鹿島流ブラジルイズムですから、敢えて山形を誘い込んでいる可能性もなくはない。なんてことを考えてはいたのですが、後半になっても大勢は変わらなかったので、そういう噛み合わせのゲームだったようです。

早めにスタジアムに到着して、少しスタンドでウトウトしていたからかもしれませんが、それなりに両ゴール前でクロスが飛び交っていたものの、どうにも気持ちが高ぶらない。悪く言えば“塩試合”あるいは“塩分高め”ってな様相。とはいえ、これはクオリティが低かったってな話ではなく、むしろ両チームのカラーがクッキリ出た試合と評価すべきかもしれませんね。スコアレスドローで勝ち点を分け合う結果となりました。

話は突然変わります。『スーパーサッカー』限定かもしれませんが、ワールドカップで45度から2ゴールを決めたからって、乾貴士にとってのあのゾーンのことを“セクシーゾーン”って言うんですか? 野洲高校時代の『セクシーフットボール』にひっかけて。そういう話を耳にするたび、乾貴士楠神順平の格差が広がったなあと複雑な気持ちにもなる。352の左WBが乾で、右WBが楠神だったんですよ(左右が逆だったけな?)。

ってことを踏まえて、この試合を振り返ると、複雑な気持ちはさらに深まる。前半からシステムの噛み合わせからでしょうか、サイドの大外は山形にイニシアティブがあった。なので、そこの優位をさらに高めようと木山監督も手を打ちます。後半途中か、左WBとして起用されたのが、まさかのプリンス汰木ときたもんだ。プレースタイル的には鎌田大地みたいな選手。それがWBか。それはそれで結構なのですが、・・・だったら、楠神で良いじゃん。高校時代のポジションなんだから。。。

 

独特システム対決!〜横浜F・マリノスvsコンサドーレ札幌(10/5)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

今年は本当にマリノスと縁がある。この試合で何回目の生観戦となるのだろうか。4〜5回にはなると思うのですが、ワタクシ基準では、1シーズンでこの数字は、そうとう多いです。ただ、さすがに今シーズンはこれでお終いになる可能性が高いのですが、果たしてポステコさんと再会できる日は来ますかね? 来シーズンも日産スタジアムに彼はいるのだろうか⁇ 現状の成績では、まあまあ微妙。

対するコンサドーレは快進撃ですね。とにもかくにも安定のミシャさんです。浦和時代は、それなりにリクエストに応じた選手を補強してもらえていた分、勝負弱さの部分をフォーカスされがちでしたが、札幌では、着実にチームを作れる良さが正当に評価されています。そんなミシャ札幌が、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみでしたが、絶対的なキーマンたる宮澤がメンバー外? 理由は予習してませんでしたが、宮澤のいない札幌なんて、梶山のいないFC東京と一緒じゃないか‼

 

■前半

神奈川って、昭和初期までは郊外奥座敷的なポジションだった、地味な温泉地がチラホラありますよね。代表的なのは、駅名にまでなっていて、かつ最近大復活している老舗旅館で有名な鶴巻温泉ですが、東横線沿いの綱島も、そういう奥座敷の一つ。ただ、今回、降り立って目を見張ったのは、かつての温泉街の名残であったり、名残が全くないことへの感嘆ではなく、バスロータリー。ミサイルを発射するような縦型配置で次から次へと飛び出していく。アムロ、行きま〜す! オヤジにもぶたれたことないのに‼

なにゆえ乗換駅の菊名ではなく綱島で途中下車したかというと、まあ、ご飯ですよね。雑誌か何かで調べたところ、綱島に雰囲気が仄かに怪しげなタイ料理屋さんがあるというので、食べてきましたよ、ガパオライス。「タイタニ」という店。別に怪しげではなく、地方の定食屋さんとかにありがちな、飾り物とかが年月を重ねるうちに乱雑に散らかってしまっている状態ですね。タイ料理さんでその状況が発生すると、怪しげというか、オリエンタルミステリーになるのですよ。

 

オリエンタルではないですが、ミステリーといえば、この試合での札幌。ミシャといえば3421の伝道師だったわけですが、たぶん、ワタクシの視認の限り、442だったですよね? 菅が最終まで落ちる一方で、駒井は中盤に残る感じ。早坂が右SBに広がるというか、ともあれ、「守備では3バック、攻撃では415」という、例のアレではなく、守備時は442、攻撃時はむしろ3バックっぽい感じ。

ホームのマリノスのミステリーシステムは後述するとして、前半から目立っていたのは、遠藤・仲川・扇原。遠藤と仲川の両WGはすっかり攻撃のストロングですよね。成績はともかく、この2人を覚醒させたのはポステコさんの功績でしょう。個人的には扇原のアンカー職人っぷりを全開にさせてくれていることもポステコさんの評価ポイント。

 

■後半

試合は前半から動きまくり。もうね、マリノス守備陣、完全に崩されるのですよ。そしてオフサイド判定2連発で揺らされたゴールを取り消してもらったりしたのですよ。そりゃ、ジェイの先制点も、もはや必然。でも、完全に崩されたのはマリノスだけでなく、コンサドーレ守備陣も同じ。ノーガードの打ち合い上等よろしく仲川が同点ゴールを決めると、最終ラインすり抜け放題天国を謳歌した山中がものの見事に突破すると、最後はウーゴが押し込み、マリノスリードでハーフタイム。

後半もオープンな展開は続き、互いに相手ゴール前に幾度となく押しかけますが、両チームとも、まるでラストプレーの精度不足を競い合うかのような応酬にもなります。そうやっているうちに、徐々にマリノスは時計の針を進めようとするモードに突入。なのですが、こういのは危険。日本人のメンタリティとして、時間を稼いで逃げ切りを図るというのは、残り5分まで我慢したほうが無難だと思うんですよね。最後20分はコンサドーレが押せ押せに。どうにかリードを守り切りましたが、マリノス的には、あまり心臓に良い試合とは言えなかったでしょう。

さて、最後にマリノス独特のシステムについても触れておきます。マリノス、最近は山中だけでなく、松原もニセボランチになる。なので、攻撃のときは、2323(2CBー松原・扇原・山中ー天野・大津ー3トップ)みたいなかたちとなる。そのときインサイドハーフの天野と大津はセントラルミッドフィルダーというよりもサイドハーフとしての動きをすることになっているっぽい。3ボランチの左右と左右SHの関係だから、臨機応変に大津と松原、あるいは天野と山中はポジションチェンジを繰り返す。なるほど、と。だから喜田や中町ではなく大津が使われているのかと。喜田はサイドハーフというよりセントラルミッドフィルダー。このシステムのインサイドハーフとしては、ややスタイルが違う。出番も減るってもんだ。・・・まあ、腐らずに頑張っとくれ。