ファビアンのパンチ力についてアレやコレやシミュレーションしてみる【クリスアスルvsウエスタンシドニー】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■クルスアスル 3 vs 1 ウエスタンシドニー[CWC準々決勝 12月14日]

豪雨が降り注ぐお天気模様。そりゃピッチコンディションは劣悪になるというものです。ただでさえ、これまでの2戦を見る限り、ラバトのスタジアムのピッチは砂煙が巻き上がるような仕上がりだったので、なんとも残念。もっとも、世界一を目指すならば、そんなことで泣き言をこぼしている暇はありません。仮にクルスアスルの左SBフローレスがスローインしようとして思いっきり手を滑らしたとしても、それを受け入れながらやっていかないことには仕方ない。

 

 

まぁ、条件としては両チームともに同じなんで、徐々に力関係は明確になっていくんですけど。前評判どおり、クルスアスルの方が地力的には上っぽい。ただし、繰り返しながら雨ですからね、高さのあるウエスタンシドニーの攻撃にも迫力が出ます。もちろん、クルスアスルはクルスアスルで、後半になる頃には、ぐっちょぐちょなピッチにおける傾向と対策が把握できるようになっていたので、まぁ、五分と五分のまま後半も試合は進みました。

 

 

そんな均衡を破ったのはウエスタンシドニーCHのラロッカ。相手DFがクリアしたボールを回収すると、そのまま地を這うようなイーグルショット。松山君もびっくりなロングシュートがクルスアスルのゴールに突き刺さりました。均衡が破れると、試合が動き、両指揮官も動きます。ウエスタンシドニーがオーストラリア代表のユーリッジを投入すると、クルスアスルはコロンビア代表のロハスを投入。それを受けて、ポポビッチ監督は左SBにボレッチを送り込み、守備を固める。

 

 

そんなウエスタンシドニーの逃げ切り策も、後半30分、スピラノビッチがこの日2枚目のイエローカードによって退場したことで画餅に帰します。ここまで五分に進めていたとはいえ、さすがに1人少なくなると厳しい。その後も15分近く堪え忍びましたが、後半の44分に、ついに決壊しました。途中出場のコールがエリア内で反則を犯してしまいPK献上。それをトラードが豪快に蹴り込み、土壇場で11の同点に追いついて、延長戦に突入します。

 

 

絶体絶命の状況で延長戦に突入しても、ウエスタンシドニーは気合いと根性とサッカー脳によって、相手にリードを許さず耐えます。しかしそれも延長前半13分にもう1人のCBであるスタンリーまで退場してしまうと万事休す。延長後半の2分にパボーネの勝ち越しゴールを許します。GKコビッチも一度はバラデスのシュートを弾き返したのですが、数的不利のなか、素早く詰めたパボーネの進撃を妨げることが出来る選手はいませんでした。

 

 

それでもウエスタンシドニーはGKコビッチを中心に悲壮なファイティングポーズを崩しませんでしたが、延長後半の12分にもPKを与えてしまい、13、勝負の行方は完全に決してしまいました。ただ、キックオフから五分の状態、リードした状態、1人少なくなった状態、2人少なくなった状態と状況が変わり続けるなか、ファインセーブを連発していたコビッチの奮闘は、最後に特筆しておかなければならないでしょう。アジア代表として誇らしかったです。

 

 

 

というわけで、最終的にはクルスアスルが2点差の勝利を収めた試合でしたが、さすがにこのクラスになると見ていて面白いですよね。それぞれのクラブに明確なスタイルがあるというか。ちなみにこの対決においては、両チームとも手数をかけず、縦に速いという括りでは似ていました。尤も、ウエスタンシドニーが高さを生かしたキック&ラッシュだったのに対し、クルスアスルはブラジルWCでも席巻した中南米流のスペースを上手く使うってスタイルの縦に速いでしたけど。

 

 

戦術眼サッカーともいうべき相手の急所を素早く突いていくクルスアスルの屋台骨を支えていたのは、左ウイングのファビアン。技術力が顕著に反映される状況下、正確な足技を見せてくれました。ミドルシュートなロングキックなどで丁寧にミートさせるんですよね。そして、ジャストミートした右足から繰り出される放物線は、なかなか強烈なパンチ力。見た目がヒクソングレイシーに似ているのですが、あのキック力にはグレイシー柔術も苦労するに違いない。