歯がゆいヴォルティス、粛々としたVファーレン〜徳島vs長崎(9月13日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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ワタクシ的夏休みの最終戦は、ポカリスエットスタジアムでWヘッダー。2試合目はヴォルティス戦でございました。

■前半

□前半の長崎

両チームとも序盤はハイテンションでしたね〜。ボールを奪うと、すぐさま縦にボールを送って、ウォォォォ〜ってなテンションで相手ゴール前にまで押し寄せるサッカー。首を右に振ったり、左に振ったり、見ている側も忙しい攻防で、なんとなく上回っていたのは長崎だったでしょうか。徳島よりも、「ボールを持ったら、前線はこう動いて、パスはこっちの方向に出す」みたいなオートマティズムが長崎にはありました。

長崎の方が若干ながら優位に立てたもう1つの理由は、システム上の特性。最初からバランスよく人が配置されている442(この日の徳島のフォーメーション)に対し、長崎が採用している3421は、より流動的に動くことを前提にしたシステムですから、よく訓練されたチームがはまれば、次から次へと人が湧き出してきて、サイドで数的優位を作りだすことができます。高木さんが磨き上げたシステム性は、こういうところでも発揮されていました。

□前半の徳島

一方の徳島は、どことなく危なっかしかった。徳島の危なっかしさの要因は、大きく2つあって、1つには、真ん中で守備をする選手が全体として前に出る守備をやりすぎるところ。とくにエステバン。この選手はハードに食らいつき、文字通り「刈り取る」ような守備が持ち味。必然的に配置のバランスは崩れがちなになる。そうなると、もう1列後ろの両CBが、エステバンが空けたスペースを潰すべく、前に出ざるをえなくなる。見ていて、とても危なっかしい。

それからもう1つには、低い位置におけるSBのプレー判断が、あまりシンプルじゃないんですね。アバウトなクリアを“快し”としない心意気は買いますけど、そこに足元の技術が追いついていないようなイメージ。相手を交わしてから、余裕のある態勢から、“クリア”ではなく“フィード”をしていこうというプレーが、とてもとても覚束ない。あたふたとこねくり回しているうちに、相手にカットされるという最悪な事態も発生しておりました。これでは厳しい。

■後半

でも、なんだかんだで、ボールをポゼッションしているのは前半から徳島だったような。特に後半になると、徳島の攻撃シーンが多くなる。でも、なかなか長崎の堅守を崩せなかったですねぇ。攻めきれなかった要因を考えると、まず、キムジョンミンと津田の2トップに、なかなかボールが収まらなかっま。特にキムジョンミン。高さがあるわりには、あまり空中戦でイニシアチブを握れず、ポストワークにも乱れが目立ってました。も少し頑張っとくれ。

それから、より主体的な問題として、まあ、パスミスが多いのなんのって。そもそもちゃんと足にミートしてないんじゃないかってミスもありましたし、多かったのは、「そこにそのまま、そんな正直なパスを出したら、そりゃ、相手にカットされるよね」とか、「てゆうか、パスを相手に向かって出してる?」みたいなミス。速攻の起点となるパスがこんな調子ですから、どうしても、相手の急所を突くって感じにはなりませんでした。

□慎重な長崎

一見、攻め立てられていた長崎ですが、それなりにカウンターのチャンスはあった。でも、そこは高木さんのチーム。慎重でした。あくまで守備に人数をかけて、人海戦術でゴールを固めます。ゆえに、攻撃に移ったとしても、数的には不利な状態。何度か決定機もありましたけど、だからといって「点が入るのも時間の問題だな」って雰囲気は全く流れない。でも、それが長崎のデフォルトで、そういうなかでも勝ち点を積み上げてきたチーム。虎視眈々とチャンスを窺います。

長崎が得点するとしたら、スーパーシュート炸裂かセットプレーか相手のミスってところ。この試合では、特に相手のミスによる得点の可能性が低くなかった。具体的には福元。この選手は、往年の宮本恒靖みたいに、ときどき信じられないミスをしますよね。例えば相手のロングボールをそのままゴールキックにしようとしたら、相手にかっさらわれてGKとの1対1に持ち込まれたり。何かと“かっさらわれる”プレーが多い。ただ、それでもスコアは動くことなく、0ー0の引き分けに終わりましたとさ。

■日本代表への推薦状

□推薦者

INAC戦を見た観客たち

□推薦理由

もちろん、皮肉ですよ。この試合、ポカスタはWヘッダー。1試合目はINACvs日テレベレーザで、2試合目がこの試合。この試合の入場者数は8000人ちょっと。INAC戦では7000人。新規入場者が1000人いたらしい。・・・でもね、3000人くらい帰っちゃってたと思いますよ。実際にヴォルティス戦を見ていたのは、たぶん5000人くらいじゃないでしょうか。ワタクシの体感では。こういうのを日本語で“数字の罠”と言います。

で、帰った、推定3000人(ワタクシの目視調べ)は、もちろん、お子さん連れでスタジアムに7時間は難しいとか、あるいは日曜日のナイターは厳しい職種だったり、いろいろ事情はあるでしょうけど、それも含めて結果として客観的現象としては「澤さんとかマスコミでも取り上げられることの多いなでしこ軍団の試合は見るけど、そうではないヴォルティスは見ない」という行動をしたということになる。有り体に言えば“ミーハー”なのです。ね、日本代表と相性が良いでしょ。推薦いたしますよ、皮肉を込めて。