「ハリルの教科書の総頁数は?」ってな試合【日本vs北朝鮮】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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北朝鮮 2 vs 1 日本[東アジアカップ 08月02日]

さい先は良かったんですけどね、〈遠藤から武藤へ〉という初招集同士のホットラインで先制点。しかもスピードに乗ったまま小気味よいクイックネスで奪ったゴール。「ハリルジャパンはこういうスタイルですよ!」っていう名刺代わりになるような。

 

 

試合の構図としては、まるでデジャブを見ているよう。デジャブというのは、前日に行われた女子の日本vs北朝鮮のデジャブですね。日本は縦に速い攻撃で中央突破を仕掛けていく。とにかくボールを止めないでガンガンと縦走り。対する北朝鮮は、縦に速いっちゃ速いんですけど、どちらかというとクラシカルな縦ポン。ゆえに、さほどハイテンションではなく、フィジカルで前面押し出す「進撃の巨人」大作戦。「進撃の巨人」を見たことがないので、この例えが正しいかどうか自分でもわかっていないんですけど。

 

 

で、前日のデジャブとするならば、「暑さに慣れていない北朝鮮の選手たちはきっと後半にバテて、次々と足を攣りながらヘロヘロになってくれるに違いない!」なんて甘い期待を抱いておったのですが、残念ながらそんな淡い希望は、ものの見事に砕かれてしまいました。

 

 

終盤にパワープレーから2失点を喫してしまいました。1失点目は13番のアバウトなロビングに20番が競り勝ち、こぼれたところに7番が詰めて決めたゴール。2失点目は6番の超適当な放り込みに20番が槙野に完勝して決めたヘディングシュート。最近は、ここまでアバウトな「進撃の巨人」大作戦を敢行するチームって、アジアでもそうそうお見かけしなくなったので、逆に新鮮。というか、不慣れになってしまってましたかね、チームとしても。対応するノウハウを忘却してしまっていたというか。

 

 

日本代表に視点を移すと、すでに多くの論者によって指摘されているように、ハリル流の“縦に速い攻撃”一本槍になってしまっているところに不安点がなくもない。でもですね、これってたぶんハリル的には“最初の一歩”というか、まずは絶対的に浸透させなければならないベースの哲学だと思うのですね。だから、多少の時間はかかっても、とにもかくにも、それを徹底させなければならない。

 

 

いわゆる“緩急”だとか“あの手この手”といった応用編の部分については、基礎の部分の習熟度が一定の水準に達してから、その次のステップとして手をつけるべきこと。ゆえに、この段階、新戦力が多いというこのメンバー構成では、一本槍になってしまうのも致し方ないのかな、なんて思います。

 

 

まぁ、心配な点がなくもないですけどね。昔トルシエが「私の教科書には300ページあるが、まだ80ページの段階だ!」と豪語したにもかかわらず。結局、その教科書は80ページしかなかった、みたいことがありましたけど、そんなことにだけはなってくれるなよという心配がなくはないです。