■なでしこ 2 vs 0 中国[東アジアカップ 07月20日]
放送の序盤、青嶋さんに、「男女揃って参加する大会というのはオリンピック以外にそうそうないので、いつも以上に気合いが入るんじゃないですか?」みたいなことをふられた解説の野田さんが、次のような台詞を述べました。
「アベック優勝するぞ!という思いは強いんじゃないでしょうか」
・・・アベック。
久々に聞いたなぁ、この言葉。思わず〈ぶっとびぃ〉って気分になってしまったワタクシは、そしてアナタは、そう、昭和を知る世代です。
キックオフ直後は中国女子代表が、岡田JAPANよろしくなハードプレスをしかけ、我らがなでしも、やや苦労しましたが、やがてリズムを取り戻すと、なでしこがポゼッションを高め、事実上のハーフコートゲームに持ち込みます。
そんななかでも先制点。宮間が大儀見に縦パスを付けると、大儀見は前を向いて少しドリブル。連動してスペースに走り込んだ安藤にスルーパスが出ると、そのままワンタッチでグランダーのシュートを決めました。そして、おそらく戦術上の問題から、そのまま安藤は中島と交代してピッチを去ることに。
後半に入って中国女子代表は積極的な選手交代で状況を打開しようと図りますが、大勢に影響はなく、なんとなく退屈というか、かつてのオシム語録でいうところの「日曜の午後のような」試合となり、なんだかんだで追加点も奪います。
中盤、少し下りた位置でフリーになった宮間が、レーザービーム系のパスで大儀見を走らせると、大儀見は持ち前のフィジカルでキープ。PAに侵入してきた中島に落とすと、そのままの流れでしっかりと中島がシュートを突き刺しました。
2得点とも、宮間が基点となって大儀見にボールを届け、その大儀見がアシストしたという形。澤が盤石さを欠き代表から外れているなかで宮間がボランチに落ちているわけですが、宮間は、ふだん湯郷で見せているように、一発のロングパスで相手を崩しにかかる。多くの場合、サイドの空いたスペースに針の穴を通すようなコントロールでパスを出し、2トップなりSHなりを走らせるという展開になる。
そういう意味では大儀見の2アシストというのも必然だったわけですが、問題は両SHが‘使われる側’に専念せざるをえなくなるところ。それ自体は決して悪いことではないと思いますが、澤・阪口コンビのバージョンと少しスタイルが変わりますので、場合によっては、それがネガティブに出る可能性もあるのかな、と。