浦和と広島の相違を分析しつつ、メッシの進歩が止まってしまった可能性に思いを馳せる【浦和vs広島】&【スパルタク・モスクワvsバルセロナ】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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浦和レッズ 2 vs 0 サンフレッチェ広島[Jリーグ 11月17日]

前半は、「どちらかと言えば広島が優勢かなぁ」と思いながら観戦していたのですが、先制点を挙げたのは劣勢気味に見受けられた浦和。鈴木啓太の足の長いスルーパスに反応した梅崎のワンタッチシュートが西川周作の牙城を見事に崩しました。

この日の鈴木啓太は、先制点のアシストだけでは止まりません。試合がすっかり落ち着いてしまっていた後半15分、なんとなくボールを受けた鈴木が、一気にスピードアップ。日向君もビックリな直線的ドリブルで千葉を吹っ飛ばし(てはないですが)、そのままシュートを決めてしまいます。これで、勝負あり。広島に対して意地を顕示した浦和が完勝を収めた一戦となりました。

先述したように先制点は、ボランチ鈴木啓太の長いパスがアシストとなったのですが、実は、こういうシーンって、浦和よりも広島が多く作っていたように思います。‘こういうシーン’とは、中盤より後ろの選手がアタッカーに直にパスを届け、局面を打開しようとするシーンのことです。

同じ361のフォーメーションで、攻撃に映ると415にスライドするというシステムまで共通している両チームですが、広島は415の「4+1」の部分で、けっこうゆったりパスを回していたように見えました。表現は悪いですが、‘ウダウダ’とか‘ダラダラ’とか‘のらりくらり’とかの擬音語がピッタリくるようなゲームの作り方。

もちろん、それは、プレーが漫然としていることを意味するのではなく、じっくりじっくり相手の様子を窺い、隙を発見するなり一気に佐藤寿人の‘動きだし&得点力’を生かすためのパスを出すことを狙っているということです。青山や森崎から浦和の急所を突くようなパスが何本かコンスタントに出されていました。

一方の浦和は、どちらかと言えば、ボールを奪うや、間髪入れずにサイド(平川・宇賀神)目がけてロングキックを蹴り、そこからボールを止めずに雪崩をうつように攻めていくってパターンが目立っていたと思います。それゆえ、鈴木啓太が狙い澄ましてスルーパスを梅崎に出した先制点のシーンには、少しビックリだったわけです。

両チームの特徴を端的に述べると、〈ロングキックをカウンターの起点として素早く出す浦和〉と〈ロングキックをラストパス気味にしっかり狙い澄まして出す広島〉というイメージになるかと思います。もっとも、この相違はペトロビッチ監督と森保監督の個性の差というよりも、‘佐藤寿人というタレント’の有無によりもたらされているものでしょう。逆に言えば、原口には、〈しつこく動き直して、相手守備陣の急所を突く〉という部分に課題があるのかもしれません。

スパルタク・モスクワ 0 vs 3 バルセロナ[チャンピオンズリーグ 11月21日]

1人で持ち込んで、8人くらい引きつけて、かつボールを失わなかったメッシが凄いのか、サイドバックなのに最前線に張って、足下に転がってきたボールを思いっきり突き刺せるダニエウアウベスが素晴らしいのか、まぁ、そんな先制点です。

そしてメッシは、新たな武器も身につけた模様。追加点を見てみると、イニエスタのシュートのこぼれ球を思いっきり振り抜いたら、思いっきり当たり損なって、それが結果として相手GKの虚を突いた形になったもの。メッシクラスになれば、これも計算通り、‘わざと’当て損なったに違いありません。

さらにメッシは前半のうちに、2点目を決めます。ペドロのスルーパスに反応して、難なくキーパーを交わして無人のゴールに転がしこみました。これについては、以前からよくある形。去年までと同じスタイルの得点ですね。ということは、旧態依然たる保守的プレーともいえるわけで、「メッシは進歩をやめてしまったのか!」という批判に晒されても仕方がありません。

メッシが〈進歩し続けるアスリート〉でありたいのなら、抜け出してから、敢えて自陣PAまでドリブルをするべきでした。そこから改めて10人抜きドリブルを試みる等の選択肢を採らないことには、〈さらに一皮むけた〉との名声は獲得できないでしょう。

もちろんワタクシだって、メッシが憎くて、こんなことを言っているのではないのです。あの子は、〈やれば出来る子〉と信じているから、期待をしているからこそ、心を鬼にして、敢えて高いハードルを課しているのです。この親心、メッシには届くでしょうか?

さて、この日、バルサに立ち向かったのはスパルタク・モスクワ。ロシアのクラブですね。ロシアと言えば極寒の地。その気候条件に適応すべく、特異な服飾文化を発展させてきました。そう、あの、いかにも暖かそうな仰々しい帽子のことです。

あの帽子、なんて名前なのか調べてみたら、なんと‘ロシア帽’と呼ぶらしい。まんまやん。もう少しシャレオツな名前が呼び方があるのかと思いきや。ただし、「ノルウェーセーター」ではない「ノルディックセーター」という呼称だとシャレオツ感がありますから、「ロシアンハット」とかならば、印象が違うのかも。

ともあれ、試合中ときどき映される観客席を見る限り、最近のロシアのナウなヤングは、あまりロシア帽をかぶらないんですかね。素材こそ、だいぶ厚手っぽかったですが、デザイン的には日本でも流通していそうな帽子とか、パーカーのフードとかで耳を寒さから守っておりました。メッシと違って、ロシアン・ナウなヤングは、旧態依然を快しとはしないようです。