Jクラブを支える人々の周辺をウロウロと…2013年シーズンのJリーグを振り返る・スタンドの住人達

                                  にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村

■観客増の鍵[湘南vs鳥栖(3月9日)]

 

「地道に観客動員数を増やしたJクラブ」と聞いて、皆さんはどこを想起しますか?

ワタクシの婆さん、真っ先に出てくるのは甲府ですかね。いまや、まさに‘プロビンチャの星’ですもんね。最近だと、岡山のホームスタジアムを訪れたときに、かつての甲府と同じ雰囲気を感じました。同じ匂いは、近年の湘南からも嗅ぎ取れます。

 

 

なんだか地方クラブが多いですけど、これは偶然ではなく。これらのクラブに共通するのは、〈子どもを連れていないご夫婦が多いこと〉だと思います。そして、Jクラブが観客動員を増やす鍵は、この層にあると思うのです。

 

 

どうしても〈新規顧客の発掘〉となると、‘親子連れ’に目が行くと思います。〈若い夫婦と幼児・児童〉という組み合わせですね。ただ、この層というのは、特にママさんというのは、‘サッカー’ではなく、‘サッカーを見ている子ども’を見ているわけですね。だから、実は、それほどサッカーという競技そのものに興味を持つわけではない。必然的に子離れと同人誌にスタジアムからも去っていく。

 

 

逆に子を連れてない夫婦というのは、子育ても一段落して、「新しくできた時間を何にしても使おうか」って状況にあることが多い。そして、何かのきっかけで、Jクラブというものに出会う。こういう人たちは、‘スタンドの我が子’ではなく、‘ピッチ上の劇場’を楽しんでいます。もちろんサッカーという競技ではなく、社会貢献活動でたまたま目にした選手を見ているだけかもしれませんが、少なくとも、クラブに対して愛着があるわけです。

 

 

しかも、子育てを経験された方々って、漏れなく(自分の)子ども世代に対して非常に慈愛に満ちている。ピッチに向かって、強烈な愛情を注げるのですよ。こういう層は、一度、スタジアムに通う習慣が付いてしまえば、安定顧客になります。大切にしなければなりません。

 

 

 

■今のヴェルディを支えるもの[東京Vvs鳥取(4月14日)]

 

今も昔もヴェルディにはスポンサーの数が少ない。昔は少なくても良かったのですね、一社(一グループ)から潤沢な資金がドボドボと注入されていましたから。数は少なくとも金額自体に問題はなかった。

 

 

ただ‘昭和の権化’ことツネ辺ワタ雄さんと、平成的プロ興行たるJリーグの相性が悲惨なほど悪くて撤退されてしまって以降、ヴェルディは、いわゆる一つの‘じり貧’になってしまいました。

 

 

そういう風になって、もう10年近くになりますかね、ようやく、このクラブは新たな道を模索し始めた。あるいは模索している姿が我々にも明確な形で伝わるようになってきた。危機意識はサポーターさんにも共有されていて、昔は小瀬名物だったスポンサー紹介への拍手が、スタンドから聞かれるようになりました。ちなみ2013年4月現在、最も盛大な拍手を送られたのは、御存知「ガガミラノ」。ちなみにワタクシはよく知りません。なんせワタクシ、白三角形ではありませんから。

 

 

ともあれ、そういう必死に頑張っておられるサポーターを、さらにサポートする存在が、この試合にはおりました。ジャージ姿ですが、どこぞの大学か何かのチアリーダーが大挙してゴール裏に詰めかけておりまして、さすがはそれを専門としている人たちだけあって、上手にシンクロして、サポーターの応援に花を添えていました。「やっぱり若い女の子がいると元気な雰囲気が出て良いな」と、中年オヤジはバックスタンドから眺めておりました。

 

 

 

甲府の支援者[甲府vs浦和(7月6日)]

 

甲府といえば一つ一つは大口ではなくとも、たくさんのスポンサーから支持されることに成功したクラブですよね。かつてはハーフタイムに5分くらい時間をかけて小口スポンサーに至るまで一つ一つ企業名を読み上げていました。さすがに最近は、数が増えすぎたのか、ハーフタイムの読み上げはなくなったようですが、スポンサーさんを大切にする姿勢は不変。

 

 

この試合、両ゴール裏には4列に渡る大量のスポンサー看板が。その数なんと42個。たぶん、一つ一つのスポンサー料金は、他のクラブの看板掲出に比べて格段に安いんだと思いますが、こうやって聖地・国立に詰めかけた3万人の観客の眼前でその名を掲げられるのですから、スポンサーさんたちも鼻高々でしょう。

 

 

そんな甲府スポンサーの中でも、ひときわ異質な存在が。一つは御存知・東京エレクトロン。もう一つは東京農業大学。・・・えっと、確認ですが、甲府って山梨県であって東京都ではないですよね。まだ東京エレクトンの方は山梨事業所(子会社)が主力の一角を占めているようなので、ともかく、農大って。。。ちなみにWikipediaで調べたところ「山梨県北都留郡小菅村旧小菅小学校白沢分校跡地に「東京農業大学多摩川源流大学」小菅キャンパスが設置された」らしいので、その辺の関係ですかね。

 

 

ただ、それでも甲府を支えているのは1人1人のマンパワー。なんといっても「人は石垣、人はナンチャラ(以下略)」のお国柄。大切なのは人間ですから、ボールパーソンが人文字で「VFK」を作りますし、人間にとって大切なのは元気ですから、選手入場前に「イノキボンバイエ」的なチャントを送るのです。