スポンサーやら貴賓やらの周辺をウロウロと…2013年シーズンのJリーグを振り返る・サッカー界を彩る諸要素

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■スポンサーのメリットについて[横浜FCvs徳島(3月10日)]

この日、恒例のバス渋滞にまきこまれ、試合開始5分前くらいにスタジアムへと到着したワタクシ。横浜FCのホーム開幕戦ということもあり、横浜市長さんが挨拶をしていて、サポーターも「文子!文子!」コールで応じていました。次いで、ニッパツの社長さんが御登場。いわゆる‘校長先生のお話’を垂れておりました。その中でさりげなく、「我が社の主力であるバネのように、伸び上がってもらいたいものです」とか言ってました。そうか、日本発条株式会社はバネを作っている企業だったのか。初めて知ったよ。

さて、この日のカードは横浜FCvs徳島。なんか、この両クラブって似ていますよね。どこが似ているかというと、〈‘元J1戦士’を、かき集めたがるところ〉です。横浜FCは、言わずと知れたカズをはじめ、古くは城彰二、最近では永井雄一郎田原豊堀之内聖など、「まだやれるはずだけど所属がなくなった」選手を多く受け入れてきました。

一方の徳島は柿谷を蘇生させたことが盛んに喧伝されていますが、それはあくまで京都やセレッソ、名古屋などといったJ1クラブとの強いパイプの一部分に過ぎないわけで、徳重やら、倉貫やら、津田やら、杉本やらが所属してきたことの積み重ねの結果なわけです。で、両クラブに、そのような選手獲得が可能だったのは、安定スポンサーがあるからですね。横浜にはLEOCというメインスポンサーがいて、徳島は事実上、大塚製薬のサッカー部です。しかもLEOCも大塚製薬も健康を増進させることを生業にしている企業ですから、サッカークラブをスポンサードすることに株主やら社会やらの風当たりは弱い。こういう、理想的なwin-win関係が、もっともっと増えていくことで、日本のサッカー文化も成熟していくのでしょう。

甲府の偉いさんたち[甲府vs浦和(7月6日)]

この試合、キックオフ直前に「柏選手、通算100試合出場おめでとう」みたいなセレモニーがあって、お兄様が駆けつけていました。で、その後にキックインセレモニー。しかも4人も。しかもしかも皆さんいわゆる‘貴賓’ってヤツ。やれやれ、‘資本主義・民主主義の原則’には、お手上げさ。。。

で、そのの1人は東京エレクトロン山梨の社長さんで、ご尊名を田原好文とおっしゃるらしい。そうですね、先に100試合出場を達成した柏好文選手と、下の名前が同じなのです。これは、単なる偶然か、はたまた・・・、えぇ、偶然ですね。

貴賓4人衆には他にも山梨県知事がおらっしゃりました。むむむ、「わい、東京出張だぞ!」とばかりに喜び勇んで上京されたのでしょうか。スカイツリーとかにも寄って観光が9割方でも、ほんの10分ばかりキックインに顔を見せるだけ、‘公費出張’となり、財布を傷めることなく、県民の税金で豪遊できるわけですから。

別に顔も名前も知らない県知事さんが顔を出したからって、特段、山梨県のアピールにもならんでしょう。むしろ、この日は「笛吹市のサンクスデー」的な試合だったらしく、「笛吹市の桃」が両クラブにプレゼントされましたが、こういうのの方がよっぽどアピールになるかと。

やはり我々にとって山梨といえばフルーツと武田信玄ですからね。で、武田信玄といえば信玄堤、信玄堤といえば笛吹川。そう、「笛吹市の桃」は、我々の山梨県イメージ全てを満たしている。県知事に出張費を出すくらいなら、その金額分の桃を配布した方が、よっぽど山梨県民の利益に適ったにちがいないとの思いを禁じ得ません。

■キックオフ前のお約束[横浜FCvs岐阜(10月23日)]

Jリーグを観戦していると、よく見る光景の一つとして、選手入場が終わってから、キックオフまでの数分間で、カラダを温めている選手1人1人へ、順番にコールを送るって作法がありますよね。一昔前は、多くのチームのサポーターがやっていたのですが、最近は、どちらかというと、各サポーターごとに、独特の作法が確立してきて(ひたすら歌うとか、発声練習がてらお約束のチャントを繰り返すとか)、あまり見かけなくなりつつあるような。

その、やや珍しくなりつつある作法を、この試合ではFC岐阜のサポーターがやっていました。ワタクシの感覚では、この作法って、キーパーから始まって、中盤の選手くらいまでは続くのですが、前線の選手に対しては時間的に間に合わないことが時々ある。しかし、この日のFC岐阜サポーターは悠々と全員のコールを完了させた。というか、やたらと時間的に余裕があった。

「これはどういうことだ?」と考えてみたとき、この試合はミッドウィークのナイトマッチであることの影響か、キックインやら、自治体の首長の挨拶やら、「○○選手、××試合出場!」やらの各種セレモニーが一切なかった。花束贈呈もなかった。全くの無。「はは〜ん」と、「だからか」と。

つまり、キックオフは○○時04分と決まってますよね。そして、おそらく、そこから逆算して選手入場の時間が決まる。で、そこから、その間の時間に各種のセレモニーを詰め込んでいくんですかね。そして、最近、この時間の選手1人1人に対するコールが衰退傾向にあるのは、各クラブフロントの営業努力の反作用で、そこのキックオフ前の時間帯に接待行事が増えたことで、コールを送れる時間枠が短くなっているからではないか、なんて推測してしまったりします。