日本とメキシコの異同についてアレやコレや心配と期待をかけてみる【オランダvsメキシコ】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■オランダ 2 vs 1 メキシコ[WCラウンド16 06月30日]

どちらかというとイニシアティブを握ったのはメキシコ、といった序盤戦。オランダとしては今大会は守備的に戦っていますから、特に問題はなかったかもしれません。ただ、デヨングを早々に交代させなければならなくなったのは問題あったでしょう。とはいえ、サッカーとは面白いスポーツ。こういう皮肉はサッカーに限ったことでもないでしょうけど、ともかく、デヨングがアウトになってインディが投入されてからのほうが、オランダはリズムを掴めていた。

 

 

とはいえ、前半はメキシコが運動量をかけて攻撃にかかっていました。前線の選手はダッシュを繰り返す。給水タイムがもうけられるくらいの酷暑での一戦。メキシコは高地で緯度の割に涼しいお国柄ですから、スタミナ的に少し心配されるところでもありました。だから、メキシコとしては先制するしかない。ということで後半開始早々、ドスサントスミドルシュートを突き刺します。バイタルでボールを拾うと、あとは足を振り切る。個人技としかいいようのないファインゴールでした。

 

 

スコアが動いたことで試合も動きます。一気呵成のメキシコもシュートをバンバン撃っていけば、同点に追いつくべくデパイを投入したオランダも、何度もオチョアの牙城を脅かします。おもむろに“しばき合い”の様相を呈しはじめる。メキシコは早めにカードを切って、逃げ切り体勢を整える。ストライカーのドスサントスに代えて中盤のアキノを投入。しかし、この采配で受け身に回ったメキシコは中盤の3枚がダダ下がりになって、フィルタリングが機能不全に陥ります。

 

 

それでもそのままなんだかんだでメキシコが逃げ切りそうな雰囲気にもなったのですが、後半も43分(給水タイム3分を含む)になってからオランダのショータイム。この試合で再三に渡って得ていたコーナーキックのチャンスをついに生かしたのがスナイデルのドッカンミドル。これで同点。そしてロスタイムにはロッベンがPKを獲得し、決勝ゴールが生まれます。判定自体は微妙でしたが、この試合を通じてロッベンマルケスを威圧できていましたので、トータルで見れば「ロッベン(オランダ)が力ずくでマルケス(メキシコ)をねじ伏せた」と評しうる結末だったといえるでしょう。

 

 

さて、前半はメキシコの流麗なパスサッカーが展開されていたわけですが、日本のパスサッカーとは少し趣が違う。ボランチや最終ラインできっちりビルドアップするところは共通する一方、ある段階で一気にスピードアップする縦へのロングパスが入れられる。また、シュートへの積極性(野心)が日本とはまるで違う。おそらく国民的メンタリティが抜本的に異なる。こういうところを噂のアギーレさんがコントロールできるのか、期待半分、心配半分。

 

 

ちなみにメキシコは先制してアキノを投入するとともに3322から3331へとシステムを微調整しましたね。そして、3331というのはご存じの通り、何年か前にカターレ富山で安間監督が導入したシステム。そういう意味ではJリーグの方がメキシコ代表の先を進んでいると強弁できなくもないですが、安間カターレは結局それを断念し放棄した一方でメキシコではスムーズに機能していたのですから、やはり、メキシコの方に成熟度において分がある。このあたりの差も噂のアギーレさんがコントロールできるのか、興味と心配が尽きません。