ゴールデンウィーク5試合目は野津田。
■前半
福島のシステムは532でしたね。3バックとWBがいて、そこにアンカーを置き、2人のインサイドハーフ、で2トップ。このシステム、好きなんですよね、セントラルの位置に攻撃的な選手を4人置けるところが。その分、WBとインサイドハーフが上下動しなければならないので、運動量なりバランス感覚がとても必要とされますけど。福島版532のミソは左利きの石堂が右のインサイドハーフに入っていたこと。シュートを求められていたというより、サイドチェンジとかスルーパスを出しやすいようにとの配慮だったでしょうか。その石堂を起点として福島は空いたスペースを巧みに利用しつつテンポの良いアタッキングを繰り返していました。
対する町田の攻撃は前後半通じて2つのパターン。1つには、久木野と鈴木孝司を裏抜けさせて走らせるワンタッチの縦攻撃。もう1つには、大竹とか遠藤とかに顕著でしたが、中盤でボールを持った選手がドリブルで持ち上がっていって状況を打開していくパターンですね。付け加えるならば、何週間か前に見たときに印象的だった遠藤と松本のコンビネーションで左サイドを崩していくって攻撃も、まあまあ悪くなかった。この試合では遠藤と松本に加えて、そこに久木野がうまく絡めてました。この日の久木野はとても良かったと思います。以前に見た試合では消えていたというか、あまり印象に残らなかったんですけど、それとは打って変わって、引いた位置でボールを受けたり、スペースに走り込んでゴールに突進したりというプレーができていました。
■後半
ハーフタイムを挟んで、前半と後半とで変わった点と変わらなかった点がありました。まずは変わった点ですが、単純に選手交代があったのですね。遠藤がアウトになって、重松がイン。遠藤、悪くなかったんですけどね、キレキレって感じかといえばそうでもなかったですし、何よりレフリーとの相性が今ひとつ。特段にカッカしてたようには見えませんでしたけど、なんとなく気がつけばイエローを貰っていたり、注意を受けたりって感じになっちゃってたので、まあ、気持ちよくプレーはできてなかったかな、と。
次に、変わらなかった点というのは、どちらも凄く綺麗な崩しのパターンを発揮できているわけでもないのに、なぜだかシュートチャンスが多かった点。なんだかよくわからないうちに、気がつけばゴール前にシュートチャンスがあるって感じだったんですよね。両チームのラインが浅かったからなのか、守備陣の対応が全体的に淡白だったということなのか、はたまた、実は攻撃陣の抜け目のなさが凄かったってことなのか。ともかく、さほどエキサイティングでないにもかかわらず、退屈そうに集中力を乱してヨソ見していると肝心なシーンを見過ごしてしまうような流れの試合でした。
で、スコアが動いたのは後半の25分。町田の鈴木孝司がゴール前で腰の高さに来たボールをダイレクトボレーで合わせ、豪快に突き刺しました。まぁ、これにしても、流れにおけるプレーのどれ一つを取ってもスーパープレーってイメージなのはなかったんですけどね、決まるんですよ。対する福島も引き下がりません。それまで何度となく機会を得ながらゴールに結びつかなかったコーナーキックで安藤が決めました。キッカーは元ゼルビアの石堂。
残り10分で振り出しに戻りましたが、両チームとも最後まで勝ち越しを伺います。福島は途中出場のDF福岡がカウンターで激走しながらもカットされてピンチを迎えたり、町田は負けてはいない状況でありながら長身DFの深津を投入してパワープレーを仕掛けるなど終盤になって俄然スリリングに。結局、スコアは動かず。1ー1のドロー決着となりました。
■日本代表への推薦状
□推薦者
・星広太と星雄次
□推薦理由
よく知らないのですが、このお二人は双子ですかね。『エルゴラ』のポケット版選手名鑑だとJ3の選手にはコメントがない。ただ、基礎情報として同じ神奈川県出身で、同じ生年月日(1992年7月27日)。背番号も17と18という連番ですし。ポジションはFWとWBで違いましたけど、ワタクシが小学校の頃に友人だった双子はサッカー部でFWとバックスでしたので、ポジションは判断材料にしなくて良いでしょう。
で、そういう色眼鏡で見ていたからなのか、この2人が左サイドで見せていたコンビネーションはまさに阿吽の呼吸のように感じられました。なんというか、片方がボールを持ったら、もう片方がすぐに動き出して、互いに出しやすい、あるいは貰いやすいような関係性を作っていたような。我々世代的に双子サッカーとくればスカイラブハリケーンなんですけど、もしこのお二人がスカイラブハリケーンを完成させたならば、その暁にはきっと日の丸が見えてくることでしょう。