よく似た2チーム〜東京Vvs水戸(8月17日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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この夏は随分と西が丘に行ったなぁ。とりあえず、それも、この試合で一段落。

 

■前半

 

互いに監督さんが読売経験のある人同士だからか、両チームとも中盤ボックスのクラシカルな442という布陣。2トップの組み合わせが、ヴェルディはスピード系の2人なのに対し、水戸はストライカー+テクニシャンという組み合わせなのが、少し違いましたけど、やっているサッカーの内容は、双方ともに「まずクサビ、そしてサイドバックの攻め上がりを待ち、テンポよくクロス」という常套的パターンで、とてもよく似ていました。

 

 

要するにワタクシがサッカーを見始めた90年代におけるサッカーの教科書通りなサッカーなわけで、良い言い方をすれば“原点回帰”ということになろうかと思います。ただ、先般のブラジルワールドカップでは、ほとんど見かけることのなかったパターンのヤツですから、例によって日本のサッカー界得意の“ガラパゴス化”ってのが進行しているのかもしれません。それはそれで悪いことではないと思いますけど。

 

 

そんな似たもの同士の両チーム。アクセントとなっていたのは、2人の“鈴木”。水戸の鈴木と言えば言わずと知れた鈴木隆行ですね。この試合でもカラダの強さと、足下のしなやかさで、圧倒的な貫禄を示していました。今年は、シーズントップからあまり先発出場していなかったようなので、「さすがに衰えが見え始めたのかな?」と想像していたのですが、決してそんなことはなさそう。ひょっとしたらコンディションが整わなかったのかもしれませんね。

 

 

一方、ヴェルディの鈴木は鈴木淳。短いグラウンダーのパスで小気味よく攻めていくヴェルディにあって、唯一、ロングパスを持ち味とする選手で、この試合でも、いつものように華麗なサイドチェンジを披露していました。ただ、この選手については、ときどき不満に感じてしまう点があって、それは「手数が少ない」というところです。もう少し頻繁にボールに絡んで試合の支配者になって欲しいのですが、なかなか、そこが玉に瑕。

 

 

■後半

 

ハーフタイムがあけると瞬速でヴェルディが先制ゴールを決めました。あれよあれよと杉本が左サイドをえぐり切ると、角度のないところから折り返す。それがゴール前に詰めていた澤井のごっつぁんゴールを導きます。この先制点を契機に試合はいっそうペースアップ。なんだか、異様にアクチュアルプレーイングタイムが長く感じる展開となりました。それだけ、見ていてダレない、素晴らしいゲームだったということです。

 

 

まあ、ともかく水戸がハーフコートゲーム状態で攻め立てまくっていたわけですよ。「それだけリズミカルにパスを繋げるんだったら、最初から頑張れよ」ってなもんで。というか、順位の割には、かなり魅力的なサッカーをしています。ただ、そうなるとカウンターのピンチも増えることになります。特にヴェルディは若くてアジリティーのある選手が揃っていますから、こっちはこっちでビッグチャンスを迎える。見ていてエキサイティングでしたねえ。

 

 

水戸の攻撃は、まず西岡謙太と、途中出場の馬場が中盤で攻撃を組み立てる。そして、多くの場合は船谷と田中雄大で組む左サイドから、決定的な折り返しを入れていくというのがパターンでした。逆にいうと、対策するポイントも明確だったと思うのですね。しかし、そこでヤス三浦が動かない。右サイドの守備にテコ入れしてのは、ようやく、後半も30分を過ぎてから。井林をCBに入れて田村を右に出した。そのまま逃げ切れたから良いものの、もう少し、早く対処しても良かったかと。

 

 

なお、この試合では3変化した選手が2人いました。一人目は水戸の内田。最初はボランチでスタートして、馬場の投入とともに右SHに。さらに三島が入ってくると右SBに落ちました。右SHのときが一番良かったですかね。3変化した二人目はヴェルディ澤井。右SHでスタートし、井林の投入とともにボランチに、終盤、楠美が途中出場するとトップ下に移動しました。澤井に関しては全てのポジションで及第点だったかと思います。めでたし、めでたし。

 

 

 

■日本代表への推薦状

 

□推薦者

西岡謙太

 

□推薦理由

 

“西岡製パス所”の異名をとっているんですよね、確か。ちなみに“西岡製作所”は製本機会のメーカーさんらしい。そして、“ニシオカ製作所”はオーダーグローブとかを作ってくれる会社だそうだ。ともあれ、プレーメーカーです。しかも、系統で言えば遠藤に近い系統のプレーメーカーですね。「まずはインサイドキックをきっちりとミートさせて、ミスなく確実に受け手に渡します!」みたいな。決してファンタジー溢れるスタイルではありません。

 

 

こういうタイプって、遠藤や西岡の他に、鳥栖の藤田とか、町田の庄司なんかが思い浮かびます。つまり、Jリーグのトップチームでなくても、数人はイメージが沸くプレースタイルの選手だということです。これを“平凡”と評価する向きもあるでしょうが、ワタクシとしては“安定的な再生産可能なプレースタイル”と評価したいのです。つまり、こういった選手を基軸に代表チームを作っていけば、「日本らしさ」が自然と醸し出されるのではないかと思うのです。