デルボスケの心労についてアレやコレや思いやってみる【豪州vsスペイン】の周辺をウロウロと…★ワールドカップ各試合を振り返る★

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■オーストラリア 0 vs 3 スペイン[WCグループB 06月24日]

互いに予選敗退が決まってしまっていた一戦。スペインとしてはポーズとしてだけでも「抜本的改革」を見せなければならないですし、オーストラリアはケーヒルが累積警告でいない。ということで1・2戦目とは様変わりしたラインナップでスタートします。で、スペインの面々を見てみると、いわゆる“バルサ黄金期”を支えたメンバーがイニエスタとアルバしか起用されていない。ゆえに、“いつものショートパス交換”はさすがに発動しない。

 

 

そうなると、逆にバルサでは輝ききれなかった選手が存在感を発揮する。ファーストゴールを流し込んだのはダビド・ビジャ。ヒールでのシュート。インサイドキックを基調とするバルササッカーとは、あまりにも対照的で、なんだか象徴的なゴールでした。一方のオーストラリアは、ケーヒルを欠くと、ここまで「何をどうしたいのかがわからない!」ってチームになるんですね。4年後に向けての課題が山積みであることが露呈した前半の戦いでした。

 

 

後半に入っても、ややもすれば緊張感が希薄になりかねない展開が続きます。ワタクシも大学スポーツでリーグ戦を経験していますが、負けが続くと難しいんですよね。そういう経験のない人は、「気持ちを伝えてくれ」なんて無理難題を平気で突きつけるんでしょうけど、「それが一番難しいんだ!」と。ただ、それにしても消化試合感を否めない。後半25分にはイニエスタのスルーパスからトーレスが2点目を押し込んだのですが、もう少し喜ぼうとしても宜しいんじゃなかろうか。

 

 

試合そのものはオーストラリアのインテンシティが低下して、スペインの攻撃陣へのプレスが緩くなりましたから、それなりにスペインのパスが繋がっていたわけですが、なんというか、魂がこもってないというか、むしろ「なんとか1点でも」というオーストラリアのカウンターの方が粗雑ながらもエネルギッシュだったような。マタのダメ押し弾でスペインの完勝となった最終戦ですが、正直、「も少し頑張れよ!」といった後味の悪さを感じました。

 

 

というわけで、スペインにとっては踏んだり蹴ったりな大会となったわけですが、それにしてもデルボスケは気の毒でしたねぇ。なんと言っても、気を遣わなければならない相手が多すぎる。例えば、マタを投入してビジャを交代させたシーン。ビジャは完全にブチギレ状態でしたが、そうは言っても、ビジャを使い続けてマタをベンチに座らせたままにすれば、それはそれでマタがブチギレるわけで。そもそも、次のユーロに向けて世代交代を進めなければならないわけですし、ビジャの感傷に付き合ってる場合ではない。

 

 

ビジャとしては自らの花道を飾りたかったのでしょうけど、それはトーレスやシャビアロンソも同じなわけで。そもそも、それらベテラン選手は、事実上、次の大会は非常に厳しいから、「未来に向けて!」っていうガツガツ感がない。プレーに目的意識が伝わってこない。だから、GS敗退が決まった試合には若手を抜擢したいところなんでしょうけど、それでもベテランにはベテランとして敬意を失さない起用が求められる。かのデルボスケも、「さすがにお手上げ!」だったのでしょう。