川崎vs磐田の周辺をジュビロ目線でウロウロと…

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そんなわけで、ジュビロ目線からなわけですが、とにもかくにも、よく見えませんでした!と最初に言い訳から始めます。

大学時代、何か話をふると「違うんだよ、○×■※△」みたいに、接頭語が「違うんだよ」で会話を始める友人がいました。しかも、そのほとんどが特に言い訳を必要としないシチュエーションで、「違うんだよ」に続くのも、全く反省の弁とは言えないものだったので、ホント、「違うんだよ」は単なる口癖だったわけですね。

その友人とは、大学卒業後、全く会わなくなったので、現在はどのように暮らしているかは想像さえ出来ませんが、まず言い訳から始める論法は社会人として生きていく中で、きっと、それなりに矯正されていることでしょう。やはり、社会人となると大学生のときのようにはいかないことが多いですからね。

ところがですね、中には、大学生の頃と同じように社会人になってもやっていける人たちもいるわけですよ。そうです、この日、ジュビロのスターティングラインナップに名を連ねた山田選手と小林選手ですね。

小林選手は明治大学出身の1年目。去年も特別指定されていたようですが、出場することはなかったようなので、ルーキー扱いでよいでしょう。この小林選手、なんと、開幕戦からぎっちりレギュラーの座を確保しています。もう一人の山田選手は、開幕戦こそ出遅れましたが、大卒ルーキーながら10番を背負う、数年前のエスパルスにおける藤本淳吾状態ですね。

こういう、新人選手の抜擢を眺めていると、時代の変化、時の移ろいを感じますよねぇ。ちなみに「時代の変化」と「時の移ろい」は全く同じ意味です。歯磨きしないと虫歯になったり、う蝕したりするぞって言ってるのと同じですね。「虫歯になること」=「う蝕」だそうです(wikipedia調べ)。

話を戻しますと、ジュビロと言えば、「特定の世代を中心に強化した結果、次の世代が全く育てることができなかった」というクラブ。ある時代は「新人抜擢」から最も遠い位置にいたのですが、黄金期は儚くも過去の一コマとなり、いまや、若い選手をチームの軸に据えるようになった。予算規模を考えれば、健全化されたと言って良いでしょう。

さて、小林選手は左ボランチ、山田選手は左SHにいました。小林選手の場合、那須選手との兼ね合いで、特に左に固定されるという感じじゃなかったですが、ともあれ大卒コンビが中盤の左を担っていた。

だったら、一般的にはそっちのサイドを狙いますよね、相手チームとしては。ただ、この日のフロンターレは山瀬・小宮山コンビが絶好調だったこともあり、起点にされたのはジュビロから見て右サイド。とはいえ、ジュビロ右サイドには駒野選手とか那須選手とか、歴戦の猛者がいますから、ヘロヘロにされながらも、まぁ、どうにかこうにか持ちこたえます。

そうしていたところ、あろうことか、大卒コンビのいる左サイドが崩されました。しかも、それは山田選手でも小林選手でもなく、大卒4年目の山本脩斗選手の粗相によるもの。

敢えて「粗相」と表現したのですが、要は、前半のうちにイエローカードを2枚もらって退場してしまったわけですね。で、一口に「イエロー2枚で退場」と言っても、同情の余地のあるもの、プロフェッショナルファールせざるをえなかったもの等々あると思いますが、この試合の山本選手に関しては、少しイタダケなかったかな、と思います。

1枚目は、ボールの競り合いのなかで倒され、置いてけぼりにされかけたとき、思わず足を上げてしまったもの。完全に相手をつまずかせるために足をあげたものですから、当然イエロー。2枚目も相手に交わされて追いつけそうにないとみるやシャツを引っ張ったというもの。これまた、当然のイエロー。2枚とも、「こういうのはイエローですよ」って教科書に載ってそうな、綺麗な(?)イエローでした。そりゃ、退場になるさっていう。

しかも、シャツを引っ張られた田坂選手は、このプレーが原因で、すぐ後に途中交代してしまいます。田坂選手としては、ありえない方向から、あるはずのない向きへのGがかかったわけですから、体勢的にヘンな感じになりますよね。擬音語で言えば、「グキッ」っていうような痛み方ではないでしょうか。程度の軽重はわかりませんが、捻挫系のケガに見えました。大丈夫なんでしょうか??

前半のうちから1人減ってしまったジュビロは、後は、ひたすら「忍」の一文字。耐えます。守ります。一方、フロンターレは一気呵成に攻め立てる。

前半だけでも矢島選手のヘディングシュート、山瀬選手のミドルシュートル、中村憲剛選手の直接FKなど、決定的なチャンスを量産します。ワタクシのテンションも上がりまくります(ホーム自由席でしたので、にわか川崎サポと化してました)。

ところが、後半になると、一転、ワタクシのテンションが上がる回数は激減します。それは、川崎の得点機会が減ったからではなく、ワタクシからみて遠い側でハーフコートゲームが展開されたからですね。要するに「よく、見えなかった」ってことですね。

なんか、川崎がワチャワチャ攻めて、磐田がワチャワチャ守って、クリアボールをめぐって川崎と磐田の選手がワチャワチャ攻防を繰り広げる。川崎のアタッカーがワチャっとシュートを撃てば、磐田守備陣がワチャっと防ぐ、全体として、とにかくワチャワチャしている。

とまあ、雰囲気しか伝わってこなかったのですが、川口能活選手がプレーヤーとしてイメチェンされていることには気づきました。

かつては、「堅実さなら楢崎、スーパーを期待するなら川口」みたいな評価で、攻撃的な飛び出しを繰り返し、ファインセーブを連発するタイプのキーパーだったと思いますが、この日の川口選手は締めるところをきっちり締めて、相手の攻撃を遮断する、という、安定感抜群なセービングを披露していました。また、足技がたつGKという評価もあったかと思いますが、そこまでもイメチェンしたらしく、ゴールキックとか、フィードのパスが何度も直接、相手スローインになってました(時間稼ぎのための意図的なプレー?)。

それでも、やはり川口は川口。終盤には立て続けに彼の代名詞とも言える「勇気のある飛び出し」で、相手のチャンスをスイープしていました。

川口選手が獅子奮迅の活躍を見せたこともあり、10人となったあとも磐田守備陣は粘り強く守っていました。結局、小林選手のJ1初ゴールで川崎の軍門に降りましたし、攻撃ではチャンスらしいチャンスも作れませんでしたが、決して「ふがいない」とは評価しえない内容の試合を磐田は見せてくれたと思います。