本日は富士ゼロックススーパーカップでしたが、昔から「富士」って付いていましたっけ?(挨拶1)
最近のPK戦って、なんだか「GK劇場」になることが多いように思いませんか?(挨拶2)
ともあれ、、、
「あえて旬じゃないときにアップする」というモットーを持つ幣ブログ。単に筆が遅いだけとの説もありますが、そんな雑音には耳を貸さずに、なぜか、この時期にこの夏のワールドカップの各試合レポ(地上波限定)をします。
の、第十弾。
スペインvsポルトガル
言わずと知れたイベリア半島ダービー。噂によるとスペイン語とポルトガル語は、東北弁と広島弁くらいの違いしかないらしいので、「どうせ通じないだろう」と思って汚いヤジを相手に小声で囁いたりしたら、乱闘になりかねません。厳禁です。
さて、日本からしてみれば両国ともサッカー大国ですが、彼ら本人同士の間には厳然たる格の違いがあるようで、ポルトガルは徹底したリトリートで、しっかりブロックを作って守備的に戦っていました。
この辺りの感覚は、少し日本人とは異なるかもしれないですね。日本人的感覚では、関脇ポルトガルが横綱スペインと取り組むなら、まずは真っ向勝負するべきと判断しそうじゃないですか?
「日本代表とオランダくらい差があるとき、すなわち、横綱と前頭の下の方くらいの差があるならば、弱者の戦術も致し方ないが、関脇と横綱くらいの実力差で真っ向勝負しないのは臆病者の発想だ」
なんて感じる日本人も少なくないのかな、と思います。
ところが、どうもヨーロッパ、少なくともポルトガルの方々に、そういう感覚はないらしい。彼らは横綱と大関、前頭と十両の関係であっても、「格上は格上」と判断するのかもしれません。
そのあたりの違い、「勇敢に戦えば、いつか神風が吹く」なんて楽観論を持たないところが、国民性の相違なのかもしれませんね。壮行試合の日韓戦で、もし海外組の充実度などのファクターを冷静に分析して、岡ちゃんが引きこもり戦術を採用していたら、日本国民はどのような反応を示したのか、少し興味が湧きます。
オランダvsブラジル
ご存知の通り、勝ったのはオランダでした。一方で、これまたご存知の通り、試合内容はブラジルのペースでした。
ブラジルペースであったことを示す1つの指標としてSBの有機性が挙げられます。ブラジルの両SBのマイコンとバストスは、果敢に攻撃参加していました。特にマイコンのタイミングを見計らう判断力は凄いですね。
対するオランダの場合、前線がファン・ペルシーを筆頭に全くタメが作れませんでしたので、当然、ファン(以下略A)と、ファン(以下略B)の両SBがオーバーラップする機会はほとんどありませんでした。
なぜオランダの前線がタメを作れなかったかと言うと、ブラジルのブロックがとても綺麗に形成されていたからだと思います。
中でもルシオの存在感は圧倒的でしたね。守備での鉄壁っぷりは言うに及ばず、攻撃でも、日向君ばりの強引なドリブルで、相手をなぎ倒していました。もちろん比喩的表現ですが。
ただ、攻守に渡り圧倒的な存在感を示していたのは、このルシオだけだったのではないでしょうか。
試合はメロが退場したことを直接的な要因の1つとして、オランダが勝利を収めたわけですが、1人少なくなった状況でもどうにかしてしまえる選手がいなかったことも、ブラジルの敗因として挙げられるかと思います。それはロナウジーニョを排除するなど、「ちゃんとしたチーム作り」をするドゥンガにとっては避けられない副作用だったかもしれません。
本来ならカカあたりが、起死回生の必殺技を繰り出す役割として期待されていたのかもしれませんが、残念ながら今回のカカはgoodでしたが、superではなかったですね。
ウルグアイvsガーナ
この試合、ガーナの攻撃を牽引したのはケビン・プリンス・ボアテンクでした。カウンターを独走してギャンに決定的なラストパスを送ったり(ギャンが失敗)、ワンタッチでスルーパスを出したり、好パスを連発していました。更にはコーナーキックをオーバーヘッドで合わせるなんて荒技を繰り出していました。
一方、ウルグアイで目立ったのがスアレス。延長戦でのハンドとかもありましたが、ストライカーとしては秀逸な動きを繰り返していました。巧みな抜け出しから1対1を作り出した場面が前後半で1回ずつありましたし、フォルランとのコンビプレーで作り出した決定機も後半だけで2回ありました。
しかし、試合を動かしたのは、この2人ではありませんでした。
一見劣勢の中、虎視眈々とチャンスを伺っていたウルグアイの同点弾はフォルランのフリーキックでしたし、優勢に試合を進めながらも決め手に欠くガーナの先制点はムンタリのミドルシュートでした。
ビッグネームがスペシャルな活躍をしないことにはベスト4は見えてこないということでしょう。イングランドやポルトガル、更には韓国がベスト16で敗退したのも頷けるってものです。