ワールドカップ各国分析〜ベルギー編【グループH】

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ザックジャパンコートジボワール相手に初戦を落とした瞬間、多くの「(自称)サッカーに関心のある」日本人にとって、ブラジルワールドカップの記憶は風化を始めたわけですが、一応、ワタクシはWCの全試合を録画を中心に見ました。で、その各試合のレポは少しずつ「ワールドカップTV観戦記」としてアップしておりますが、それと並行して、「ワールドカップ各国分析」もアップしていこうかなと思います。1週間に1カ国とすると、コンプリートするのに8ヶ月、2015年の5月、完全に皆さま「とっくにそんなこと忘れたよ!」って時期になってますけれども・・・。

というわけで、今回は期待通りの躍進を見せてくれたベルギー。

 

 

□スタイル

 

基本的にはメルテンスとかアザールとかがゴール前でドリブルをしかけたり、ボールを持って相手を引きつけたりしながら決定機を作っていくという感じでしたね。で、それが行き詰まると、フェライニを高い位置に上げて、そこをターゲットにした放り込みから、そのフリックを拾ってシュートまで持って行くかたち。いずれにせよ、中盤は割と省略しがちです。ショートカウンターとロングボールのハイブリッドと表現すれば格好良いでしょうか。

 

 

なかでも特徴的だったのは、ベルトンゲンとアルデルバイデルトという、いかにも舌を噛みそうな名前の両SBコンビの働き。ショートカウンターorロングボールですから、「サイドを駆け上がってクロスを折り返す」という感じではない。むしろ、パスカットから攻撃の起点となり、なんなら、そのまま最短距離でドリブルを仕掛けてゴール正面に雪崩れ込んでやろうか!ってな動き方をする。ウッチーなんかは、このチームにフィットしそうですね。

 

 

 

□ビルモッツのチーム作り

このチームを端的に述べるならば、ポリビバレント集団という感じになるかもしれません。一番わかりやすいのがフェライニですよね。センターハーフでありながら、状況によっては前線のターゲットマンになる。他にもデブライネなんかも、頻繁にポジションを入れ替える。サイドハーフで先発したかと思ったら、選手交代に伴いトップ下にスライドしたり、1列下がってボランチの位置に入ったり。あっちこっちに行ったり来たりしてました。

 

 

そんなポリビバレント集団を率いたのはビルモッツ監督。試合の度に「日韓大会で日本からゴールを奪う」みたいなスーパーが出ていましたが、それはともあれ、この監督さんが見せた3戦目のマネジメントは、なかなか見事でした。2戦目が終わった時点で決勝トーナメントを決めており、完全な消化試合だったんですけど、そういう状況でのマネジメントはなかなか難しい。主力を休めたい反面、ヘンな試合を見せてチームの勢いを殺すことだけは避けたい、と。そこで、勇気を持って若手を抜擢した度胸は、実は、なかなか感服に値するのではなかろうか。

 

 

 

□印象に残った選手

ポリビバレント集団の代表としても取り上げたデブライネですが、この選手は良かったですねぇ。オンザボールでも素晴らしいテクニックを発揮しますし、オフザボールでもハードワークできる。きっとオシムとかも、この選手を重用するに違いない。で、フェライニインサイドハーフなりボランチなりでコンビを組むと、どちらかがポジションを崩すんでね。そこで発生するカオスが相手の守備陣の組織を混乱に陥れる。サッカーIQもかなり高いに違いない。

 

 

それから、やっぱりアザールですよね。この選手は小柄なんですけど、小柄の人に往々にしてあるパターンで、とても姿勢が良い。しかも顔が端正。擬音であらわすならシャンとしている。こういう、小柄で姿勢が良くて凜々しい白人さんで思い出すのが、競馬の外国人ジョッキー。ジョッキーとしてはゴツすぎるきらいもありますが、アザールがジョッキーの勝負服を着ていても違和感がないような気がする。おそらく社台ファームは、この選手を重用するに違いない。

 

 

・・・おかげさまで、【ワールドカップ各国分析】シリーズは、これをもってコンプリート。いやぁ、長かった。ようやくワタクシにとってのブラジルワールドカップが幕を閉じました。。。