韓国女子代表に岡田ジャパンの幻影を見た【なでしこvs韓国】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■韓国女子代表 2 vs 1 なでしこ[東アジアカップ 07月27日]

戦前の予想では、おそらく我らがなでしこに技術力的な優位性があるだろうと思われていた一戦でしたが、結果的には韓国女子代表の完勝。キックオフからのテンションに圧倒されているうちに、まさかの先制点を許し、そのまま‘場力’に飲み込まれてしまった、そんな試合だったでしょうか。

まずは先制点。熊谷がPA手前でファール。フリーキックチ・ソヨンが直接決めて韓国が先制点。鮮やかでしたね。「敵ながら天晴れ!」的な。熊谷なり海堀には「喝っ!」なのかもしれませんが、あんまり「アッパレ!」とか「喝っ!」とかいうとダルビッシュに叱られるかもしれないので自粛。

その後は、‘中盤でクリーンに激しく’という、女子サッカーの醍醐味ともいえる光景が、緊張感溢れるなかで展開されていて、第三者的にサッカーという競技を純粋に楽しんでいる層にとっては、ヨダレがダラダラこぼれ落ちるような試合になっていたかと思います。

韓国の追加点は後半に入ってから。スローインからの流れで、簡単に14番のクォン・ハヌルが抜けだしゴール前での数的優位を作ると、大外を走り込んできたチ・ソヨンが、この日2得点目のゴールでなでしこを突き放します。韓国女子代表から見れば‘思う壺’な展開に、なでしこは引きずり込まれてしまいました。まさに蟻地獄。勝負事ですから、どうしても、こういう、技術力では説明不可能な展開が発生することがあります。

尤も、「技術力では説明不可能」と言いましたが、韓国女子代表の戦術は割と説明できるかもしれません。岡田JAPAN時代にJリーグを席捲していた‘ハイプレス&ショートカウンター’のサッカーですね。最終ラインと最前線の距離感が異常なほどにコンパクトで、運動量が続く限り、相手にプレーをする空間を与えない、そんなサッカー。

こういうサッカーが機能する要諦には、運動量が低下するまでに‘自分たちのペース’に引きずり込むことだと思いますが、この日の韓国は、それができた。それができた理由は、多分に偶発的な先制点の影響が大きいでしょうが、やはり運動量が後半20分くらいまで落ちずにコンパクトさを保つという、いかにも東アジアの稲作民族っぽい勤勉性による部分も小さくないでしょうから、論理的な帰結と言えなくもない。

阪口が左サイドに展開してからの流れで、大儀見が裏に抜け出し、宮間に戻す。宮間のミドルシュートは相手に当たってバー直撃。跳ね返りに大野は届かず。しかし川澄が収めて大儀見に。大儀見のシュートはキーパーに阻まれましたが、こぼれ球を再び大儀見が押し込み、意地の1点を返します。その後も菅澤のポスト直撃弾など、猛攻を続けますが‘根性vs根性’の構図となると、スポ根世代ならいざ知らず、バブル以降の日本人には厳しい。The‘こんなはずじゃなかった’との結末を迎えてしまいました。