運命に翻弄される選手たちの周辺をウロウロと…2013年シーズンのJリーグを振り返る・選手の群像

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■代表に選ばれない選手たち[横浜FMvs広島(10月19日)]

拝啓、半年後か一年後かそこいらの自分さん。その頃の日本代表は元気ですか? 今の日本代表はコンフェデ杯から東欧遠征にかけての絶不調が続いて、ザッケローニ解任論が騒がしいです。そして、そんな中で中村俊輔待望論まで出ています。尤も「中村俊輔待望論」というより、「中村俊輔闘莉王や楢崎など、ザッケローニにテストされていないベテラン待望論」といった方が正確なんですけど。

それにしても中村俊輔ザックジャパンに縁がないですね。闘莉王もそうですが、キャリアの後半に入ると、監督に冷遇されることは、まま、あることです。でも、まだ中村俊輔はワールドカップに2回も出ているのでマシです。そんなことより、この試合の相手チームには、もっともっと縁のない選手がいます。それはエースの佐藤寿人。この選手は歴代の代表監督に、ほんの少しずつチャンスを与えられてながらも、ついには定着できませんでした。順調にいけば、「10年連続二桁得点をあげ、得点王にもMVPにも選ばれながら、海外にも移籍せず、ワールドカップにも出場しなかった選手」になりかねません。

それでも、それでも、佐藤寿人は、まだ恵まれています。だって、少ないながらも、一応、代表には選ばれましたから。広島には、実力がありながら、一切、代表に召集されない選手もいます。それが森崎和幸。この選手も、何度かの長期離脱を経ながらも、10年以上に渡って広島の屋台骨を支えてきました。常に‘Jリーグ屈指のボランチ’であり続けていると言えるでしょう。

にもかかわらず、まあ、代表には選ばれない。なんというか、「同世代あるいは近い世代に同じポジションの良い選手がたくさんいて、それらの選手に比べるとなんとなくパンチに欠けるから代表候補にならない」という雰囲気が往年の藤田俊哉に近い。この選手がブルーのユニフォームに袖を通すことはあるのだろうか。。。

佐藤勇人と工藤[ジェフ千葉vs京都サンガ(9月15日)]

最近は、一時期ほど、「移籍していった選手には、なんでもかんでもブーイング」って雰囲気ではなくなりましたよね。よく、「ヨーロッパでは、出て行き方によってはブーイングをするかしないか決めるのに、日本では戦力外でチームを去った選手にまでブーイングをする」と批判されていました。数年前から、そのあたりの風向きが変わりはじめて、川崎みたいく、逆に「なんでもかんでも拍手」みたいなサポーターもいます。これはこれで日本人らしくて悪くない。

そうとはいえ、やはり残留(契約延長)要請があったのに、それを押し切って移籍した選手に対しては、度を過ぎない程度ならブーイングで迎えるというのも御一興。この試合における、工藤に対するジェフサポーター、佐藤勇人に対するサンガサポーターの態度は、そういうものでした。この両チームの因縁は、ヘンテコな社長さんの影響でジェフが完全内部崩壊したときに佐藤勇人がサンガに移籍したことから始まります。それから数年間、佐藤勇人は京都の看板選手として活躍するわけですが、古巣が凋落する姿を傍観できずにジェフに復帰。そうしたら、今度は工藤がジェフからサンガに移っていった。偶然なのか必然なのか。

佐藤勇人と工藤って少し似てますよね。ともに‘走りながらのプレー’に長所がある。いかにもオシム好みの選手。で、京都の大木監督は、オシムが日本代表を去った後の岡田ジャパンのプレーン。ということは、オシムと大木さんのサッカー観には相通じるところがあるんですかね。だから、オシムか重宝した選手を大木さんも必要とする、みたいな。尤も、オシムが「人もボールも動くサッカー」なのに対し、大木さんは、どちらかというと「ボールは疲れない」系のサッカー観のようにも思われるんですが、似ているような気がしないわけでもないような・・・よく、わかんないや。

■レギュラー半だった選手たち[柏vs新潟(9月28日)]

この試合では、最近まで長い間、‘レギュラー半’みたいな位置付けでずっとやってきた選手、ブレイクが期待されながらも、あともう一歩が足りないまま、中堅というか、ベテラン手前まできてしまった選手の奮闘が目立ちました。

その筆頭格が新潟の成岡。この選手は飛び級気味にオリンピック代表に呼ばれたりして、「ジュビロの黄金期メンバーからバトンを引き継ぐのは、この選手!」みたいな期待をかけられていましたが、まぁ、ブレイクしない。同じような感じでジュビロに入団した菊地ともども、「全くの期待外れではないが、期待通りでもない」という扱い。ともに器用貧乏で、ポジションを固定されづらかったことが幸いしたのか(菊地については、まあ、アレですけど)、〈都合の良いバックアッパー〉止まりでしたが、新潟に移籍してから、2013シーズンはバリバリのレギュラーとなってましたね、2列目右として。

ちなみに新潟には、もう一人、成岡キャラの選手がいます。そうですね、大井選手ですね。この選手もジュビロ時代はくすぶり続けていました。「いつまで、鈴木秀人田中誠に頼ってんだ」みたいな。というか、あの頃のジュビロは、ホント、若手が育たなかった。西とか高原とか福西とかまでは育ったんですけど、その次の世代が続かなかった。前田も独り立ちしたのは、ジュビロが‘あの頃’じゃなくなってからですし。ともあれ、そんな大井も新潟ではスッカリ逞しきディフェンスリーダーに。この辺も柳下さんの影響なんでしょうか。

ちなみに柏にも、狩野という「プロデビューしたクラブでは、大きなった期待をされながらもブレイク仕切れなかった」キャラが出場していましたが、こっちは、相変わらず「気がつけば消えている」キャラのままでしたね。後半、442になってからは、それなりでしたけど。