ロンドン五輪アジア地区最終予選の周辺をウロウロと…

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そろそろ世間もロンドン五輪モードになりつつありますね。猫さんとか。まずは何はともあれ別館4thDayMarketCentreの宣伝をば。

町田ゼルビアの布陣には法則性がある、とかなんとか言っちゃって。町田vs北九州(05月03日)、その1

この日の北九州は七色の変化球にあらず、とかなんとか言っちゃって。町田vs北九州(05月03日)、その2

試合のレベルを決めるのは観る側の都合による、とかなんとか言っちゃって。町田vs北九州(05月03日)、その3

■日本代表 2 vs 1 シリア代表(11月27日)

日本が浜田水輝のヘディングで先制し、なかなか追加点を奪えないまま後半30分を迎えたところで同点に追いつかれ、最終的に大津の魂のゴール(要は、カラダを投げ出したゴール)で、どうにか勝ち点3を積み重ねた試合ですね。

シリアと言えば中東、中東と言えば堅守速攻、なんてイメージが1990年代から2000年代にかけてありましたよね、サウジアラビアら辺を中心に。この試合のシリアについても、そんな簡単に大量得点はできないであろう守備を見せてくれました。特に、最終ラインは右SBの3番の選手が、大津の動きにつられてか、そもそもそういう約束事のある守備戦術をとっていたのか、ともあれ中に絞りがちで、そのスペースに8番が降りてくることで、日本のアタッキングが遅攻になると、5バック気味に中を堅めてきました。

その分バイタルエリアでのプレッシャーが緩くなって、その高さでのサイドチェンジはスッパスパ通っていました。また、12番と17番のWボランチは比較的ルーズなプレスしか掛けなかったこともあり、アタッキングサード入り口付近で、日本代表の華麗なパスワークが何度も発動され、日本代表を応援しながら観戦する身としては愉快なシーンが多く見られましたね。

一方、シリアの攻撃。いわゆる先入観ってヤツで、試合が開始して暫くはアナさんはじめ放送陣は、やたらと「シリアと言えばロングボールをどんどん放り込んできます!」とか、「カウンターには注意しなければなりません!」みたいな注意を喚起していましたが、別にそれほどロングボールに特化しているわけでも、なんでもかんでもカウンターから素早い速攻を志向していたわけでもなかったと思います。

しっかりディフェンスラインから繋いだパスワークを繰り出すこともあれば、7番と8番を中心にしたドリブル突破などの地上戦で日本守備陣をペンペンにするシーンも少なからず見受けられました。

ただ、シリアの10番、アルスーマの存在感が凄すぎて、「ロングカウンターとカウンター」の印象が強いのかもしれません。「ロングカウンターとカウンター」が多いのではなく、「ロングカウンターとカウンター」の威力が遅攻よりも優れている、という感じでしたでしょうか。そういう意味では名古屋のサッカーに近いのかもしれません。アルスーマをケネディに見立てれば、だいたいイメージが湧くかと。

ちなみアルスーマ、「銀幕のスター」というか「昭和の男前」みたいなルックス。パッと見ではフィーゴに似ているのかなと思ったのですが、見れば見るほどインスタントジョンソンの「すぎ。」にソックリです。ちなみに日本代表で言えば比嘉って、なんとなくオレンジレンジにいそうな顔立ちじゃないですか?「誰に似てる?」と問われれば「オレンジレンジの誰か」って感じです。そんな比嘉君、少し「大学なら通じるけど、このステージじゃ軽すぎるでしょ!」ってプレーが目立ちましたので、そこんとこ改めて欲しいですね。

■シリア 2 vs 1 日本(02月05日)

学生時代に球技系の部活をそれぞれなりに一生懸命やっていた方々なら分かると思いますが、球技というのは基本的に「流れ」のスポーツですよね。

で、その流れというのは、なかなか選手や監督、要するに人間にはコントロールするのが難しい(多少なら人為的に操作できる)。ほとんど神様の活躍範囲です。特に、試合開始直後に、どのような「流れ」が発生して、どんな雰囲気の空気がピッチの中で流れ出すかは、最初の笛がなるまで、さっぱり予想できないわけです。

なので、とりあえずは様子見をしながら、自分たちの空気が流れ出したり、あるいは、いつもの雰囲気を捉える

のを待つことになるわけですが、時々、何故だかサッパリ「いつもの感じ」にならない試合があります。この試合の前半戦は、日本にとって、まさにそんな感じだったでしょうか。

このあたりの世界観は、レギュラーとして球技を真剣勝負の中でそれなりの試合数経験したことのない人には理解できないと思いますが、やっている本人たちにとっても、ここが最も摩訶不思議で、釈然としない部分だったりします。なので、この試合に関して、「選手の気合いが足りなかった」という批評は、基本的に的外れだと思います。試合中における風の吹き回しというのは、気合いで何とかなるほど単純なものではありません。

ただし、とはいえ、この試合において日本代表の選手たちにメンタル面での未熟さがなかったかといえば、そうとは言いきれない。

つまり、ピッチに流れる空気感が「あれ、こんなハズじゃないぞ」ってときにこそ、精神的なしたたかさ、語弊を恐れず言えば「ふてぶてしさ」が問われるわけです。アップアップしていても、余裕綽々を装うことが、自分たちの流れを強引に引き込む必要条件だと思うのですね。

純化するなら、相手に押されている中でも、或いは自分たちの本来のパフォーマンスを表現できていないときでも、「結局、オレの方がお前ら(=相手)より上手いし」みたいな態度でプレーが出来るか、そういうのが重要だということです。

例えば、同点に追いついた後半は、予選トータルで見た状況としては日本が上位にあった。その状況下、相手の決定機を山口蛍選手が危機一髪でクリアするという場面がありました。このとき酒井選手が「グッジョブ!」みたいな声を掛けたのですが、その際、0.2秒でよいので、山口選手が「当たり前でっせ、わてに任せときなはれ」みたいな表情を作れたら、それくらいの余裕を周囲に表現できれば、もう少し日本のペースを作れたでしょうし、結果も異なっていたかもしれません。