若さのせめぎ合い〜広島vs甲府(3月15日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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「もはや、そこは中国山脈だろう!」ってところにグランドがあるサンフレッチェと、「これを盆地と言います!」ってな地域の雄であるヴァンフォーレの試合を見に、はるばる広島へ。ただいまバカンス真っ最中。

■前半

平日のナイトマッチですから、そりゃ、もうルヴァンカップなわけですよ。しかも初戦。ありがたいことに初戦からルヴァンを配っていただきました。さすがヤマザキさんは太っ腹。ランチパックが黙ってないわけですが、そんなことよりも、もうね、初戦ですから、J1クラブ同士の対決だというのに、思わず「誰やねん!?」と叫びたくなるようなメンツが名を連ねていたりします。サポーターの皆様的には期待の若手が見られるということですけど。

それにしても、ここ数年はすっかり、「ナビスコカップルヴァンカップ)初戦は、大幅にスタメンを入れ替える」というのがデフォルトになってきましたね。まるで、各チームの監督さん同士の間に紳士協定でもあるかのごとく。それもこれも、J開幕当時の元老が失脚したことで、生類哀れみの令だの治安維持法だのと並び称されるベストメンバー規定が、事実上の骨抜きにされたから。ほんと、天下の悪法でしたからね、なくなって良かった良かった。

バスケット界隈で再び名誉を回復しましたけど、末期川淵体制はひどかったっす、いま思い出しても。一歩間違えば、「サッカー少年たるもの、毎朝、教育勅語を斉唱せねばならぬ」なんてことさえ言い出しかねなかった。その分、政権の援助が貰えるとかがあるのもしれませんけど。まあ、そんなことはどうでもよい。とにもかくにもフレッシュな顔合わせでしたが、個人技においては広島が優勢でした。高橋や宮吉のスピードとか、森島のテクニックとか。

その一方で、組織やらパスワークやらといった部分では、もちろん、局面局面に限っていえばですけど、甲府が圧倒する場面もチラリホラリ。甲府だって、急造感を否めないスタメンの組み合わせだったのですが、組織的なパスワークを整理させたら、甲府監督の吉田さんは、さすがってことなのでしょう。柏のユースを率いていたころから「矢印を作れ」を合い言葉に、選手のパスコースを作る技術を徹底的に伸ばしてきた指導者ですから。

■後半

後半に入っても、試合はさほど動きません。どちらも、きちっとトレーニングされていることは伝わってきて、意図のあるプレーをしていました。その一方で、意図はあれども、技術面が追いつかない未熟さも目立つ。そんな応酬。一番の見所は、広島の最終ラインによるキーパーも含めたパス回しが、加藤順大が正キーパーだった頃の時浦和を思い出させるくらいに危なっかしかったところでしょうか。まるでサーカスを見ているみたいで、違う意味でエキサイティング。

「こりゃいかん」と森保監督が感じたかどうかは定かではありませんが、ほぼ時を同じくして、最終ラインに千葉ちゃんこと千葉和彦を投入。何故かリベロ起用されていた丸谷が一列上がって、これ以降は落ち着きを取り戻します。それにしても千葉ちゃん、いや、ちばチャン、ジェフのスポンサーを降りたとか?? あの舟盛状態のクレイジーな唐揚げ、これまでに2回ほどオーダーしたことがあります。どちらのときも5〜6人いたので、ペロッと平らげましたよ。

初老か居酒屋で不健康した話などどうでもよいのです。言いたいことは丸谷が危なっかしかったってこと。この選手が、「うそ〜っん」っていうようなパスミスとか、驚異的な判断の遅さを披露したりするとかはデフォルトなんでしょうか。たまたま、この試合が、そういう日だっただけかな。ともあれ、さらに中盤に青山も投入され、去年のレギュラーボランチコンビが再結成されると、気づけば甲府は自陣に釘付けとなります。それでも、そういうときこそ粘りきれるのが甲府のDNA。結局、スコアレスドローで終わりました。

■日本代表への推薦状

□推薦者

・森島司

□推薦理由

読者の御諸賢はすでにお察しのとおり、四中工出身でございます。小林颯とか中田一三の甥とかとともに、それなりに結果も残しましたね。小林颯はどうなったんだ? 大学に進学したという噂は耳にしましたが。そんな森島司、サンフレッチェ広島に入団して、29番を与えられました。四中工出身で広島の29番。ポジションこそ違えども浅野琢磨と同じコースを歩んでいるわけで、クラブの期待が伝わってきます。田村翔太も頑張れよ。

ワタクシが幼い頃、おじいちゃんおばあちゃんと同居しておりましたので、ごくまれにテストで良い得点を取ると「末は博士か大臣か」なんてことを言われたりしました。こういう言い回しが今でも使われているのかどうかは存じませんけど、森島司的には「末は遠藤か憲剛か」って感じでしょうか。この試合を見ている限りにおいては、遠藤というより憲剛に近いですかね。まだまだ、その域には遠く及んでおりませんが、期待せずにはいられません。