勝負を決するあれやこれやの周辺をウロウロと…2013年シーズンのJリーグを振り返る・サッカー界を彩る諸要素

                                  にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村

・・・基本的に、このシリーズは木曜日にアップしているのですが、なぜか本日土曜日に。別に他人様に自慢できるほど忙しかったわけでもなく、ギックリ腰やらインフルエンザやらで動けなくなっていたわけでもなく、無為な毎日を過ごしているわけですが、、、びっくりするほどスポーンっとブログのことが頭の中から抜けておりました。。。まぁ、恵比寿から赤羽に行こうとしたら、なぜか西大井にいたりする管理人。ままあることですな。というわけで、木曜日にアップしたテイの日付でのエントリー・・・

■パスサッカーによる縦ポン[横浜FCvs熊本(4月7日)]

この試合、後半の攻防を見る限り、熊本は柔軟なサッカーを志向し、横浜FCはショートパスを多用するサッカーを目指しているように思われました。しかし、ある時間帯までは、パスサッカーをしたいはずの横浜FCがロングボールを多用するという、望んでいないはずの状況が現出していました。

この前日に、テレビでFC東京vs大宮の試合を見ていて、そこでも、やはりパスサッカーを志向しているはずのFC東京が、横浜FCと同じ状態に陥っておりました。どうやら〈パスサッカーを目指すチームほど縦ポンが増える〉という法則がありそうです。

で、その理由を考えてみたところ、大きく2つほどありそうです。1つには、そういうチームは最終ラインにも丁寧な繋ぎを要求するからこそ起きるというものです。FC東京の場合、森重など最終ラインにも足下に優れた選手がいますが、彼らキックの精度が高いので、かえって一撃必殺の縦ポンが増えてしまう。

逆に横浜FCの場合、最終ラインからビルドアップできるレベルに至っていないのに、それを追求するから、なかなかパスが出せず、手間取っているうちにブロックを形成され、結果的にロングボールに逃げるしかなくなるのかな、と。

もう一つの理由は、パスサッカーを志向するチームの場合、〈相手が嫌がるプレー〉を追求しようとする。臨機応変に状況を読んで、最も効率的なプレーを目指す。カウンターのチームはアタッキングサードまでは、ある程度、約束通りにボールを運ぶ方程式を作りますが、比較の上で、パスサッカーのチームは、方程式よりアドリブを好む。その結果、攻めるのが遅くなり、相手がブロックを形成したがゆえに、ロングボールに頼るしかなくなる、と。

いずれにせよ、〈パスサッカーを目指すチームほど縦ポンが増える〉という法則が存在するとしたら、なかなか皮肉なことですね。

■見え見えのクロスについて[千葉vs山形(6月1日)]

この試合を見ていて、特に前半、非常に特徴的だったのは、山形はシンプルにクロスを上げて、シンプルにシュートを撃っていたのに対し、ジェフは精度の高い攻撃で相手を崩そうと、攻め直しを重ねたり、最終ラインで出しどころを探し続けたりしていたところ。そして感じたのが「見え見えのクロスを躊躇せず入れていくのも、1つの勇気だよな〜」ということです。

技術に優れたチームは、得てしてパスサッカーを指向して、そういうチームは「単純なクロスでは跳ね返されるから、工夫が必要」という部分を強調する。ただ、そうやって工夫して崩すことばかりに注力されると、横パスをかっさわれたり、途中で出し手なり受け手なりにミスが出て、結局、シュートはおろか、ラストパスさえ出さずに攻撃が終わってしまう。逆に、シンプルにクロスを入れれば、簡単に跳ね返されるかもしれないが、最低限の攻撃はやり切ったことになるから、全体のリズム感は向上する。

でも、結局は跳ね返され続けるから工夫が必要になって、「次のステップとして、攻撃のアイデアを豊富に!」ということになって、なんだか無限ループ状態へと誘われてしまうわけですが、このあたりは、一試合の中での使い分けとかメリハリが大切になってくるのかなぁと。つまり、京都にしてもFC東京にしても、そういう、こねくり回し系のチームにとっては、「前半はシンプルなクロスを辞さずにリズムを作り、後半になってから‘こねくり回し’を解禁する」みたいな使い分けを上手にできるようになれば、勝負強いチームになれるのかもしれません。

■審判問題[横浜FCvs愛媛FC(05月12日)]

どこの国のリーグでも、永遠に解決することのない課題として常にやり玉に挙げられるのが、審判の問題です。人間が裁く以上、ミスジャッジを無くすことはできないわけで、そういうことがあるたびに「Jリーグは審判のレベルが低い」と難じれてしまいます。

ワタクシ個人の意見としては、(‘日本代表’というお祭りを除いて)サッカーという競技の日本社会における浸透度、産業構造としての成熟度を鑑みると、そうそう優秀な人材が有り余るほど審判業に従事してくれるとは思えず、「仕方ないかなぁ」とか「〈収益や名誉というプラス〉と〈クレームというマイナス〉を比べると割に合わないよなぁ。お疲れ様です」とか、そういった結論になるわけですが、それはさておき。

ただ、個人的な印象としては、「審判のレベルが上がっていない」という意見が溢れていることを承知の上で、「着実に審判の質は向上している」と感じています。と、言いますのも、審判批判については、「ミスジャッジ」「ゲームコントロールの拙さ」の大きく2つに分けられると思いますが、前者は相変わらずのように気がするものの、後者については、かつてのIさんやNさんみたいに「頭に血が上ってカード乱発」とか「上から目線で威圧的に選手の発言を遮り、勢い余って、‘○ね’と言ってしまう」みたいなことは確実に減少した。カードの基準だけはブレさせずに、選手とのコミュニケーションを重視する姿勢は、着実に向上していると感じます。

それだけに、この試合の主審さんは残念だった。1試合を通じて5枚のイエローが出たのですが、そのうち3枚は、後半25分前後の5分間で出たもの。イエローデフレが発生していました。イエローって一度出してしまうと、どうしてもデフレが起きるんですね。安くなる。そこには最大限の考慮が求められると思うのですが、ちょいと、その辺が不用意だったかなぁと感じられました。