膠着した時間帯もあるにはあったんですよ〜柏レイソルvsコンサドーレ札幌(6/3)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□Jリーグ追加参入組対決

レイソルコンサドーレ、共通点を探すとレイソルの親会社は日立で、コンサドーレのルーツは東芝にありますね。家電対決です。今回、改めてウィキペディアで調べてみたら、コンサドーレのルーツは東芝とはいえ札幌工場があるとかそういうことではなく、東芝堀川町サッカー部が移転したそうな。東芝堀川町サッカー部の本来の所在地は神奈川県川崎市幸区堀川町だそうです。

他に共通点を探すと、両チームともJ2を経ることなくJ1に初参入してます。といっても飛び級とかではなく、それぞれがJ1初参入した1995年と1998年には、そもそもJ2がなかったという話なのですが。そういう意味では両クラブともオリジナル10に準ずる存在ともいえます。さらに加えるとどちらも石崎さんによってJ2からJ1復帰に導かれているという点でも共通します。それにしても石崎さん、生涯一Jリーグ監督ですね。頭が下がります。

 

□ホコタテ対決のはずだったのですが

さて、柏はこれまで3回J2降格を経験していて、一度は石崎さんによって復帰、そして残り二回を復帰させたのが、これまたベテラン名将のネルシーニョです。そのネルシーニョ体制もさすがに時代の変化(あるいは時代の変化に伴う選手の気質の変化)へのアップデートが追い付かなくなり終止符が打たれました。跡を継いだのは井原さん。井原正巳体制とは、言うなれば盾の体制です。

アウェイの札幌も長期政権。ミハイロ・ペトロヴィッチが率いておりますが、ミシャの特徴は、攻撃に注力するあまり内容は不安定になるが、トータルとしての年間勝ち点獲得はそれなりに安定するところにあります。厳密にいえば自分たちの攻撃に限ればクオリティも安定している。そう、ミシャのチームは広島であろうと浦和であろうと、常に攻めダルマ。すなわちミシャ体制とは鉾の体制。簡単に要約するならば、井原レイソルvsミシャ札幌の対決は、極めてわかりやすいホコタテ対決のはずなのです、というか、はずでした。

 

□スコアはともかく札幌が圧倒

さてオンザピッチ。札幌のスターティングポジションは例によってよくわからない。攻撃時に現れる現象だけを捉えれば、岡村と中村が最終ライン担当で菅とルーカスが左サイド、田中と金子が右サイド、小柏と浅野が最前線にいて、その下を広範に駒井と荒野が動き回る感じ。……もはや442なのか?ともあれ「誰がどこに」にはあまりこだわらず、「どこに何人いなければならないか」が重視される独自進化を遂げたガラパゴス的ポジショナルスタイル。

そんな札幌が前半はとにかく柏の守備をチンチンにする。まずは荒野のミドルで先制します。崩してトップに入れて、その戻りを走り込んでドッカン。20世紀のウイイレでワタクシが得意としていた形ですね。その後も札幌が攻めたてる。面白いように大外がフリーになり、面白いようにインからアウトへのロングパスが通る。そして、しっかり崩した形から駒井が2点目を決めると、さらにミドルシュートのこぼれに小柏が詰めて前半だけで3点目。

……でもね、実は柏も2点取ってるんですよね。丁寧に整序されたカウンターから戸嶋が1点返し、さらにイケイケが過ぎる札幌のコーナーキックを裏返して文字通り独走した小屋松が超絶シュート技術で決めた2点目。スコアだけなら1点差。……内容的にはチンチンですけどね。でも1点差。それがミシャクオリティってな前半戦となりました。

 

□最終的にはバカ試合

現在新たな井原戦術を植えつけている最中であろう柏は、なかなか相手に合わせて準備ってのが出来ないのかもしれませんが、そもそもの戦略にミスがあったかも。相手が入れ替わり立ち替わりで攻めてくるのだから引いてゾーンで守るってのはわかるのですが、ならば相手の枚数に合わせて5枚にしないと大外がフリーになりますし、Wボランチに構えて守るアンカータイプを2枚並べれば、ますますドン引きになって、相手のパスの出し手を自由にしてしまう。つまり大外をフリーにした上で、かつ、そのフリーの選手へのパスも出し放題にしてしまっていたわけです。ゆえに後半開始とともに5122にして、「5」で横幅を、「22」で出し手をケアすることで息を吹き返したのも必然。果たして、ある程度イーブンの状況を作れたことで、がぜん生き生きとした細谷が同点弾をゴールを決めました。

……ここまでは良かったんですけどね、ここから試合は膠着状態に。そしてその均衡を破ったのは札幌。コーナーキックの跳ね返りが金子の前に転がると、金子は無心でというか、リラックスしてというか、適当にミートさせたシュートを放つと、それがたまたま見事に決まった感じのゴールで札幌がリードを奪い返します。となると柏は諦めムード……とはならずロスタイムに入ったか入らないかくらいの土壇場に、途中出場の武藤雄樹が「目には目を歯には歯をコーナーにはコーナーを!」とばかりに押し込んで柏が追いついて見せました。で、さすがにこれでドロー決着かと思ったのですが、再び攻撃に人数をかけた札幌はさすがのミシャイズム、オフサイドをVAR&オンフィールドレビューで取り消させて決勝ゴールをもぎ取りました。殊勲は田中駿太。

もうね、バカ試合でしたけど、見ていて面白くはありましたよ。