ジャイアントキリングであって、ジャイアントキリングにあらず〜G大阪vs法政大学(8/14)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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いや、ですね、この試合のチケットを買おうと、一般発売日当日か、その数日後くらいにJリーグチケットを覗いてみたら、その時点で売り切れだったのですよ。慌てて、ローソンチケットとか、他の窓口を探ってみたところ、セブンチケットでは購入できた。「うん? 天皇杯は独占販売とまではいかないまでも、セブンチケットの割当が多いのか?」とか考えたのですが、最終的に「チケットは完売しました。当日券の販売はありません」とアナウンスされたので、チケットが大量に売れたっつう話。

「じゃあ、誰が買うんだ? 川崎が等々力でやっても一万人いくかいかないかだったぞ」ということになり、「はは〜ん、法政大学が同窓会やらOB会やらの鉄の結束で買い占めたのか?」と想像してもみた。いや、違った。シンプルにガンバサポが、我が心のマイホームスタジアムこと‘hills of west’をジャックしてしまったということでございました。

 

それにしても、なんであんなに大挙して訪れたんだ? 2回戦でカマタマーレ相手にホームで戦ったときの観客は3500人。パナスタで3500人。じゃあ、アウェイで、かつ、相手は大学生なんだから、法政サポ含めて、せいぜい2000人くらいのものではないのか? やっぱりお盆だから? ガチ平日でなく、夏休みの、しかもお盆だと、こういうことになるのか?

それとも、この1ヶ月のチーム状況の進捗を鑑みて、「天皇杯が最も現実的に狙えるタイトル」という意識が急速にサポーターの間で共有されるようになったっていうこと?確かにリーグで優勝したり、ACL圏内を狙うには、何らかの‘覚醒’が発生しないと厳しいかもしれない。でもルヴァンは残ってますよね。つてことは、「オレたちには天皇杯しかない!」という状況ではない。……結局、「お盆スゲぇ!」、ないし、「西が丘、公称に比べて実体的な収容力はメッチャ少ないぞ!(有名な話)」ということなのでしょう。

 

この試合の目玉はFW遠藤だったでしょうか。スタメン表を見たときは遠藤インサイドで鈴木が左、福田が前線かと予想したのですが、鈴木インサイド、福田左の遠藤前線でした。で、遠藤がFWなのだから、エセ9番なフリーマン的になるのかと思いきや、わりとポジション遵守傾向にありましたね。ときどき低い位置まで降りていきましたが、基本的に相手最終ラインとセントラルで駆け引きする当番。せっかくの遠藤、なんだかもったいないなあ、という印象を否めない。

対する法政大学は武骨なカウンターを繰り出しまくりです。天皇杯でカテゴリーの違うチームが対決したときの、格下の側がよくやる、いつものパターンのカウンターサッカー。少ない手数で迷うことなくシュートを打っていく、みたいな。それから、これも格下の側の常道なのですが、守備とかトランジションとかが、とにかくハイインテンシティ。法政の場合、運動量が凄いというより、強度やカラダを張るとか、そういうところでガンバの華麗なテクニックに対抗しておりました。

 

で、そんな愚直さが天に届いたのか、法政大学が先制してしまいます。ガンバのハーフコート状態だったのは間違いないのですが、法政の6番のミドルシュートが突き刺さってしまったのです。迷うことなくシンプルにやると、こういうご褒美がありがち。リードされたG大阪は、総攻撃状態を法政に浴びせかけなければならないのですが、どうにも歯車が噛み合わない。歯車が噛み合わないというよりも、そもそも論としてG大阪の攻撃力を法政の守備力を上回ったという印象の前半戦でございました。

後半に入ると、G大阪は遠藤をアンカーに配置転換して構成力を高めようとします。したんだと思います。けれども、全く効果なし。キムヨングォンのところでしかボールを持てず、手を替え品を替え、宇佐美やら倉田やらアデミウソンやらを投入しても、結局は、キムヨングォンがパスの出しどころを探しノッキングするを繰り返すだけ。法政に決定的な2点目を許すと、ほぼ何も抵抗できないまま、シンプルな「実力負け」を喫してしまいました。

 

そんなわけで法政大学がG大阪を下した1戦となりました。この試合はもはやそういう感じでもなかったですが、一般的にこういうのを“大番狂わせ”とか“大金星”とか“ジャイアントキリング”とか言いますよね。台風の目になりつつある法政大学を見ていたら、「ひょっとして大学って、ジャイアントキリング向き?」とか思ったりしました。というのも、大学の体育会って、要するに軍隊的なわけですよ。儒教社会の論理を極言にまで純粋化した年功序列社会。

で、軍隊的であるから、とりあえずフィジカルは鍛えられているのですよ。大学サッカー部の連中って、場合によっちゃプロよりゴツい。だからインテンシティで引けをとらないし、軍隊的であるから、「何も考えず、とにかく突っ込んでこい!」ってのを抵抗なく遂行できる。ジャイアントキリングを起こすのは、いわば鉄砲玉集団による“一兵卒サッカー”であることが多く、その“一兵卒サッカー”と大学の体育会って、とても相性が良いのかもしれない、なんてことを考えさせられた西が丘の熱帯夜でございました。