天皇杯らしい一戦〜湘南vs国士舘大学(6月21日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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湘南と国士舘、う〜ん、共通点といえば、たぶん国士舘の多摩にあるキャンパスは神奈中バスだと思うのだが。。。

■前半

やっぱり天皇杯ですからね、そこかしこに天皇杯らしさってものが転がっている。例えば、それは試合開始前の選手紹介だとか、煽りだとかのそっけなさ。ただただ機械的に選手の名前がアナウンスされていく世界に出会えるのは、もはや天皇杯くらい。90年代のJリーグは、わりと機械的だったんですけどね。そして、ピッチに目を移したときの天皇杯らしさといえば、毅然とした姿勢で表現される弱者の戦術。ジャイアントキリングの背景には、必ずこれがあります。

 

 

要するに、国士舘大学ベルマーレとの相対関係において弱者になるわけですから、そういう戦い方をするのですね。大学生らしく教科書に忠実な442から、しっかりと意思統一された、「訓練の賜物です!」ってばかりのカウンターが発動される。ただ、決して卑屈ではない。「余計な色気を見せんじゃない!」って雰囲気ではなく、かなり強気なクサビをガシガシと入れていて、なかなか素敵でしたよ。出す方も受ける方もビビってなかった。

 

 

対する湘南ですけど、湘南としては格下相手の戦いとなる。個のクオリティという意味では、どうしても「ヒリヒリする!」ってシチュエーションにはならない。そうすると、火事場のナントカと言いましょうか、なかなか第六感的なもの、極限の緊張感だからこそ発現するようなインスピレーションが湧いてこないんだと思います。往々にして、「格下相手こそ難しい」なんてことが言われますが、それはつまり、こういう部分なのではなかろうか。

 

 

そんなわけで、自然界に普遍の法則であるかのごとく、格上のベルマーレは苦戦するのですよ。まあ、序盤は藤田のポストワークがあまり上手にできていなかったってのもありそうですけど、ともかく、攻め倦ねる。そうなると、チョウ監督としても手をこまねいているわけにはいかないので、あれこれ施します。具体的には、システムを前半途中から変えてきました。キックオフのときは3421だったと認識してますが、気がつけば433になっていたかと。

 

 

 

■後半

 

後半は国士舘が隠していた牙を剥き出しにして、湘南ゴールに立ち向かいます。号砲となったのは、後半途中からピッチに送り込まれた松岡の、おそらくファーストプレー。いきなり勢いよくシュートを放ちました。惜しくも決め切れませんでしたが、ここから国士舘のカウンターが面白いように機能します。湘南守備陣はしのぐが精一杯って感じに。「さすがはプロ、ギリギリのところは許さないなぁ」と思わせながら、当人たち的には、内心アタフタしていたのではなかろうか。

 

 

特に、湘南から見て左サイドがホットスポットで、湘南は4バックといっても、実質的に2バック状態になることも多く、攻撃的な位置取りをする左SB石原の裏のスペースを国士舘の14番大石が何度も突いていきます。この選手、スピードがあるのか、あるいはアジリティーとかキレがよいということか、石原的にはきりきり舞い。しかも、判断がシンプルなんですよね、大石。こねくり回さず、確実に“やりきる”ってところも好印象でした。

 

 

とにもかくにも後半は国士舘が圧倒しつつも、ベルマーレもプロの意地を示しゴールを許さず、延長へと突入します。一応、都民なワタクシ、延長戦のあと平塚駅まで戻り、そこから上野東京ラインやら湘南新宿ラインやらに乗るわけですから、いったい帰宅は何時になることやら。そんな心配をよそに、試合は進む。夜9時を過ぎたら、鳴り物での応援はしちゃいけないらしく、ベルマーレサポーターも、国士舘の補欠部員たちも、手拍子と歌声での応援となる。

 

 

延長戦になると、さすがに湘南が押し込む。神谷がボランチに落ちてゲームメークし、杉岡とか端戸とか、レギュラークラスの選手も立て続けに投入。国士舘としても気合いと根性でどうにかこうにか跳ね返しますが、疲労は隠せず、プレーの精度がガクンと落ちる。そして、トータル110分くらいのところで、気力を振り絞ったカウンターをカットされるや、湘南のカウンター返しを浴びせられ、ついに力尽きました。白熱したグッドゲームに大満足です。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

・安藤輝

□推薦理由

なんとなく名前を知っているような、でも、よくわからないような。ってことでスマホで調べてみたところ、レンタルでの武者修行を繰り返しているらしい。福島とか金沢とかでプレーしていたのを見たのかもしれません。そんな安藤、なかなかのユーティリティですよ。スタートは3バックの右だったと思いますが、前半途中に4バックになってからは坪井(あの坪井です)とセンターバックコンビを形成。2CBの右を如才なくつとめあげます。

 

 

後半になると山根がCBとして投入されると、1列上がってアンカー。3つ目のポジションですね。そして、挙げ句の果てには、杉岡が送り込まれ、再び3バックに戻されると、あろうことか、シャドーの位置に入っちゃったよ。4つ目のポジションときたもんだ。どれだけ変化(へんげ)しているんだ?と。「第1回チキチキ小泉今日子ヤマトナデシコ七変化」大会でも開催するのかと。なんなら、なんてたってアイドルなのかと。