■ポルトガル 3 vs 3 ハンガリー[EURO 06月23日]
“パジャママン”って呼ばれているらしいですよ、ハンガリーのGKキラーイ。なんと、御年41歳。マテウスを抜いて、ユーロ最年長出場記録なんだそうだ。四半世紀近くプロキャリアを積んでいるということでしょうね。まだ社会主義体制でプロという社会的立場が存在しなかったかもしれませんが。ともあれ、いまから25年くらい前には多かったんですよ、長ズボンのGK。なんならキャップもよくかぶっていましたよね。その頃からの習慣ですかね、キラーイのパジャマ。
ちなみに“キラーイ”という響きからワタクシが想起するのは、“カーチ・キライ”だったりします。ロサンゼルスオリンピックとかに出ていたバレーボールのスーパースター。アメリカ代表の。なんせ、ワタクシ、元バレーボール部所属ですから、なんとなく耳に残っている。確か、その頃の“全日本”は、熊田とかがエースだったような。センターは川合俊一。もちろん“ミドルブロッカー”なんて言葉を、まだ霊長類ヒト科は獲得していなかった。
鼻タレ少年だったワタクシは、当然のように「キライなんて嫌いや!!」とか吹聴してわけですが、この試合のポルトガル選手たちにとっては、キラーイ以上にケラーのことが嫌いだったに違いない。いったんはポルトガルを奈落の底に突き落とすスーパーシュートを決めたのが10番のケラー。こちらは御年37歳なんだそうです。ちなみにワタクシは「ビアケラー」なる新橋のビアホールは好きです。世代的にユリゲラーはリアルタイムでなく。
試合はセルジオさんが溜息交じりボソボソとこぼすような展開。相対的にメンタル面で優位にあったハンガリーの前に、グループリーグ1位通過大本命のポルトガルが攻めきれない。いやな空気が漂いだして、「このままハンガリーリードのまま前半終了かな・・・」なんて考えていたら、追いつきましたねぇ。ナニのシュートで。グループリーグ敗退の危機にあったポルトガルが、どうにか決勝トーナメント進出の可能性を現実的な範疇に引き戻して、ハーフタイムに突入します。
いよいよ、ポルトガルの逆襲が始まり、クリロナ・オン・ザ・ステージな後半になるかと思いきや、出鼻をくじくように、後半早々、セットプレーでハンガリーが勝ち越します。でも、やっぱりクリロナ・オン・ザ・ステージなんですよ。勝ち越されれば、すぐにクリロナの巧みな足技で追いつく。ただ、その熱も覚めやらぬうちに、ハンガリーが三度勝ち越す。ミラクルハンガリー。マジックジャマール、いや、どちらかといえば、フランスWCで決勝Tに進出して選手全員が金髪にしたルーマニアの方が近いかな。
ともあれ、結局最後は、クリロナ・オン・ザ・ステージ。クリロナ必殺のヘディングシュートで3度追いつく。白熱した一戦となりました。まだ後半15分、されど後半15分、さしものハンガリーも心身ともに疲弊を隠せなくなる。特にクアレスマが投入されてからはポルトガルの攻勢が凄かった。でも、タイムアップを待たずに、その攻勢は止みました。・・・他会場の結果により、引き分けでも決勝T進出が決まり、しかも“死じゃない方の山”に進めることが判明したから。。。こういうところはキリスト教社会的合理主義ってやつ。宜しかったんじゃないでしょうか。