■デンマーク 4 vs 0 ブルガリア[キリンさん 06月07日]
初戦のクオリティが明確に異なった両チーム。デンマークはボスニアヘルツェゴビナとの比較を起点とした場合、「日本より強いんだろうなぁ」というような出来。勝負のアヤで負けてしまいましたが、ほとんどの時間でボスニアヘルツェゴビナを圧倒していた。一方のブルガリアは、多くの日本代表ファンの皆さんが快哉をあげたように、27で日本にボロ負け。「実力的には日本より上だった?」って思わせる要素は皆無であったと行って良い。
そんな実力差のあるであろう両チームの対決ですから、そりゃ、デンマークが攻め立てるわけですよ。前半30分くらいのボール支配率はデンマークが65%。ひたすら守勢に回っていたブルガリアに対して、さぞかし解説のセルジオ越後さんはおかんむりかと思いきや、冷静なんですよね、これが。溜息交じりに、淡々と的確な解説を加えていく。そうなんですよ、セルジオさん、日本代表戦以外の試合を解説させたら、めちゃめちゃクレバーなんですよ。
そんな、ワタクシ的にも予想通り、セルジオさんは溜息交じりって展開の中でも、ブルガリアは堪え忍ぶ。おそらく、そもそも、そういうゲームプランだったのでしょう。GKのミトレフをちょいちょい危なっかしい場面もなくはなかったものの、好セーブを連発。でも、その牙城は前半のうちに崩されます。クビストの縦パスに、フィッシャーが巧みなターンを見せて折り返す。最後はラスムッセンが合わせたファインゴール。ブルガリアのお尻に火がつきます。
後半に入っても、画面から伝わってくる雰囲気は前半と変わらず。ブルガリアがカードもののファールでデンマークを止めるというシーンが多かったですし、そういう趨勢を逆手にとってシミュレーション的にファールをもらったりしていたので、デンマークがイニシアティブを握り続けているような感じもしたのですが、なんだかんだで後半のボール支配率は、51%vs49%くらいになっていました。ブルガリアもこのまま帰国するわけにはいきませんからね。
加えて、デンマークのシステムにも要因があったのかもしれません。というのも、デンマークって、初戦もこの試合も中盤がダイヤモンド。なので守備になったときには前線の3人(2トップ+トップ下)のうちの誰かが入れ替わり立ち替わり下がってこないといけない。またインサイドハーフというかダイヤの左右が適宜スライドし続けなればならない。ってことなんで、どうしても後半になって疲れが出てくるのかもしれません。特に思考力(集中力)の部分において。
とか、思ったのですが、集中力を先に切らしてしまったのはブルガリア。後半も20分を過ぎてから、デンマークはエースのエリクセンが続けざまに2ゴール。どちらも、セルジオさんの解説通り、シュートモーションに入りながらも相手GKの動きを見定めて、逆をついたテクニカルなシュート。これで、ブルガリアは、1990年代の流行語で言うところの“プッツン”してしまいました。あとは悠々とエリクセンがハットトリックを達成し、「やっぱ日本代表の一回戦の相手がデンマークだったら、背中寒い興行になっていたのだろうなぁ」ってな強さを見せつけながら、デンマークイレブンは颯爽と関空(成田かも)に向かったとさ。