「真逆の景色。」ってな試合【福岡vsセレッソ】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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アビスパ福岡 1 vs 1 セレッソ大阪[J1昇格PO 12月06日]

戦前からこの上ないツッコミどころとしてイジられまくっていた長居開催。なにゆえ3位福岡と4位セレッソの一発勝負が、普段はセレッソがホームとして使用している長居で開催されるんだ、と。まぁ、中立地が望ましいながらも、事実上、一方のホームになるってのはチャンピオンズリーグでもありうることなんで、仕方ないっちゃ、仕方ない。協会所有の5万人規模スタジアムができれば良いんですけどね、なかなかそうもいかない。ともあれ、長居なのに4位ゆえにセレッソはアウェイユニ。いつもと“真逆の景色”。

 

 

“真逆の景色”といえば、現在のセレッソの姿。かつてはユース上がりの才能豊かな若者に攻撃では自由を与えるクルピ流で、ハンバーガーのような青春色のサッカーを繰り広げていましたが、いまは玉田や田代、さらには橋本、田中、茂庭、関口といった経験豊かな選手が、まぁ、自由は与えられてそうですけど、颯爽としたというよりも、ツボを押さえた、ブリ照り定食のような円熟色のサッカー。ワクワクはしないけれども、ヒヤヒヤもしない。いつかのセピア色とは“真逆の景色”。

 

 

気がつけば“真逆の景色”になっていたのは、両チームがこの日に長居で繰り広げていたサッカーが、数年前なら決して評価されなかったであろうスタイルであったこと。スペイン=バルサ全盛期にザッケローニが日本代表を率いていた頃には「ショートパスサッカーにあらずんば、サッカーにあらず」って雰囲気がスタジアムを包んでいましたが、先日のJ1CSも含めて、いまや「パスを繋ぎ倒すサッカーは必ずしも効率的ではない。発動させるべきシチュエーションと、そうじゃないシチュエーションの判断こそ大切!」ってサッカーをするチームが増えました。この試合の両チームが、その典型だったんじゃないでしょうか。

 

 

試合は、後半の20分前に動きます。福岡が相手陣内に押し込んだ状況で、セレッソがボールを奪う。そこからは玉田と関口のテクニック&コンビネーションでシュートまで持ち込み、百戦錬磨の玉田が勝負強さを見せつけて先制点を奪います。本来、「攻め込めかけられたところでボールを奪い、あれよあれよとゴールを奪ってしまう」ってのは福岡のオハコだったはず。いつもなら得点を決めているはずのカタチで、逆に奪われてしまった。福岡サポーターの目には“真逆の光景”のように映ったのではないでしょうか。

 

 

そして最後に、劇的な“真逆の景色”がありました。それはアビスパが同点ゴールを奪って、試合をドローに持ち込んだこと。ここには2つの要素があって、1つには、シーズン中は慎重居士だった井原さんがリスク無視で攻撃的なカードを次々と切っていったこと。ここまでの42(+1)試合とは、全く異なる采配。指揮官になって初めて勝負師としての側面を見せたのではないでしょうか。そして、もう1つ、このドロー劇により、福岡が昇格を勝ち取ったこと。これまでのプレーオフでは3位のチームは勝てなかった。それが例年の景色になっていた。そのジンクスを、ついに福岡が突き破った。3位チームの昇格という意味でも、例年とは“真逆の光景”でした。