最近のサッカーのトレンドを如実に反映した試合〜町田vs鳥取(4月12日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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土曜日は味スタ、日曜日は町田でした。

■前半

 

個人的に相馬さんの監督としての印象は、「パスサッカー」。ザッケローニさんが代表を率いていた時代のサッカーに近いイメージがありました。というか、相馬さんが指導者としてのスタートを切った頃のトレンドが、絶頂期にあったスペインやらバルセロナやらの影響をモロに受けていましたから、相馬さんじゃなくても、みんな呪文のように「パスサッカー、パスサッカー」と唱えていた。

 

 

それが、この試合を見ていたら、少し趣が違う。2トップの鈴木と久木野を走らせる手数をかけない攻撃をしかけていました。まぁ、前半の戦い方としては常套手段ではあるんですけど、むしろ強調したいのは、「時間帯に応じて、少し戦い方を変える」というのか、ザックジャパン完敗以降の日本サッカーにおける新たなトレンドだという点。こういう、巧みに時代の流れを取り入れながら試行錯誤していくあたりが、インテリ気質の相馬さんらしい。

 

 

対する鳥取。あまり詳しくないので迂闊なことは言えませんが、けっこうドラスティックに契約選手を入れ替えてますか? この試合のスタメンで名前を知っていたのが、フィールドプレーヤーでは廣田と安藤くらい。廣田は神戸にいた廣田ですよね? それから安藤については、去年とか一昨年から鳥取で試合に出ているはず。でも、それほどベテランって選手でもないはず。で、それ以外のうちの多くは、少なくとも鳥取がJ3に落ちてから試合に出るようになった選手じゃなかろうか。熱心な鳥取サポーターの方々には申し訳ないですが、それくらいの印象です。

 

 

そんな、「ただいま、絶賛、再構築中」な鳥取に対し、町田は相馬さんの再任も含め、それなりの継続性を持ってチームを運営してきていますし、そもそもがこのカテゴリーでは実績も残しているチーム。必然的に前半はゼルビアが一方的に展開押し込むような展開となりました。前半の鳥取が放ったシュートらしいシュートは、1本とか2本とかじゃないでしょうか。

 

 

■後半

とはいえ、後半になると様子が少し変わります。まず、鳥取はシステムを変更してきました? 発表されたスタメンのポジション表記に頼っていたので、前半は「4231なり442なのかな」とボンヤリ見ていたのですが、少なくとも後半のある時間帯は、あるいは流れの中でそうなっていただけかもしれませんが、352(3322というか532というか、3バック+両WB+アンカー+2列目2人+2トップ)に見えました。で、それが奏功したからなのか、そもそものゲームプラン通りなのかは存じませんが、後半は鳥取も支配率的に押し戻し、互角の攻め合いが展開されます。

 

 

もっとも、それでもやはり地力では町田が上位にあるらしく、なんだかんだで町田が攻撃する時間が長い。でも、なかなかゴールが決まらない。文頭で相馬さんのイメチェンに触れましたが、やはり本質はショートパスで相手を崩すサッカー。こういうサッカーだと、相手が築いたブロックを完璧なパス交換で崩さないといけないので、露骨に最後の精度ってヤツに左右されてしまう。もちろん、鳥取の組織的なディフェンスが粘り強く対応したってのもありますが、そういう相手にパスで崩すってのがいかに難しいかということが痛感されます。そして、皮肉なのが、試合を決めた宮崎の2ゴール。ドリブルによる単騎突破か、手数をかけないショートカウンターかの差はありますが、どちらも相手がブロックを形成するより前にサイドからミドルシュートを突き刺したってところが共通している。じっくり正確にパスを回して中央をグラウンダーで崩すことの非効率性を再認識させられる一戦となりました。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

遠藤敬佑

□推薦理由

この選手、確か若かりし頃には、年代別代表に選ばれていた選手ですよね(まだ25歳ですけど)。そのキャリアに違わぬテクニシャンっぷりを、この試合でも披露していましたよ。足の裏を使ってボールをキープしたり、ヒールっぽい方向へのパスを出したり。同じ左サイドでコンビを組むSBの松本と、近い距離感で鳥取守備陣の攻略を図っていました。

 

 

覚束ない記憶ですけど、デビューは水戸だったでしょうか。10代のうちから頭角をあらわし、「レギュラー確保→ステップアップ→代表候補」ってサクセスストーリーが期待されましたが、世の中そんなに甘くなかったらしい。水戸にしては比較的長い期間に渡り契約され続けましたが、結局、出されてしまいした。で、群馬を経て、町田に滞在中。カテゴリーを落としているので、栄転ではなく、都落ちってことになるんでしょうけど、テクニックは錆び付いていないようですし、闘莉王とか塩谷とか、信頼と実績の水戸印ですからね。まだまだ、わかりませんよ。