ワールドカップ各国分析〜フランス編【グループE】

                                  にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村

ザックジャパンコートジボワール相手に初戦を落とした瞬間、多くの「(自称)サッカーに関心のある」日本人にとって、ブラジルワールドカップの記憶は風化を始めたわけですが、一応、ワタクシはWCの全試合を録画を中心に見ました。で、その各試合のレポは少しずつ「ワールドカップTV観戦記」としてアップしておりますが、それと並行して、「ワールドカップ各国分析」もアップしていこうかなと思います。1週間に1カ国とすると、コンプリートするのに8ヶ月、2015年の5月、完全に皆さま「とっくにそんなこと忘れたよ!」って時期になってますけれども・・・。

 

というわけで、今回は復活への足がかりを掴んだフランス。

 

デシャンのチーム作り

フランス躍進の要因を求めるならば、やはり、デシャンということになるんですかね。この大会では、ここ数年間に渡ってフランス代表の中盤を支えてきた選手がいなかった。1人は故障で離脱したリベリー。もう1人は、切り捨てられたかたちのナスリ。このナスリを外したことが、残念ながら、功を奏してしまったのかな、と。やっぱりトラブルの多い選手ですからね。まぁ、ここのところのフランスの不振を全てナスリのせいにしたら、さすがに「“ナスリ”に“擦り”付けるな!」って言われそうですけど。。。・・・ゴホン、ゴホン。

 

 

そういう悪しき旧習を払拭してデシャンが生み出したチームの特徴は、“デカい選手”と“ちびっ子選手”の二極分化が顕著だったこと。ポグバだとか、マテュイディといったルーツをアフリカに持つであろう選手や他にもベンゼマといった大型選手がチームの背骨にあたる部分を形成し、その周辺を潤滑油として衛星的にキャバイエとかバルビュエナが動き回る、みたいなコントラスト。この“剛”と“柔”の組み合わせは、相撲や柔道を愛する日本人としては親しみやすかった。

 

 

□秀逸な中盤

 

ジダンが去った後のフランスは、いつまでもその幻影を追って、先述のリベリーやナスリを必死に“ポスト・ジダン”の枠に押し込もうとしていた印象がありましたが、そんな雰囲気はすっかりなくなりましたね。で、ジダンとは全く異なるスタイルの選手が中盤に君臨している。

 

 

例えば、それはポグバであったり、マテュイディであったり、シッソコであったりといった面々。これらの選手は、ジダンではなくビエラの系譜に位置付けられますよね。アフリカにルーツを持つ大型のセントラルミッドフィルダー。今大会でいうとヤヤ・トゥーレなんかに近いタイプ。それから、もう一つのタイプとしてはバルビュエナ。この選手の、「マークを剥がしてターン」とか、潤滑油的にムービングしながらパスを散らしていくところなんかは全盛期のシャビを彷彿とさせる。やっぱり、ジダンとは系統が異なる選手ということになろうかと思います。そういう選手たちが、新しいフランスを支えている。ようやく時代が変わったのでしょう。

 

 

□印象に残った選手たち

 

さて、それでも、ワタクシ的に印象に残ったのは、フランス暗黒時代で悪戦苦闘した選手たち。例えば、それはエブラ。“元キャプテン”ではあるんですけど、どうにも“重鎮感”がない。なんとなく、渋谷のチャラ男みたく世の中を舐めくさっているような雰囲気を醸し出す。もちろん、暗黒時代を支えていたわけなんで、チャラ男なわけはないんですけど。そういうところ、「暗黒時代の元キャプテンでありながら威厳の種類が独特」という意味では山田暢久にイメージがかぶります。

 

 

もう1人、強烈な印象を残したのはベンゼマ。なんだかんだで、この選手が“八面六臂”。ストライカーの役割に専念するのではなく、ボールを収める役割とか、守備に回ったり、背中で他の選手を牽引したり、なんというか、高校サッカーにおける「10番のエースストライカー」ってイメージ。あるいは「4番でエース」。そう考えると、どことなく風貌も元高校球児で番長キャラのKさんに似ているような。将来的に離婚騒動の果てに「金スマ」とか出て高視聴率を叩き出さないとよいんですけど。