「縦への速さを生かす成熟度の差。」ってな試合【アルガルベ(vsフランス)】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

                                  にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村

■なでしこ 1 vs 3 フランス女子代表[アルガルベカップ 03月09日]

なんでも世界ランキングの3位と4位との対決なんだそうで。そりゃ、ハイクオリティな応酬が繰り広げられるってもんです。互いにイージーなミスや意図不明なプレーは少なく、機能しているチーム同士の攻防が展開される序盤戦だったのですが、フランス代表がFWをシンプルに走らせる大雑把なスタイルだったのに対し、なでしこにはSBやSHが高い位置まで追い越していくってシーンが多く、明らかに消耗の大きなサッカーを仕掛けていました。

 

 

試合が動いたのは、前半も40分を過ぎてから。ファーストアタックをはじき返された後、大儀見が縦パス。菅澤がボールを受けて戻すと、走り込んでいた川澄がダイレクトで振り抜いて、ミドルシュートがフランスゴールに突き刺さりました。ただ、だからといって日本が試合を優位に進められていたわけでなく。中継でも指摘されていましたが、宇津木と川村のポジションを交代させるなど、試行錯誤を繰り返す。要するに中盤中央でボールを捌けていなかった。時間が作れていなかった。これでは上下動を繰り返すサイド陣は厳しい。

 

 

後半に入ると、なでしこは防戦一方。まず、50分過ぎ、近賀がフランス左SBのブローを後ろから倒してしまいPK献上。それをエースのティネに易々と決められてしまいました。ただでさえ押されいる中でしたので、きつかったですね。そこで佐々木監督も修正を加えるべく、宇津木と大野に代えて、阪口と安藤を投入します。しかし、それでも、中盤での劣勢を立て直すことができません。初戦と同じように、「どうにもリズムが出てこない・・・」って感じ。

 

 

というか、フランスが強すぎたのかも。勝ち越しゴールなんて、えげつなかったですもんね。中盤で、あの大儀見があっさりと相手のプレッシャーに屈しボールを失うと、CBのビュテル→ボランチのアビリ→FWのティネへポンポンポンとあっという間にボールは繋がっていき、最後はルソメーにシュート練習をしているようなミドルを叩き込まれてしまいました。個のフィジカル、判断に加えて受け手と出し手の意思疎通や距離感など、全てが完璧なゴールでした。

 

 

勝敗の趨勢が決まったのは後半の40分前。阪口が低い位置で不用意な横パスを出し、それをティネにかっさらわれて、そのまま決められました。それにしても、なでしこの面々は、このグラウンドの芝と相性が悪かった。初戦と同じコートだと思うんですけど、ホント、パスが繋がらなかった。ボール一つ分、あるいは二つ分、いちいちズレていましたもんね。それでは、これだけのクオリティを披露してきたフランスに勝てるわけがありません。まぁ、完敗ですな。

 

 

 

しっかし、フランス女子代表、ポニーテール率が異様に高かったですね。だって、11人中11人がポニーテールなんですよ。フランスではポニーテールが「ナウなヤングにバカウケ!」なんでしょうか。そんなポニーテール軍団を牽引するのは強力ポニーテール2トップ。この2人を生かすべく、フランスの攻撃はとにかく縦に速かった。2トップの破壊力を効率的に発揮させる方法論が確立していて、なでしこ守備陣を少ない手数でタジタジにしておりました。

 

 

対照的になでしこは縦に速い攻撃がこの時期になっても未成熟。日本には宮間というスペシャリテがあるわけですが、実は宮間を最大限に活用する方法論が確立していないのではないだろうか。というのも澤を中心とした2011版なでしこは手数を比較的たくさんかけるサッカーだった。しかし最近のなでしこは宮間がボランチに入っていて、ボランチに入った宮間は高精度な裏抜け用の縦一本を必殺技としている。その高精度な裏抜け用の縦一本をうまくチームに落とし込めていないような気がしないでもないのです。