ブラジルに点った黄信号についてアレやコレや合点がいってみる【チリvsブラジル】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

                                  にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村

■チリ 1 vs 1 ブラジル[WCround16 06月29日]

例によってブラジルは、お尻に火のついた状態でキックオフを迎えます。というか、試合を重ねるごとに、燃えさかるお尻の火力は強まるばかり。このへんは、地元開催の光と影。あまりにも熱狂的な「国民総サポーター化」というのも考えもの。それでも、そのお尻の火がブラジルの選手にハッパをかけ、先制点を奪うことに成功します。ネイマールが蹴ったコーナーキックをチアゴシウバがフリック。最後はダビドルイスが触ったか触ってないかでゴールインとなりました。

 

 

先制してからはネイマールの輝きが燦めく。解説の金田さんが繰り返していたように、圧倒的なスピードですよね、ネイマール。惜しむらくはシュートが入らなかったこと。惜しいシュートは何本もあったのですが、そこが勝負のアヤ。そうやっているうちに、ブラジルは同点に追いつかれてしまう。マルセロがフッキに投じたスローインをチリのバルガスが奪うと、すぐさまラストパス。ちゃんと反応していたサンチェスが、シメシメと決め込んだ。

 

 

ということで、再びお尻に火がついたブラジル。攻めます。人数をかけます。ただ、チリもしっかりと対応してきていたので、惜しいシュートは何本もあれど、チリが崩されて「絶体絶命!」ってシーンは作り出せないままハーフタイムへ。そういう、ブラジルの「なんだかなぁ」感は後半になっても変わらず。たとえばそれはフッキの幻のゴールに象徴的。あれはハンドだったのだろうか? 尤もそういう感じが、いかにも、この試合、この大会のブラジルらしいのですけど。

 

 

その後は消耗戦。互いに決定打に欠く展開。とはいえ、チリとしてはプレッシャーもブラジルに比べて緩いですし、「弱者の戦術」が許される立場なので、こういう状況は望むところ。グティエレスやピニージャを入れてメンテナンスしつつ試合を進める。対するブラジルは必死。とにかく決勝点が欲しい。ですが、ブラジルにはジョーカーがいないんですよね。相手を凌駕するプレーの出来る選手がネイマールしかいない。そこはロナウジーニョに出番があったのかもしれません。

 

 

延長戦に入ると、「〈ヘロヘロで動きが緩慢になったブラジル〉が〈ヘロヘロながらもアジリティを失わないチリ〉を攻め立てる」という構図に。えぇ、えぇ、ラチがあかないわけですよ。動けるはずのジョーが解説の金田さんに溜め息をつかれるようじゃ。ラスト15分でウィリアンを投入することで、マルセロと左サイドの縦に並べて「どっちがどっち?」という幻惑殺法を仕掛けるも、それも奏功せず。最後はPK戦でどうにかこうにか王国が威信を示したとさ。

 

 

それにしても、イメージ的には【〈エリート集団のブラジル〉に〈雑草軍団のチリ〉が立ち向かう】という一戦だったわけですが、南米対決、知り尽くしたチーム同士のマッチアップだけあって、背筋が凍りつくような緊張感に包まれていましたね。こういう知り尽くした同士だと、普通の工夫ではスコアは動かない。前半に入った2ゴールからもわかるように、得点が入るとしたら、スーパープレーか、どちらかにエアポケットが出来てしまったとき。

 

 

ちなみにチリのユニフォームは赤と青。対するブラジルはご存じ黄色。思わず「信号か!」ツッコんでしまったのはワタクシだけでしょうか? しかも、両チームとも信号の色とおりのスタイルなのですよ。赤青のチリは、「進めor止まれ」という、やることのはっきりしたサッカーでしたし、他方、ブラジルは「周囲(観衆)の様子をチラチラ伺いながら、急ぎ足でゴールを目指す」ってな感じ。なんとも神様のイタズラ感が満載な構図じゃ、ありませんか。