■ドイツ 2 vs 2 ガーナ[WCグループG 06月22日]
キックオフとともに、まずはドイツが強者としてのスタンスを示す。スペインの時代の終焉が印象づけられている大会でしたから、新王者に最も近いところにいるドイツに圧倒的な強さを示して欲しいという願望込みで見てしまう。ですが、どうも、そこまで圧倒的ではないんですよね。一応、「ドイツがガーナを押し込む」という構図で全体としてはゲームが進んでいってはいたのですが、印象的には「55%vs45%」くらいの比率かな、という感じ。
ドイツにとっての決定的なシーンは前半で34回ありましたかね。ただ、持ち前の身体能力によるものなのか何なのか、ガーナって後ろ向きに追いかけて、どうにか追いついてクリアするって守り方が上手。危なっかしくも守れてしまっていた。逆に言うと、個の踏ん張りで耐えていたって要素もあるわけで、後半に入ると、ドイツに牙城を破られます。右サイドからのアーリークロスにゲッツェが巧みに頭で合わせたゴール。ガーナの守備は縦より横に弱いんですかね。
それでもガーナは引きません。直ぐさま同点に追いつきます。アツーのドリブル突破がはじき返されたこぼれ球をムンタリが右に展開。受けたアッフルがクロスを放り込むとアイエウが身体能力の高さを見せつけるようなヘディングシュートを見せつけました。勢いに乗るガーナは、逆転ゴールまで叩き込みます。ムンタリがインターセプトから一気にスルーパス。走り込んだエースのギャンがGKとの1対1を見事な技術と落ち着きで制しました。
俄然、ガーナのペース。イケイケです。リードされたドイツが前がかりになる分、スペースもできていましたし、ノリノリになるわけです。が、そこでダメ押せなかった。アイエウ弟の突破など決定機を迎えていたのに、フィニッシュの判断が悪い。そうしているうちにドイツが力ずくでペースを奪い返します。2枚替えで投入されたシュバインシュタイガーがリズムを作り、もう1枚のクローゼがセットプレーから同点ゴールを決める。レーヴ采配が当たりました。
そこからは消耗戦の終盤らしく、右に左に中盤省略の忙しい展開となり、両チームともにチャンスを作りましたが、スコアが動くには至らず。露骨に勝ち点1狙いになることもなく、勝ち点3を目指す姿勢でしたので、見ている側としてはワクワクする展開のままタイムアップを迎えました。これでドイツは1勝1分けの勝ち点4ですから、まずは上々。ガーナとしても強豪ドイツから勝ち点を確保し、グループリーグ最終戦までチャンスを残したので悪くはない結果となったのではないでしょうか。
この試合の見所は、両チームの中盤のキーマンでしたかね。まず、ドイツではエジル。エジルといえば、前回の南アフリカ大会で彗星のように出現した選手ですが、当時はまだ若くて「紅顔」って感じの少年の顔でした。それがいまやすっかり大人の男。髪を短くして、顔が長方形っぽくなりましたよね。で、誰かに似ているなぁと思ってイロイロ考えていたんですけど、どことなく顔の雰囲気がトッティに似てきているように見えるのはワタクシだけでしょうか?
他方、ガーナのキーマンは今はミランですけどインテルのイメージが強いムンタリ。この選手って、普段からあんなにユニフォームの着こなしが汚かったでしたっけ? 常に腰パン状態で、「トランクスが丸見えですよ!」って感じ。フィジカルのフォルムも筋肉質というか、ずんぐりむっくりしていますし、なんだか中年の体型していますよね。筋肉質でありながらスタイリッシュでないところが中西学とか、そういう壮年年代のプロレスラーみたいに見えてしまいました。