■柏 2 vs 0 徳島[J1第31節 11月03日]
順位こそ違えど、不本意なシーズンを送ったチーム同士の対決。フォーメーションもともに343のミラーゲームとなったわけですが、思いの外、といったら徳島サイドに失礼ですけど、まぁ、割と互角な立ち上がりとなりました。とはいえ、それでも先制点は柏に転がってしまいます。秋野のビルドアップというか苦し紛れというかのパスを起点に、太田を経由してレアンドロと橋本で左サイドを崩すと、最後クロスに飛び込んだのがドゥドゥ。綺麗なゴールでした。
この日の柏は工藤がサブスタートで、2シャドーはドゥドゥと太田が先発。この2人の左右の関係はかなり流動的だったんですけど、気がつけばドゥドゥが右にいることが多くなって、そのドゥドゥとか高山が何度も徳島の左サイドを崩していました。そうやって、徐々に守勢に追い込まれていった徳島も、54のブロックを丁寧に作って、どうにか応戦。その結果、しばらくは右サイドをはじめとして柏の攻撃陣は我慢を強いられることとなります。
しかし、それも前半の40分まで。GKのゴールキックからのルーズボールを増嶋が拾い、大谷と協力してマイボールにすると、それが橋本に渡る。橋本だけにワタル。橋本のスルーパスに反応したレアンドロが易々と追加点をあげてハーフタイムを迎えました。で、後半に入ると、徳島も攻撃のギアを上げる。ただ、これは徳島が主体的に作り出した攻勢というよりも、柏のゲームコントロールの掌中に吸い込まれていったという側面も否めなかったかもしれません。
ともあれ、それなりに試合はヒートアップ。特に徳島のアドリアーノが中谷にチャージを受けてからは騒々しくなりました。直後にはドゥドゥへのコンタクトで宮崎がカードを受けたり、その際にアドリアーノとネルシーニョ監督が言い争ったり。そうやっているうちに徳島はすっかり疲弊。終盤、レイソルが決定機を迎えまくるも、レアンドロが決定機を外しまくっているうちにタイムアップ。20でネルシーニョレイソルが完勝を収めました。
というわけで柏が完勝を収めた一戦でしたが、この試合で注目されたのは柏のレアンドロと徳島のアドリアーノ。早い例ではバレーなんかが有名ですけど、Jリーグ、というかガンバで実績を残した選手が中東にリクルートされていって、そういう選手がUターン就職するってケースが多くなってきましたね。甲府に戻ってきた当時のダヴィの腹回りから判断するに、中東というのは、良くも悪くもビジネスライクな夢の国ですから、その気風の中でユルさに流されてしまい上手くいかなくなってしまったりすることも多そう。
レアンドロとアドリアーノのうちで、より興味深かったのはアドリアーノ。だってアドリアーノのユニの袖にはアース製薬のロゴがあるんですもん。アース製薬って大塚グループなんですね。その関係でのスポンサードなんでしょうけど、アドリアーノってかつてはセレッソにいましたよね。で、セレッソといえばキンチョウ。そうなんですよ、アドリアーノってガンバと中東を挟んで、大日本除虫菊株式会社からアース製薬へと移籍しているのです。そうとう殺虫能力が強いに違いない。