序盤の日本についてアレやコレやボヤいてみる【日本vsネパール】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■日本U21 4 vs 0 ネパールU23[アジア大会 09月21日]

キックオフの瞬間から日本とネパールとでは明確な技術力の差がありましたよね。まるで高校サッカー全国選手権の一回戦を見ているよう。トラップ1つ、クリアのキックの質1つ見るだけで、相当な差があることは明瞭でした。なので、終始一貫してハーフコートゲームが展開されます。「ガチガチに守られた相手に云々」を超越した実力差があったので、「早めにあっさりゴールは生まれるのかな」と楽観していたのですが、そうは問屋が卸さない。

 

 

スコアが動かないまま前半も30分が経過してしまいました。とはいえ、それほど「攻め倦ねているうちに、焦りが・・・」って感じになることもなく、一瞬の隙をついて野津田がミドルシュートをガッツンと突き刺してくれました。こうなると、「このままケチャップがドバドバっと出るのかな?」と期待したのですが、前半のうちはそうもいかず。逆に、どこかを傷めたらしい山中が、42分に交代してしまいました。「暗雲、垂れ込める」ってことになるんでしょうか。

 

 

後半に入ると、ネパール守備陣を縦に揺さぶることによって活路を見いだします。2点目は野津田だったか、遠藤だったかのパスを植田が受けて矢島へ展開。矢島のパスを鈴木武蔵が戻る動きで相手守備陣に縦のギャップを作ってスルーすると、そのスペースに飛び込んだ中島が押し込んだゴール。3点目は矢島のパスを、野津田がやはりスルーすると、鈴木武蔵が、今度はスルーを受ける側になって、決定力を発揮したゴールでした。ミソは縦パスへのスルー。前後の揺さぶりが奏功しました。

 

 

それでも、ネパール守備陣のメンタルが切れなかったのは評価しないといけないですね。勤勉なアジア人の良さが出ているって部分もあるのでしょうし、それ以上に、試合を壊さないような選手交代をネパールの監督さんがしたというのが大きい。スタートは4バック(4231)だったのですが、後半が始まる頃には541へと布陣が変化し、3点目が入ってからは5番の選手を投入して6バック(631)に近い形へと変わっていきました。

 

 

とはいえ、相手の攻略法が明確になった日本U21は攻撃の手を緩めません。植田から野津田に展開し、そこに原川が絡んで出てきたスルーパス、やはり縦への長いパスですが、これに反応した鈴木武蔵が、この日2ゴール目を決めてダメ押しました。その後は両チームとも、「選手に経験を積ませる」ことを意識したような選手交代。そのまま、何ともいえないテンションのまま40で試合はクローズしました。まずは、ミッションコンプリートといったところ。

 

 

というわけで、「緊張感が途切れないワンサイドゲーム」となったわけですが、ネパールを率いていたのはヨーロッパの方。なので、システムは常套的な4231。ただし、こういう変化球じゃないやり方ですと、実力差がそのまま出てしまうようです。また、ネパールの若者たちは、「日本代表」というネームヴァリューに名前負けをしてくれたらしい。キックオフからしばらくの間は、なんだか勝手にバタバタと、垢抜けないプレーを繰り返していました。

 

 

なかでもバタバタぶりがハンパなかったのは、GKのクトゥ。今大会、この試合が初登場だったらしいので、その辺の影響もあってか、地に足がつかないプレーっぷりが序盤に目立っていました。それはキックオフ数分でわかるようなもの。逆に言うと、だったら日本U21は、そこを突かないといけない。つまり、ロングシュートとか、アーリークロスとかをドンドンと蹴って、メンタル的に追い込んでいくべきだったと思うのです。しかし、そういうことをしない。あるいは“武士道精神”めいたメンタリティが、日本のサッカー界にとっては桎梏になっているのかもしれません。