■カレーダービー［横浜FMvs広島（１０月１９日）］
ワタクシ世代的には、横浜といえば『あぶない刑事』。舘ひろしと柴田恭兵が赤レンガとか本牧ふ頭とかでオシャレに銃を撃ち合っているイメージです。なんといっても港町。ファッショナブルで、それでいて、明るいだけじゃない歴史の陰影を、どことなく感じさせてくれる場所。
そんな海の街としての残映を、多少なりとも残しておこうということで、みなとみらいのオシャレスポットに行くと、‘ドッグヤードガーデン’という、かつての造船ドッグだった場所がフォルムだけ残されています。そう、横浜といえば、かつての造船都市で、海事上の繋がりも含めて横須賀との関わりが深い。ジュニアユースのチームもあるみたいですし。
そんな横須賀といえば、言わずと知れた海軍の街。造船所に加えて、米軍基地もあれば、自衛隊もある。ヴェルニー公園に行けば、「パパは潜水艦の写真を撮り、ママはお花畑に気を取られ、キッズはひたすら走ってる」なんて光景が広がります。ゆえに横須賀のご当地グルメは‘ネイビーバーガー’と‘海軍カレー’。
海軍由来の料理は、かつての基地街では地元興しの素材として大活躍ですよね。例えば、舞鶴では‘肉じゃが’。‘肉じゃが’については舞鶴と呉が元祖を争ってるんでしたっけ？ そう、横須賀が横浜のお隣であるように、呉は広島のお隣。そして呉も横須賀同様に海軍の街で、海軍グルメに力を入れてますよね。そういう意味では、横浜vs広島は「お隣の都市が海軍グルメで町おこししてます」ダービーと言えるわけです。それを端的に述べると「カレーダービー」。呉がカレーにも力を入れているかどうかは定かではありませんけど。
■高校No.1温泉ダービー［横浜FCvs岐阜（１０月２３日）］
横浜市という都市と岐阜市という都市の共通点を探ってみても、これといったものは思い浮かばない。ただ、この試合が行われた時期にはＵ１７ワールドカップが開催されていて、吉武監督率いる９６ジャパンが話題を振りまいていた。そのチームのエースが鹿島入団が決定していた杉本太郎なわけですが、杉本の当時の肩書きは「帝京大可児高校」。そう、彼は岐阜県民なのですね。
一方、プロ野球に目を転ずると、ドラフト会議まで、あと数日というタイミング。目玉は桐光学園の松井裕樹。そうですね、横浜市だか川崎市だかに所在する私立高校でございます。つまり、岐阜県vs神奈川県というのは、〈その年の高校No.1を擁する同士対決〉といえるわけです。
・・・とまあ、それくらいしか共通点が思いつかないのですけど、この試合では入場するときに岐阜県の観光PR冊子を頂戴しまして、なんとなく眺めておりました。岐阜市自体は鵜飼とか、信長とか、そういったもの。ただ、視線を岐阜サポの方に向けると「飛騨」というダンマクがデカデカと掲出されている。そして、飛騨地方といえば、下呂温泉を筆頭とした温泉天国なわけですね。
翻って横浜。さすがに横浜に有名な温泉地はない。たぶん。ただし、神奈川県全体に目をやれば、例えば鶴巻温泉なんてのがある。そして何より、箱根があるじゃないですか。箱根にせよ、鶴巻温泉にせよ相模なんで、横浜FCやら横浜ＦＭやら川崎やらより、湘南ベルマーレの方が縁は深そうですけど、もはやそんなことにこだわっている場合ではないのですね。ここは〈県内に有名な温泉地がある〉ダービーということで許してもらうより他ありません。
■‘中央’ダービー ［四中工vs矢板中央（１２月３１日）］
この試合は、四日市‘中央’工業高校ｖｓ矢板‘中央’高校ですから、なんといっても「‘中央’ダービー」なわけですよ。ただ、そんなド直球で満足するワタクシではありません。そりゃ考えましたよ。他にもいろいろ。
まず、四中工は三重県代表ですからね。多くの人にとっては、〈三重県＝松阪牛〉だったりしませんか？ 美味しい牛肉の産地なのですよ。一方の矢板中央。こちらは栃木県代表。そう、栃木県といえば大田原牛ですね。つまり、この一戦は、「美味しい牛肉の産地ダービー」ということができます。
他にも、三重県といえば伊勢志摩。そして、伊勢志摩といえば大阪や京都の小中学生にとっては修学旅行で訪れる場所ですね。一方の栃木県。栃木県といえば日光。そうです、首都圏の小中学生が修学旅行で訪れるベタな場所ナンバーワンなのですよ。ゆえに「修学旅行のメッカダービー」ということもできます。
なんてことを試合もそっちのけで考えていたのですが、こういう類似性、近くの関係者席で観戦していた小倉隆史は気付いていたのかしら？ ！！ そうなんですよ。ついに‘生オグ’を見てしまいました！！
いやぁ、この人がきっかけでサッカーが好きになったようなものですからね。もうね、初恋の人に再会したような気分。ああいう場合って、声と掛けて良いんですかね。一応、迷惑かなと思ってチラ見するに止めましたが、夢のような時間を過ごしました。
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・・・ということで、本エントリーを以て、２０１３シーズンのＪリーグを振り返り終わりました！！！（パチパチパチ）
